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天界バイトで全言語能力ゲットした俺最強!  作者: 新田 勇弥
6章 青年期III 王都1年目の冬休み編
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109話 情報提供

お盆の帰省ラッシュ始まりましたねえ。(はあ、今週は本業が厳しかった……)


鉄道で移動したい派なので、渋滞に巻き込まれた事は少ないですが、お子さんが居たりするとどうしても車移動に成りがちですよね。運転をされる方はどうぞ安全に。休憩時間にでも拙作をお読み下さい……却って目が疲れちゃうか。


それから来週に掛けて投稿が変則的になります。次話は明日午前中に投稿予定です!

よろしくお願い致します。

 取り出したのは、円筒の缶だ。


「これは。なんだ? 見たところミスリルでできた容器のようだが」

「その通りです。部長殿」

「ううむ……そうだな。仕方ない。中佐と呼んでくれ」

 苦笑いする。


 役職の部長よりは、階級の中佐の方が匿名性が高いと言うことだろう。


「では中佐殿。これはあなた方が必要となるものと思いますが」

「そうなのか? ああ、殿は付けなくて結構。開けても良いか?」

「ええ」


 中佐が、少しだけ被っていた蓋を持ち上げ中を見た。

 記録役だと言われたもう1人が、見たそうに入り口近くで背伸びしてる


「中尉もどうぞ」

 士官にも声を掛けた。


「ああ、そうか……ん? ちょっと待て! なぜ小官の……階級章を着けていないのに」

 ああ、もう! と呟いて中尉が面体を外した。

 なかなか男前だ。


「そんなことよりもだ!」

 おっと。

 中佐が少し興奮している。


「ラングレン君、これが何か説明してくれないか! 上の方は魔石というのは分かるが、その下の球のような物はなんだ?」


「ああ、それは魔獣の卵です」

「魔獣の卵っぉお!」


 中腰だった少尉が、たじろいで一歩下がった。

「ああ、魔力を枯渇させてありますから、孵化はしません!」

 固まっていた2人が、はあぁと溜息を吐いた。


「そっ、そういうことは、先に言ってくれ!」

「ああ、魔術収納で生物は収納できませんが……すみません」

 知らないらしい。

 正確に言うとまだ開発されたと公開されていないのだが。


「ああ。それで魔石の方ですが。魔獣を孵化かつ一気に成長させるための魔力源と、狙った日の時刻に孵化させる時限魔術が刻まれた魔石です」


 中佐が、はっとした顔になった。

「我々に必要なものと言っていたが……まさか南前門前広場に現れた魔獣はこれなのか?」


「これは、さっき答えた森の中で仲間が今朝見付けたものですが、南前門も同じ物が使われていた可能性が大です!」

「むぅぅ、そうなのか?」

 2人は唸りながら、もう一度容器の内外を眺める。


容器()の土汚れ! 埋められていたのか?」

「ええ」

「じゃあ、南門前の方も?」

「さあ……。ただ地面が捲れ上がるような形跡は、広場では見ませんでしたが」


「むう。王都の件は一旦置いて。さっき狙った時刻に孵化させると言ったが、なぜそれが分かった?」


「はい。その魔石の術式を解読して、今日の12時に孵化させる時限式と理解しました」


「それはおかしい! 魔術の術式の解読は非常に難しいんだぞ!」

「そうですか。やはり中尉さんは魔術師だったんですね。光輝(ルーメン)の魔術は使えますよね?」


 少しむっとした。

「馬鹿にするな! ああいや。魔術師を生業とはしていないが……まあ光輝ぐらいは使える」

「では、紙とペンを貸してくれますか」

「ああ、いいが」


 手早く文章を書き上げる。

「これを読んで、最後に光輝(ルーメン)と唱えて下さい」

 紙を中尉に渡す。


「ちょっと待て。これは、知ってる光輝の呪文ではないぞ」

「でしょうね。それは俺が訳しました」

 数秒睨み合う。


「わかった! てっ、天にしろしめす神々の中でもアマダー様、貴方ほどの美男子は、他にはいらっしゃらないことでしょう……」


 中尉の顔が歪む。口に出す文章が恥ずかしいのだろう。


「……しもべが左の人差し指を輝かせ給え。畏まって申し上げます。ルーメン!」


 取調室がやや明るくなった。


「うっ、嘘だろう! 光ってる! なっ、なんでだ? 唱えたのはエスパルダ語だぞ!」

「別に呪文は、古代語でしか記述できないわけではありません。初歩的な魔術で恐縮ですが、解読の一例です」


「ぐぅ。解除(ハァルト)光輝(ルーメン)……信じられん」


 本当に驚いたのだろう、ドスッと椅子に座ると、あり得ないとか、常識外れだとか呟いている。


 中佐が受け取る。

「ふむ。君が魔術の呪文をある程度解読できるというのは分かったが……魔術発動の時刻はともかく、場所は? 君の証言を前提とすると、その森から王都南前門に駆け付けたわけだろう。なぜそこで事件が起こると分かった?なぜ、王都が襲われると?」


「それはこうです。さっき言った森の中に仕掛けても、ほとんど意味がありません。この魔導具が埋まってたのは、逆に言えばそこに仕掛けた者は居なくても良いわけです。したがって逆に考えたところ、これは本当の狙いは別にあると」


「むう……」

「しかし、それで王都が襲われると分かるか? 普通!」


「最初は推理ですよ。今、ランカー、つまり有力な冒険者は、パルヴァン周辺に調査を名目に動員されています。そこで、魔獣が多く出現したからですが。これは、王都から引き離された結果です。そして緋色連隊(スカーレス)もほとんどが離れている。巧妙に王都から対魔獣戦力が離されていると」


「ううむ」

「最初と言ったが、それで確信を持った訳ではないのか?」


「ええ、その魔導具が発動を待っているときは、微弱な魔導波を発しているのですが」

「ほう……で?」


「さっきの推理に基づいて、森の方から王都の方角のみ指向して探したら、魔導波を感知しました」


 中佐は、無言で首を振った。


「もしかして、12時に魔獣が現れるとのタレコミがギルドからあったのは」

「ああ、届いてましたか。ゴーレムを飛ばしたのですが……お疑いなら、その書面に署名しておきましたので」


「はあ…………よく、いやぁ、さっぱり理解できないが、それはともかくも。これが、なぜ突然広場に魔獣が現れたかの謎に対する有力な手掛かりということだけは、まあわかった」

 中佐の顔は強張っているものの、警戒心はなさそうだ。そうなると、逆に疑問が浮かぶ。


「信じて戴くことに異存はないですが。俺の証言が全て嘘で、俺が主犯と言う可能性は疑わないのですか?」


 中佐はマジマジと俺を見た。

「君を調査した報告は前々から読んでいるし、第一馬車ではなく先に庶民を救ったのは事実だからな。だから本官は信じる。養子には入ったが、元は小官も庶民の出だからな」


 ふむ。少しは腑に落ちた。


「わかりました。よろしければ、この魔導具の呪文を記載して提出しますが。記述言語は、古代語とミストリア語のいずれが良いですか?」


「悪いが両方で頼む。それで、この証拠品を調査させるのは誰が良いと思う? 君以外で」


お読み頂き感謝致します。

ブクマもありがとうございます


また皆様のご評価、ご感想が指針となります。

叱咤激励、御賛辞関わらずお待ちしています。

ぜひよろしくお願い致します。


Twitterもよろしく!

https://twitter.com/NittaUya


訂正履歴

2018/08/11 エスパルダ語→ミストリア語

2019/05/22 誤字訂正(ID:1076640さん ありがとうございます)

2020/07/28 誤字訂正(ID:360121さん ありがとうございます)

2022/09/24 誤字訂正(ID:1897697さん ありがとうございます)

2025/05/20 誤字訂正 (コペルHSさん ありがとうございます)

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