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天界バイトで全言語能力ゲットした俺最強!  作者: 新田 勇弥
7章 青年期IV 王都2年目の早春編
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117話 女教授

なんか、女教師とか、女性看護師とかプラスアルファで魅力を感じます。

どういう状況か忘れましたが、母とそういう話題になったときに、そうだねえ、あんたの初恋って幼稚園の●●先生だもんねえとうんうん肯かれながら言われました。

 11月も半ば。

 修学院が再開して2週間経った。


 金曜日の3時限目前の休み時間。

 俺は神学専攻の生徒がほぼ来たことがない建屋、通称神職科の教室が並ぶ廊下を歩く。

 神学科の連中とは異なり、歩いている者は皆、光神教神職の法衣を着ている。無論、袖や襟の色で本物神職と神職見習いである学生は見分けが付く。


 魔獣退治と人命救助で表彰されたこともあって、多少修学院内で俺の顔が売れてしまったようだ。前回この建屋へ来たときは結構騒がれた。神学科ではもう慣れてくれたようだが、こちらではまだ新鮮らしい。

 なので今日は対策を施した。


 そのお陰か、誰にも騒がれずエリザ教授室まで来ることができた。ちと驚かせてみるか。


「エリザ教授。こんにちは」


 本を読んでいた教授が、顔を上げてこっちを見る。


「えーと。君は? 誰ですか? 1年生?」

 微妙な表情で、俺の顔をマジマジと睨む。


「神学科のクルスと申します」

「クルス? はあ。でも神学科の君が、なぜ神職の服を?」


 全く気が付かない。

「冗談です。失礼しました!」

解除(ハールト)擬人装(マスケラーレ)


「エーーーー!」

 教授は大声と共に破顔すると、急に立ち上がった!


「顔が……ラルフ君だぁ! えぇ、どういうこと?? 別人になった!!」

 大興奮だ。

 エルフだから見た目より結構年齢が行っているはずなのに、反応が子供っぽい。


「ねえ、ラルフ君! もう一回、さっきの顔に戻って! 戻ってよ」

 かわいいなあ。


 何度かクルス君だけでなく、バナージ先生など共通の知人数人の顔を、行きつ戻りつして、腹を抱えて爆笑を得た。その後、数分経って……エリザ教授は、やっと落ち着いた。


「こほん。で、課題はやって来ましたか?」

 そんな鹿爪(しかつめ)らしい顔をわざと作っているな、まだお腹付近がヒクヒク波打ってるし。


「はい。仰った通り半分ですが……」

 ノートを渡す。

「ふむふむ……」


 課題を読み始めたら、数分前とは別人のように落ち着いたようだ。


 3ページ程読み進め。

「いいでしょう。後半もこの調子でやりなさい。流石に理解が早いですね」

「それはどうも」


「というわけで!」


 はっ?


「こちらの飜訳もお願いしますね」 


 3冊の冊子が目の前に置かれる。

 古代エルフ生態の一考察、古代エルフ文化史における経済的側面……。これも、あれもエルフの資料の冊子。

 全部神代(グルーム)文字で書かれている。


「いや、あのう先生。この文書は、俺の研究内容と関係ありませんけど」

 

 この先生、前回俺が読めることを知ってニマッとしてたが、こういうことだったか。


「世の中に関係ないことなどないのです!」


「いや、決まった! って顔して、哲学ぽいことおっしゃられてもですね。大体、これ先生の研究の資料ですよね」

 仕方なく渡された冊子をぱらぱら見てると、地図があった。


 ん?

 これって王都(ここ)だよな。山や川の配置から行って間違いない。しかし、違う名前が書いてある。

 ああ、光神暦152年か。王都(スパイラス)遷都前……というより建設が始まる前だ。


「師匠の研究を手伝うのは、弟子の喜び! でしょう?」


「えーと。俺って先生の弟子なんですかね?」

「むう、生徒と弟子は似たようなものです」


 うーむ。似て非なる代表例な気もするが。

「前例を参照したいのですが、他のお弟子さんはどちらに? 会ったこと無いですが」


「そっ、それは!」

 あたふたしだした。


「修学院を長く空けていましたから。いっ、今居ませんけど……ラルフ君は、いじめっ子ってヤツですか?」

 ニヤけていたら、途中から怒りだした。


「さて、どうなんでしょう。基礎学校の途中から、隔離されてましたから、いじめるも何も」

「へえ。あなたもですか……」


 ふむ。お互い芳ばしい幼少期を過ごしてきたようだ。


「で、いつまでにやれば良いんでしょうか?」

「ああ、やってくれるの? できれば11月中にできるとうれしいなって」


 かわいさを強調しても関係ないですけど。


「わかりました。それだけですか?」

「あれ?! 余力があるなら……」

 がさごそと、机に堆く積まれた資料をあさり出す。


「えーと、これだけで結構です。失礼します!」

 教授室を辞した。


「さてさて、気が付くかな。天才少年……」


 何か呟いたようだが、聞かないようにしていたので何と言ったのかは分からなかった。


     †


 修学院の方はそんな感じで、まあ平和と言えるだろう。

 俺の婚姻の手続きも着々と進み出した。


 義母(マルタ)さんへ、俺、ローザ、ダンケルク家から都合3通手紙が送られ、ローザの意向に任せるとの返信が来た。加えて俺宛の返信には、何とぞローザのことを頼みますと書いてあった。


 猶子縁組み届は、滞りなく処理され、ローザはダンケルク家の猶子となった。ローザンヌ・ダンケルクと名乗ることになった。


 まあ暮らしの方は何も変わらないけれども……と言いたいところだが。変化がひとつ。


「まあ、まあ。ラルフ様。お帰りなさいませ」

「ただいま。マーヤさん」

 うちの庭の掃除をしていた壮年女性に挨拶を返す。

 裾がやや広いスカートに、白いエプロンを着けて、箒を持っている。


 俺の実家からの返信の一文。

 ローザに何時までもメイドをさせておくな!

 おふくろさんの指令に順った結果だ。


 まあ、確かに小なりと言っても貴族の夫人だからなあ、家事はしないのが一般的だ。ミストリアの通念上は、おふくろさんが正しい。

 

 これに対してローザは、メイド道? として家事をするのは譲れないと言っていた。

 が、そもそも、この館は広い。炊事洗濯はともかく掃除はキツい。今ではサラに手伝って貰っているし、再来月になったらソフィーも来るし、これ以上ローザに苦労させたくない! と言ってはみたが、本音の正面突破は効かず。

 

 ローザのメイド道とは、主人に肩身の狭い思いをさせることか! そのように詭弁という名の搦め手を使って、なんとか折れさせた。

 

 もう1人メイドさんを雇うことにした。


 それが、このマーヤさんだ。

 ダンケルク家に紹介して貰った。

「奥様とアリー様がお待ちですよ」

「ああ」


 それにしても似てるよな、マーサさんに。

 身元はしっかりした人をということで、彼女の従妹が選ばれた。


「お帰りなさいませ」

「ただいま。また遅くなったな」

 と言っても1時過ぎぐらいだが。


「ええ、アリーとセレナが狩りに行くぞーって待ってますわよ」

「ああ。でもローザの昼食はしっかり食べてから行くからな」

お読み頂き感謝致します。

ブクマもありがとうございます


また皆様のご評価、ご感想が指針となります。

叱咤激励、御賛辞関わらずお待ちしています。

ぜひよろしくお願い致します。


Twitterもよろしく!

https://twitter.com/NittaUya


謝辞

121話の「鹿爪らしい」につきまして、ご指摘戴きました。誤用というか誤字ではありませんので変更は致しませんが、紛らわしいのでルビを振ります。ありがとうございました。

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