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天界バイトで全言語能力ゲットした俺最強!  作者: 新田 勇弥
6章 青年期III 王都1年目の冬休み編
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102話 調査開始

今日は今の会社に引っ張って貰った方の勇退の送迎会。酔ってます。

(注:本文は事前に書いてます)


調査って難しいですよね。特に動く物とか。いやあ、海に居る鯨の個体数調査とかどうしてるんだろう!

統計学万歳!

「あっ、おはよぅ、ラルちゃん……うっ、寒!」


「ああ、おはよう」

 一夜明け、俺とセレナが軽く辺りを流して帰ってくると、丁度アリーが出て来た。

「アリーが起きてるということは、サラも起きてるな」


「うん、起きてる……ってどういう意味よ。で、昨夜は何も無かったようだけど、お姉ちゃんと喧嘩とかしてないよね」

「何かして欲しいのか?」

 仕切りも何にも無いとこでするわけないだろう。ベッドも別だ。


「ふーんだ。朝食出来てるわよ。早く食べよう」


 一瞬で膨れっ面になった。

 ゲルに入ると、温かいスープの香りが充満していた。

 なるほど、ねぼすけのアリーも起きるはずだ。


「お帰りなさいませ」


 館よりは簡素だが温まる食事を摂り、俺達は二手に分かれて、本格的に調査を開始だ。

 俺とセレナは走り出す。

 無論全速ではない。感知魔術を張りながら、魔獣を見逃さないようにしている。


 ラルフ隊は、アリー隊との速度差を考慮して周縁の500ヤーデン幅、3平方ダーデンを受け持つ。アリー隊は中央の1平方ダーデン、面積は1/4を受け持って貰う。



 拠点を出て5分。73地区の境界まで来た。セレナは、俺と二人なのが嬉しそうだ。思いっ切り尻尾を振って走ってる。そうだな、王都に戻ったら、しっかり可愛がってやるからな。

 

 走りとしては、ざっと時速12ダーデンだが、木々が有って真っ直ぐは進めないことを考慮すれば、こんな物だろう。

 途中1頭魔獣が出現したが小型で、セレナが回り込んであっさり斃したので遅延は無いに等しい。


【さて周回に入るか】

「ワフッ!」


 最外周7.6ダーデン。

 ぽつぽつと出現する魔獣を、セレナが爪や光爪で切り裂き、もしくは俺が閃光で瞬殺して、50分で一周した。


 休憩がてら記録のために、一旦止まる

 セレナは、舌を出して白く荒い息を吐いている。

 水飲むか? とセレナに聞くと肯いたので、深皿を出庫して魔術で水を注いでやる。

 森の真ん中で水場がないから仕方ないが、この水は味も素っ気もない水だからな、悪いな。


 俺も水筒を出して、温かい茶を飲む。相変わらず、ローザの淹れたのは美味だ

 後は、表情は変わらないが腹を空かせているだろうから、彼女に魔力を譲渡しつつ魔獣の種類と位置を帳面に書いていく。


 斃したのは計8頭だな。少なくない気がするが、さりとて多くもない。

 大きくても小柄なワイルドボアで、ぱっと見で人族の体重位だったろう。今では魔結晶と化しているので推定だが。やはり昨日のマンティコアは、流れ者ぽい気がするんだよな。何となくだが。


 さて、15分ばかり休憩したら、100ヤーデン内に入って、もう一周しよう。そしたら、一旦様子を見に拠点に帰るか。



 11時を少し回った頃、拠点に戻ってきた。


「お帰りなさいませ」

「うん、ただいま。ローザだけか?」


「はい。私だけ帰ってきました」

「どのくらい回った?」

「1ダーデン角を半周したところで別れました」

「そうか。なかなかだな」


 俺が回る分の境界近くを回ったということだな。


「ちなみに、ラルフェウス様は?」

 わざとむっとした表情を作る。

「2人の時は、何て呼ぶんだった?」

「……あなた」


 いきなり紅くなった。


「14ダーデンだな」

 最外周に行くまでの行程も加えれば、16ダーデンを超えるが差分は重複するからな。


「それは凄いですね」

 そう。渦巻き状に5周の行程だが、1周ごとに周長が800ヤーデン短くなる。最初は7.6ダーデンだが、最後は4.4ダーデンとなる。


「と言うわけで、昼まで休憩だ」

 近付いて、抱きしめた。

「ああ、お食事の用意が……」

「堅いこと言うな」


     †


「あっ! セレナが居る。ラルちゃん、帰ってるんだ。たっだいまあ!」

 アリーが帰ってきた。


「ああ、おかえり」

 すんすん……。


 ん?


「空気が良すぎる。2人で何してたの? セレナが外に居たし」


 何言ってるんだ? と言う顔をする。

 こういうとき、慌てて言い訳すると、ボロが出る。


「なんだぁ。外したか……」

「何言ってるか分からないけど。お昼にするわよ」


 流石、ローザ。軽く流したな。


「ああ、私お手伝いします」

 サラが、槍を置いて、ローザの所へ行った。


「暖かい!」

 アリーはしゃがんで魔石ストーブで手を焙る。


「どのくらい回った?」

「1周したよ。行き帰り入れて、ざっくり5ダーデンってとこ」


「お疲れさま」

 水筒に入っていた茶を、カップに注いで渡す。

「ああ、ありがとう。ラルちゃん」


「で、魔獣はどんな感じだった?」

「うん。あんまり大っきいのは少なかったな。魔山羊(ヘイズルーン)位かな。みんなサラっちが斃したけど。強くなったよねえ」


「ああ。だが、無理するな、危ないと思ったら逃げてくれよ」

「うん。分かってる」

 アリーは、柔らかく笑った。


「できたわよー」


 昼食を食べて午後の周回に出たが、特に午前中と変わるところなく、調査は順調に進んだ。1周を終え3時前には切り上げて帰って来た。通算調査距離は20ダーデン、面積にして2平方ダーデンに達している。俺の残る受け持ち分は10ダーデンだ。


 4時頃には、アリー隊も帰って来た。


「ただいま、ラルちゃん」

「おつかれさま。サラもおつかれ」

「はい」


「うん。ああ、お腹すいちゃった。距離短かったのに時間掛かったねえ」

 そうだな。


「魔獣多かったですものね」

「そうなのか」

「そうなのよ。ちっさいのが多くてさ。でも本当にサラっちは、がんばったよね」


 巫女は殺生を極力避ける。真偽は分からないが、回復系や聖属性の魔術の効果が落ちると言われてる。


「いえ、アリーさんがいち早く魔獣を見付けて頂きましたし、沢山魔術で助けて貰いました」

「いやあ。ラルちゃんが居ないときは、ちゃんと働かないとねえ!」

 居るときもちゃんと働けよ!


「ところで、アリーさん。例の件は?」

 サラが、何か言い出した。


「ああ、そうだった。ラルちゃん、明日でいいから、一緒に行って貰いたい所があるんだけど!」

お読み頂き感謝致します。

ブクマもありがとうございます


また皆様のご評価、ご感想が指針となります。

叱咤激励、御賛辞関わらずお待ちしています。

ぜひよろしくお願い致します。


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訂正履歴

2019/05/22 誤字訂正(ID:1076640さん ありがとうございます)

2022/01/29 誤字訂正(ID:1897697さん ありがとうございます)

2023/02/17 誤字訂正(ID:1552068さん ありがとうございます)

2025/05/20 誤字訂正 (コペルHSさん ありがとうございます)

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