冒険者登録
長くなりました。
どこかで修正を入れるつもりですが主人公たちの中学校は学ランです。
ちょくちょく休憩をとりながら歩いていると、あたりが赤くなってきた。軽く走ったり、身体強化という魔法を使ったりしながらきたのにかなり時間がかかってしまった。
俺の魔法を使う力、いわゆる魔力はそんなに多くないらしい。ただ、魔力は筋力と同じように鍛えれば鍛えるだけ強くなるらしいので今後に期待する。
しかし、魔力には限界値というものがあり、人によってそれは違うらしい。限界値とは最大魔力量の上がる上限であり、限界値が来ると本人にはわかるらしい。
限界値が高いといいなと、将来に思いを馳せていると大きな門が目の前にあった。考え事をしている間に着いたようだ。
門番の人に入門料の銀貨一枚を払い、城門をくぐった。
最初に、冒険者になるためにギルドへと向かう。道を歩く人は思った以上に多く、そんなに多くはないが多種族の人もいるようだった。
ギルドの場所がわからないのでウロウロしていると市場のような場所に着いた。しょうがないので商品を買ってギルドの場所を聞くことにした。
周りを見回して優しそうな人を探す。右でよくわからない肉を焼いて売っている人は絶対にダメだ。顔がめちゃくちゃ怖い。じゃあ、左のほうで野菜を売っているおばちゃんは?ダメだ、話が長そう。
そんなことを考えながら市場をずんずん進んで行くと道端でボロボロの服を着た10歳くらいの少女が綺麗な花を売っていた。孤児院などにあぶれた子供だろうか?めぼしい人もいないので、彼女に聞いてみることにした。
「ちょっといいかな?ギルドの場所が聞きたいんだけど」
いきなり話しかけられた少女は少しビクッとしてそれから少し落ち込んだ表情をしながらも、教えてくれた。
「えっと、ここをまっすぐ行って宿屋さんを左に曲がって、まっすぐ行くと右に見えると思います」
俺は彼女に同情しつつも会話を続ける。
「ありがとう……ところでその花はいくらかな?」
彼女は俯いていた顔をばっとあげて嬉しそうな顔で
「一本鉄貨二枚です!」と言った。
飾る場所がないなと思いながら
「じゃあ3本もらえるかな」
彼女は小さな声でえっと、三本だから……と頑張っ計算している。俺は彼女の計算が終わる前に銅貨一枚を出して「おつりはいらないから」と言った。
そのまま続けて言う。「何か困ったことがあったらなんでも言ってね。しばらくはこの街にいると思うから」情けは人の為ならず、と頭の中で唱えて歩き出す。
彼女は「ありがとうございます」と嬉しそうな、悲しそうな顔でお礼を言ってきた。
俺は軽く手を振ってギルドへと向かった。
少女に教えてもらったまま歩いて行くと簡単にギルドに着いた。ギルドは扉のない二階建ての建物のようだ。歩きながら深呼吸して、ドキドキする胸を落ち着かせる。
受付に行くと綺麗な女の人がいた。四つある受付が全て美人と思われる人で埋まっている。ただ人族だけではなく、獣人もいるようでここには差別がないのだろうと予想する。
獣人の人とも話してみたかったが、今は人族のとこもしか空いていないのでそちらに行く。目の前に立つと受付嬢が笑顔で話しかけてきた。
「ようこそギルドへ、本日のご用件はなんでしょうか?」
「冒険者登録をしたいんですけど」
「かしこまりました。この紙に名前と特技を書いてください」
「特技ってスキルのことですか?」
「そうですねスキルを書くことが多いですが、あまり知られたくない方もいるようなので、特技を書くことになっています」
代筆をお願いしようかと思ったがとりあえず書いてみると不思議なことが起こった。
「あれ?名前を漢字で書いたんですけど、カタカナに変換されているようなんですけど」
「その紙とそれを使って作られるステータスボードは自分の中でわかりやすい文字に見えるように自動的に変換されるんですよ。つまりみた人によって文字が違うことがあるんです。私は漢字もカタカナも知りませんがその文字を読むことはできますからね」
なるほど、と相槌を打ちつつスキルを書いた紙を受付嬢に渡す。スキルは知識を抜いて全部書いておいた。
「ありがとうございます。ギルドの説明をしてもよろしいでしょうか?」
「お願いします」
「では、まずギルドにはgからSまでのランクがあります。魔物の討伐はFランクからですので、そのつもりで、メリットはギルドがある街での入門料がタダになります。あとは依頼の仲介により依頼者との揉め事が少なくなります。」一回息継ぎをしてまた話す。
「そしてDランク以上になると緊急依頼が起こることがあります。魔物の反乱などが起こった時は強制的にその街で戦わなくてはなりません。逃げた場合はギルドの永久除名となります。あと特別な場合を除いて最低でも1か月に1回はクエストをクリアするようにしてください。なんらかのペナルティが課せられる場合があります」
「最後にクエストが失敗した時は成功報酬の三割を支払ってもらうことになるのでよろしくお願いします。Bランクになれば指名依頼が入ることもあるので頑張ってください!」
受付嬢はすっきりとした表情で言い切った。
「よくわかりました、ありがとうございます。ところで薬草を取って来たんですけど買い取ってもらえますか?」
「大丈夫ですよ。このカゴの中に入れてください」
たくさん取って来たから大丈夫かな、と思ったがカゴが大きかったので難なく入りそうだ。カゴに薬草を入れると、受付嬢はアイテムバックを見ながら
「たくさん取ってきたんですね、査定するので少々お待ちください!」と言って奥に入っていった。五分もしないうちに戻ってきて
「高級な薬草があったのでびっくりしちゃいましたよ!私薬草採取だけでこんなに稼いだ人初めて見ました!」と興奮気味に言ってきた。
「これが報酬の金貨12枚です!」
驚いたが大金なので数も数えずアイテムバックに放り込んだ。ちなみにアイテムバックと言っているがリュック型だ。
「ありがとうございます。ところで二回は酒場ですか?」
「そうですよ。とても美味しいので是非食べて言ってくださいね」
「そうします、ありがとうございました」そう言って二階へ向かう。
窓から外を見れば赤よりも黒の方が多いぐらいの空になっている。「泊まるとこどうしよう」と、独り言を言いながら、奥のテーブルに座る。混んでいるようだが空いている場所があってよかった。
店員を呼んでオススメの食べ物と水を頼む。店員は注文を受けるとすぐに厨房の方へ向かって行った。
五分もしないうちによくわからない肉のステーキを持ってきた。なかなかのボリュームなので一番高いものを持ってこられたか、と少し考えたが今日はたくさん稼いだしいいか。とすぐに気持ちを切り替えた。肉はとても美味しかった。
食べ終わった俺は、銀貨二枚を払ってギルドを出た。肉だけで銀貨二枚が高いのかどうかわからないが、高い気がする。もうオススメは頼まない方に決めて宿を探すことにする。
ギルドに来る前に通った宿に行ってみることにした。空いていなかったらギルドに戻って、受付嬢に聞こうと思ったが杞憂に終わる。
宿の扉を開けると目の前に受付があり、そこにいかついおじさんが座っていた。とりあえず聞いてみないことには始まらないだろう。
「一人なんですけど部屋空いてますか?スライムもいるんですけど……」
「何泊だ?」
「とりあえず二泊で」
「うちは朝飯ありの夕飯なしだ。夕飯食ってないなら先に食ってこい。鍵はその後の方がいいだろう。値段は一泊銀貨一枚だ」
「もし延長するなら外出の時は鍵をここに預けていけ。部屋に私物を置いたままにするなよ、取られても責任はとらん」
「わかりましたご飯は食べてきたので鍵をもらえますか?」
俺は銀貨を払って鍵を受け取る。
すぐに部屋に入り鍵を閉めると、明日は生活用品を買ったり、依頼をしたり、買えたら奴隷も買わなくちゃ。と想像しながらベットに向かい、飛び込んでそのまま眠ってしまった。
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