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天界バイトで全言語能力ゲットした俺最強!  作者: 新田 勇弥
序章 天界(ブラック)バイトと輪廻転生
5/472

4話 小さな理解者

序章まとめ投稿4話目です。

「ラルフ様、お乳飲んで下さい」

「ウゥゥンンン」


「奥様は、お出かけされてますから、このマルタのお乳を飲んで下さいませ……そうだわ。ローザ、ローザ!」


 ……ロー?


「なあに? おかあさん」

「ああ、ローザ。あなたからラルフ様に言って差し上げて、お乳を飲んで下さいと! あなたの言うことなら良くきいて下さるから」


「……はい」


 ……ロー。


「ラルフェウス様。よしよし。奥様がいらっしゃらないから淋しいのですよね。ローザが付いてますから、心配ありません。お乳を飲んで下さい。」


「アブアブ……マンマ? マンマァ」

 ……ウマウマ。


「ああ、やっと飲んでくれた。ふう。2ヶ月もお乳を差し上げているのに、なかなか慣れてくれないわ」

「ラルフェウス様は、本当に賢くていらっしゃるから。奥様か、おかあさんかお分かりになります」


「うーん。アリーは、すぐに飲んでくれるけどねえ。ラルフ様は、なかなか……ローザが居てくれると、ご機嫌で助かるわ」


「お母さん……ああ、空が紅くなってる。夕食の準備は……」

「そうね。そろそろ始めないとね」


「アブブブ……ハァァ。ゲッフ」

「ラルフ様? もうよろしゅうございますか? ふむ。アリーは寝ているし」

「お母さん。ラルフェウス様は私が付いてますから」

「そう? じゃあ、台所に居ますからね」

「はい」


「ラルフェウス様ぁ。いつもお可愛らしい。この真っ赤なほっぺの柔らかいこと」

「アブアブ」

「まあ指を? ニギニギですか?? うふふふ……」


「……ロ……」

「ロ?」


「……ロー」


「ロー……ロー……ロ……」


「えっ、えぇぇ」

「ロードゥ………ローズゥ」

「まさか。ラルフェウス様?」

「ロ・ロ……ローダァ」


「…………あっ、あああ……そうです。ローザです。ラルフェウス様」


「ローダァ」

「はい。でも、ローザです」

「ウウーーー?」

「ちょっと違ってます」

「ウウウウウ……ロー」

「ああ、正しくはローザです。さあ、仰って下さい。ラルフェウス様ならできるはずです」


「ロー……ダ」

「惜しい! ローザです」

「ウゥゥゥウ……ローズァ」

「もう一回!」

「ロ、ロー、ローザ」

「はい! ラルフェウスさまぁぁぁあああ」


「ビェエエエエエエ!!」

「ああ、ごめんねえ。アリー! お姉ちゃん、大きな声出しちゃったわ」


「ローザ……ローザ……」


     †


「だだいま」

「お帰りなさいませ。奥様」


「あら、どうしたの? ローザ。目が真っ赤よ!」

「ええ。ちょっと。でも大丈夫です」


「そう……?」

「アブブブブ……」

「ああラルフちゃんたら。それよりローザ、何か有ったら言うのよ、私はあなたの叔母ちゃんでもあるんだからね」

「ありがとうございます」


「ふふふ。ママが帰って来ましたよ。ゴメンねぇ。でもローザお姉ちゃんが一緒に居てくれたからいいかあ」


「ロー……」

「アヘン、ゴホッ!」

「ローザ、風邪?」

「いいえ。大丈夫です、奥様」

「それなら良いけど? ウチは赤子が2人も居るからねえ。お互い気を付けないとね」

「はい。奥様」


「淋しくなかった? ラルフ。ママは淋しかったわよ」

「……マ」


「マ?」

「……ママ」


「えっ?」

「ママ!」

「奥様!」

「……呼んだの……かしら? 私を?」


「ママ!」

「わぁぁあ。呼んだわ! ちゃんと喋って。私のことをママって、ママって呼んだわ!」


「おめでとうございます。奥様」

「うっ、うん。ありがとう。ローザ」


「ローザ!」


「ローザって」

「はい。私も呼んで貰いました。凄いです、ラルフェウス様!」


    †


「まさか、まだこの子が生まれて半年だぞ! 本当にお前のことを呼んだのか?」

「本当よ! ママって! ローザも聞いてたし」

「それは凄い……けどなあ。でもな、マンマじゃないのか? ママとマンマはよく似てるし」


「もう。あなたったら。そうだわ、ママの他にもローザとも呼んだのよ!」

「そうなのか。そうだ、ローザちゃんは? ローザちゃんは、どのくらいで喋ったって?」

「1年位だそうです」

「だろう……大体そんな物じゃないかぁ。私の弟もそんな感じだったぞ、ホレホレェー」


「ウギャ」

【タイタイ!】


「あなた、痛いって。手をそんなに振らないでって」

「ごめん、ごめん……でもなあ。この子は泣かないし、大人しいから、大丈夫かな?」


「なんです? 大丈夫って」

「ああ役所で、やっぱり数ヶ月前に赤ん坊が生まれたやつが居てな、毎日夜泣いて困ってるって言ってたぞ」

「それで?」


「うーん。なんていうか、ラルフは元気が無いのかなあって。アリーちゃんは、元気良く泣くしな」

「ラルフは元気だわ! ちゃんと大きく育って居るし。何て言うか、うるさいのが嫌いみたい」


「だから自分でも泣かないってか? あははは。ラルフのことがそこまで理解できる、お前の方が凄いんじゃ無いのか?」

「ローザも分かるって」

「へえ。そりゃあ……また。そうかローザのことも呼んだって言ってなあ」

「そうよ。私も聞いていたわ」


「そうかあ。ラルフは天才かも知れないな……ママって呼んでみ、ラルフ!」

「ンンン」

「嫌がってるかな?」

「ママ」


「おおぉう! 本当だ……本当に呼んだぞ。そうだ! 次は、パパ! パパって呼んでくれ!」

「あなた!」

「パパだ! パパだぞー」


「……パ」

「おっ! パパだ!」


「……パッパ! アブゥ!」

「てっ、天才だ!」


   † † †


「ラルフ、お誕生日。おめでとう。お前も今日から1歳だぞ!」


 ごしごしっと頭を撫でられた。

「パパ、ママ。ありあと(ありがとう)

「うん。よく言えたな!」


「ラルフ、おめでとう!」

「おめでとう」


 白髪に白髭、顔中もじゃもじゃが居る。その隣には優しそうな、女の人も。2人ともたまに見る人だ。


「ジージ、バーバ、ありあと!」


「それから、アリーちゃんもおめでとう!」

「……」

 僕の横に、女の子が座っている。


「アリー、大旦那様にお礼を申し上げなさい」

「あい! マンマ」


「ははは。マンマか、もう食べても良いぞ」

「食べましょう」

「あい!」


「でも、ごめんな。アリーちゃんの誕生日は、4日前だったのだろう」

「いいえぇ。旦那様。ラルフ様と並んで祝って戴けるだけで」


「いや。アリーちゃんは。ラルフの又従姉(はとこ)だしな。ああ、ローザちゃんも、来月で5歳になるんだったな。おじさんは忘れてないぞ!」

「ありがとうございます。旦那様」


 この子はローザ姉ちゃん。茶色い髪に、茶色の眼でとてもかわいい。大好き!

 いつもは、別々に食べているのに、今日は一緒。楽しい。


「この子達の父親が亡くなった時。私達親子を、引き取って戴いて、いつも感謝しています」


 ん?

 ローザ姉ちゃんが、泣きそうな顔になった。

 おなかでも痛いのかな?


「まあ、まあ。マルタさん。今日はお祝いだし、和やかにね」

「ああ、申し訳ありません。奥様」


「うむ。一族助け合って生きて行くというのは大事だ。なあ、ディラン」

「はい。父上」


皆様のご評価、ご感想が指針となります。

叱咤激励、御賛辞関わらずお待ちしています。

ぜひよろしくお願い致します。


Twitterもよろしく!

https://twitter.com/NittaUya


訂正履歴

2018/01/06 「もうこんな時間」→「空が紅くなってる」

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― 新着の感想 ―
[良い点] まだ全然読んでませんが、今のところ楽しく読ませていただいてます。 [気になる点] 少し細かいですが、発音に着いてですが赤ちゃんのときに発音が出来ないのは確かそもそも発音をする器官が未成熟…
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