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天狗の弟子になった少年の話  作者: たまむし
三章 身
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百六 つんのめり





 青空の下、声が重なる。

 力いっぱいの幼い声は笛のように高く、次いで幾つもの歓声が上がって、明るい響きはのびのびと弾けた。


 雪解けを迎えた高台の広場は、陽の光があってもまだまだ吹く風が冷たいが、そんなものは何の問題にもならないのだろう。

 からっ風に晒されて頬や鼻を真っ赤にした雛と、常より僅かに頬を上気させた子鬼が、ひらひらと泳ぐ紐を夢中で追いかけていた。


「ほらほらこっちだ!」


 舞うようにくるりと旋回した武蔵(むさし)に続き、腰に蝶結びした青い紐が翻る。

 きゃあ!と笑い声を上げて飛びつく三太朗(さんたろう)。その手は惜しくも空を掴む。

 ぴゃあ!とやはり甲高く声を上げた鶸黄(ひわき)が続くも、青は手の先を掠めていった。


「惜しいぞ!!」

「行け行け!!」


 広場の端に立つ二羽も、末っ子とその子分へ盛んに声をかけた。

 もちろん、三太朗の兄弟子の二羽、紀伊きいと次朗である。

 木々の枝で身を乗り出すたくさんのカラスもまた、それぞれの声を上げた。


 右へ左へ、上へ下へ。

 長く垂らされた紐の先が不規則な軌道で舞う。


 軽やかな兄天狗の足取りを追って、飛びついては転がり、駆け寄っては躱され、それでもじゃれつく猫のように、小さな主従は夢中で動き続けた。


 駆ける子鬼の小さな角が、日射しを受けて白く光る。靡く真っ黒な髪の隙間から、緑がかった黄色の目が紐の動きを追う。


 灰色の髪は光を浴びて白さを増し、楽しさに輝く顔を彩る。

 雛といえど、その足運びはしっかりしていて素早く動き回る。

 その様子には、タヌキとキツネに心配されながら廊下をよちよちしていた気配は欠片もない。


 背の両翼を小刻みに動かして、風を上手く受け均衡を保てるようになった三太朗は、歩いているよりむしろ走っている方が転びにくいというのはご愛嬌。


「ひわ!」

 ひと声掛けるなり、三太朗は配下に前を譲って目標を追う軌道をするりと逸れた。


「あい!」

 来たその日より少しだけ、しかし確実に伸びた手足を操り、鶸黄が距離を詰める。


 鶸黄を躱す武蔵を横目で見ながら、三太朗の足は更に加速し、一気に武蔵の前へと回り込んだ。

 前の三太朗と後ろの鶸黄。完璧な挟み打ちの形に兄弟子たちは目を丸くする。


「おお!?」


 それまでずっと紐を追っていた鶸黄が、不意に武蔵の体を狙って飛び込んで行く。

 予想外の動きと速さに、不意を突かれた武蔵が思わず声を上げた。


 どう頑張っても、子鬼ではこの手練れの天狗の動きを抑えられはしないのだが、ほぼ捨て身の飛び込みを避けられよろめく鶸黄へ、ほんの一瞬だけ武蔵の意識が向かう。

 小さな手がその隙を突いた。


「取ったーーー!!!」

 雛の手には、高々と突き上げる動きに合わせて青い紐がたなびいた。


 広場はわっと歓声に湧いた。






「やー、素早い素早い」

 片割れの方へ戻ってきた武蔵が楽しそうに笑った。

 対する紀伊は、珍しく武蔵と違う表情を浮かべる。その呆れ顔を隠そうともせずにため息をつく。


「おっまえなぁ、最後油断したろ」

「まぁなぁ。避けた拍子にひわがつま先引っ掛けるもんだから、顔面から転びそうで冷や冷やしてさ」


 半歩振り返ると、座り込んだまま歓声を上げている鶸黄と、手を引っ張って立たせようとしている三太朗が見える。

 子鬼は袴の膝に盛大に泥染みをこしらえていたが、顔は…髪に隠れて分からない。

 痛そうにしていないので大丈夫なように思われた。


「それに、昨日より確実に速かったし」

「ほんと、昨日より今日ってか。三日前とは動きがまるで違うもんなー」


 隣に並んだ紀伊が、きゃあきゃあとはしゃぎだした三太朗と鶸黄を眺めて微笑んだ。


「すごかったよひわ!!カンペキだった!!!さすがひわ!!!」

 満面の笑みで三太朗がとび跳ねる。


「ぬしさまのほうが、すごかったでし!はやくて、そえで、えっと、とにかくすごかったでし…!!」

 両手を取られ、つられて小さく跳ねながら、鶸黄もまたはにかんだ。


 互いに称え合う彼らは、出会って日を待たず打ち解け、さらにはこのひと月、日毎に息を合わせつつある。

 仲が良好なのは無論のこと。単独で行動しているのが珍しいほど、彼らはいつも一緒にいるようになっていた。


「昨日までばらばらに(じゃ)れてただけだったのに、急に連携してくるし」

「あいつら昨日辺り相談してたんだろーな」

「『秘密!』とかって耳元でこそこそとな」

「他に誰もいない部屋でな」


 ははっと顔を見合わせて笑いあった。

 いたずらを企むような楽しげな様子が目に浮かぶようだった。


「ほんと見かけによらずやるよな」


 彼らをして関心するほど、三太朗と鶸黄の動きは巧みだった。

 (いとけな)い雰囲気に誤魔化されがちだが、紐を追いかけて走る彼らは、接近しても不思議とぶつかる事故が起こらない。


 互いの動きを意識して動くのは、仲間と連携して戦う基本であるが、これが実は難しい。

 共に走るだけではなく、ものを狙うのだから当然、目標に集中し過ぎればお互いへの注意が散漫になり易いのだ。


 元々息が合っている双子でさえ、最初は手足を引っ掛けてしまったものなのに、彼らは初めてでやってみせた。

 そうして、獣の狩りのように的確に、武蔵の紐(もくひょう)を狩りにかかったのだ。

 

 けして実戦ではないお遊び程度のことではあるが、三太朗と鶸黄の幼い外見にそぐわない実力を示す最たる例かもしれなかった。


「ひわもちゃんと背が伸び始めたし、ひと月であれだけ動けりゃ心配はいらないな」

「さんたろも張り合って熱心に頑張ってるし、ちびたちはほんと良い関係に落ち着いたな」


 兄たちは満足して笑い合った。

 鶸黄が来た日から数日は、三太朗ともお互いが探り合いながら接している様子があった。

 見守る周りはあれこれと気を揉んだものだが、今では凹凸がびったり嵌るように、しっくりと収まっている。


 何より互いを気遣い、補い合う土台が出来つつあるように思えた。


 ひと際たかく声が上がって、双子がはっと目を向けると、次朗が両肩にそれぞれ三太朗と鶸黄を乗せて立ち上がったところだった。


「たかーい!!」

「ひぇぁあ!!」


 鶸黄が身を固くして、支えている次朗の手を掴むが、恐る恐るだが熱心に高くなった景色を見回した。

 三太朗は反対に両手をばたばたさせて喜んでいる。その顔は喜色満面。実に楽しそうである。

 性格の違いが如実に出ていて微笑ましい。


「まーはしゃいじゃって」

「あいつらにしてみれば、いきなり背丈の倍は持ちあがったもんな。そりゃ面白く…」


 そのときだった。

 ばたついた三太朗の手、その手に握られたままの勝利の証(ひも)が派手にしなり、風に煽られて鞭のように先が跳ね、不運にも次朗の目元をはたいた。


「あでっ」

「「!?」」

 目を閉じて反射的に体を揺らす次朗。驚いて次朗の頭にしがみつく三太朗と鶸黄。


「ちょ、おまえら!目ぇっっ!?」

 しがみついた位置は咄嗟の偶然でもちろん無意識なのだが、いっそ悪意があるのか疑いたくなるほどしっかりと、次朗の両目は覆われていた。


 なんとも運が悪いことに、またもや振り子のように振られた紐が、前かがみになった次朗の脚に見事に絡まる。


 よろけてのめる長身。

 もう片足が咄嗟に前に出るも、ずるっと滑った。両手は肩の子どもたちを支えて塞がっている。


 傾いて行く先は、なんと崖。

 大はしゃぎの大騒ぎで歩き回る内に、いつの間にか広場の端に寄ってきてしまっていたのである。


 ひゅうっと耳元で風が鳴り、息を呑んで固まる雛と子鬼。

 はためく袖がばたばたと音を立てるのを背景に、無抵抗に傾いていく…。


 と、四本の腕がそれぞれ子どもたちの背中と次朗の腰ひもをがしっと捉まえ、「ぐえっ」とかなんとか上がった声に構わず、半分以上落ちかけた体を引き摺り上げた。


 草地に並んで座り込む三太朗と鶸黄。その手前に放り出されたまま大の字で伸びた次朗の前で、彼らを引き上げた紀伊と武蔵は大きく息を吸った。


「「こンっのバカ!!!!」」




 白鳴山では年少組に、『紐を取ったらすぐ返す』『高台の草地で次朗と肩車で遊ばない』という規則ができたと、白鳴山所属の(あやかし)各位、そして見守り役のカラス全体に伝達された。




















「あっはっはっは!」


 昼餉の席。

 白鳴山の主、高遠天狗の清々しいほど開けっ広げな大笑いが上がった。

 何の遠慮もなく笑い飛ばされた三太朗は、さすがに少しばかりむくれて、茶碗を持ったままぷくっと頬を膨らませる。


「せっかく紐取れたのにいっぱい怒られたー」

 隣の鶸黄も、俯いて椀に口を付けたまま、控えめに頷いた。


 因みに、彼の食事は少しずつ味と量を慣らしてひと月。徐々にだが、彼のために用意される食事は、味付けも量も普通に近づきつつあった。


 今日は薄味の山菜粥を小さめのお椀に一杯と、ひと切れの胡瓜のぬか漬けに挑戦している。


 量を食べるためには見た目や味、香りに慣れるのは必須だが、鶸黄にとって最も厄介だったのが、食べつけないものに驚いた腹が消化を拒んだことだろう。


 味がある(・・・・)ことには、覚悟をして挑めば吐き出すことなく咀嚼して飲み込むことは出来たが、鶸黄自身どころか一族代々伝統的に続いていた粗食は、体質そのものを変えてしまっていたらしい。

 食べ物を体が受け付けないのは意識ではどうしようもなく、消化に良いものを少量ずつ、様子を見ながら慎重に増やしていくしかなかった。

 そんなことを考えれば、寧ろひと月で成果が出ているのは早い方だろう。


 そう、変化といえばもうひとつ。


 自分の気持ちも判らず、意見も浮かばず、感じ取ることさえおぼつかず。

 そんな、どこか鈍くかじかんだようなぎこちなさを持っていた鶸黄だが、こちらもまた徐々に改善してきていた。


 まずふとした仕草に心が表れた。好みのものに近寄り、苦手な物を避けるようになった。

 次に辿々しく、無駄な音を撒きながらも、声で言葉を紡ぐようになった。


 この頃は、ささやかながらも気持ちが自然と顔に出るようになってきて、三太朗と一緒に笑うようになった。


 今現在はそれに加えて、珍しいことにわかり易く不満を仕草でも主張している。

 今までにない進歩であり、感動的でさえあったが…成長が分かるのが先ず不満とは、と高遠はそれも面白く思った。


「ふふ、そうか。何事も最後まで気を抜いてはいけないということだな」


 丹塗りの箸をちょいちょいと動かして、小魚の煮付けをつまみながら、お師匠さまはどこまでも朗らかな様子を崩さない。


 それが子どもたちは不服である。

 ちょっと紐がぴらぴらして不幸な事故が起こったが、紐をすぐ返すのは良いとしても、肩車まで禁止されるのは納得がいかないのだ…!


「やるの駄目って言われたこと、ひとつもしてないのにぃ…」


 何せ、三太朗たちはちゃんと大人たちの言うことを聞いて、駄目だと言われたことはしないのだ。

 それで楽しい肩車を取り上げられるなんてなんたる横暴か!と子どもなりに不服を訴えているのであった。


 ただ、高遠は子どもたちのぶすくれた顔を見比べても、目を細めて微笑うばかり。


「そんなに楽しかったか。だが、そろそろやめておけ。紀伊と武蔵が気にしていない訳がないからな」


 ぐっと口をへの字にしたまま「でも…」と言いかけて黙る。そんな弟子に師はただまた含み笑った。


「意地を張るのは好きなだけしても良いが、最も大切なことは間違えぬように気を付けておけ」


 三太朗がついに罰が悪そうに目を逸らし、鶸黄が無言で粥を掻き込むのを、おかしげに見遣る目はどこまでも優しい。


 三太朗は心の底からもやっとしてむーっとなっていたが、規則は守ることが本質ではないことを解っていた。


 規則はそもそも、『これをすると危ない』と判明している(・・・・・・)ことを禁止しているに過ぎない。

 大切なのは危険を遠ざけることなのだから、規則以外でも危なくなることをしてはいけないと、ちゃんと知っているのだ。


 それでもやっぱり高台の肩車は楽しくて、ぐんと視界が高くなるあの開放感と面白さを併せ持つ遊びを禁止されるのは嫌だった。

 それはもう理性とか理解とか理屈なんてものとは全く別の問題である。

 要するに三太朗は駄々をこねていたのだ。


 そして、そんなことは弟子育成(こそだて)四羽目の高遠お師匠さまとその配下たちにはお見通しだったのだった!


 何せ高遠さん()の三太朗くんといえば賢くていい子で白鳴山界隈ではあまりにも有名。

 屁理屈を捏ねてやだやだしていても、ちゃんと理解した上でのやだやだなのは察しがつくというもの。


 この駄々は子どもらしい甘えであることは、鼻歌混じりに洗濯をする鬼女から、木に吊るされて兄弟子に説教されている某兄弟子までの周知の事実だった!


 そして皆呆れるどころか『あの気を張って甘えてくれなかったさんたろさんが、こんなに子どもらしくなって!』とむしろ大歓迎の雰囲気でにこにこしていた!!


 因みにもれなく全員が、三太朗と小さい配下に何か代わりの楽しみを与えてやりたくて考え事が多くなっているのは、当の子どもたちには内緒である。


 閑話休題。


 さて、三太朗は分かった上でゴネているのを知っているとほのめかされ、きまり悪くてそっぽを向いてしまったのだが、この期に及んでまだ続けようと思うほど捻くれてはいなかった。


――――たしかに、ずっと言ってたらにーさんたちもオレのこと嫌いってなるかもしれない。もう言うのやめとこ。


 三太朗は『大切なことを間違えぬように』との忠告に素直に従って、気持ちを切り替えることにした。


 駄々をこねても何も変わらない。

 続けていても得るものはない。


 無言でお茶をすすり、ちらっと高遠を伺う。

 目が合った師匠は朗らかににこっと笑った。


「――オレが飛べるようになったら、良い?」

 …全然諦めてなかった!


 虚を突かれて瞬いた高遠は、弟子が何を言っているのか理解した途端笑い出した。先に倍する大笑いである。


 きょとんと師弟を見比べた鶸黄は、はっと半分以上隠れた顔を輝かせて主を見た。


 そう、崖から落ちるのが危ないなら、落ちても飛べれば危なくないという、予防とは全く別の、危険を危険でなくするという発想の転換だと気付いたのだ。

 主の賢さに気付いてしまったのだ!

 しかし落下事故から遠ざかるという視点をぽーいと投げ捨ててしまったことには気付いていないのだ!!


「ねえ!良いでしょ師匠!ひわもちゃんとオレが助けるからー!!落ちかけたらもうおしまいにして帰ってくるからぁあ!!」

 雛なりの最大限の譲歩を示して訴える!


「ボク、ボクあ、とべないけど、でもでも…な、なにかしまし!」

 実にふわっとした援護射撃が続く!

 

「あっはっはっは!!」

「師匠ーー!」

「お、おやかたさま…」


 ややあって、やっと笑いを収めることに成功した高遠は、滲んだ涙を指先で拭いながら分かった分かったと頷いた。

 食事を中断して膝立ちになっていた子どもたちを手振りで座らせる。


「――確かに、咄嗟に飛べるようになる頃なら問題なかろうな」


「やった!練習する!!はやく飛べるようになるからね!!」

 わぁい!と歓声を上げて鶸黄の手を取った三太朗は、はたと違和感に気付いた。


「『飛べるようになる頃なら』?」

「『咄嗟に(・・・)飛べるようになる頃なら』だ」


 実に微妙な言い回しだが、飛べる事自体が条件ではないことがはっきりしていた。


 首を捻る弟子に、師は「ふむ」と少し考える素振りを見せ、最初から話し出した。


「飛ぶというのはそもそも、翼だけの力では成せぬ。存外、体は重いからな。その身と翼のみで飛ぶなら、鍛え上げた屈強な大人でやっと山をふたつほど渡れる程度か。普通の者なら、安定を保って短い間滑空するのでやっとやもしれん」


 やもしれん、と予想する言い方に、三太朗は何度も瞬きをした。

 まるで飛ぶ天狗は全員が、肉体以外の能力(ちから)を使っているかのような。


「…それって、それって!もしかして、風吹かすやつ!?それか、それか…」


 三太朗の脳裏には、大空を風を操って舞い飛ぶ想像が広がった。

 大空を渡る力強い翼の羽ばたき。

 肉体のみでは、長い時間を飛べないというのなら。


「――内経術(ないけいじゅつ)!?」


 微笑む師の笑みが深くなる。弟子の表情が輝き出す。


 内経術――操気(そうき)の技。

 身体に流れる()を操り、己が身を強化する。高遠が得意とする技であり、その強さの根幹である。


「オレにも出来る!?教えてくれます!?ひわにも!!」


 ぱっと顔を上げた子鬼が、主を映した目を丸くする。


 彼らへ上機嫌に微笑んで、黒い天狗は軽く手の中の盃を揺すった。


「昼餉の後でな」


 歓声を上げて残りを掻き込みにかかった子どもたちは、ついにタヌキとキツネに怒られた。


 そんな彼らを、高遠が穏やかに眺めていた。





















 午後。

 日の当たる中庭で、小さな主従は高遠の手により気を一時的に高められた。


 手が触れ、離れてから僅か数秒、足が疾くなるという他愛もないもの。

 身の内の気の存在を感じ取る体験のようなものである。


 数度繰り返す内に、高遠が触れると体の中を何かが動く感覚がする、と鶸黄が引っ掛かりながら言った。






 一方の三太朗は、何も分からなかった。

 何度も何度も繰り返して、それでも分からなかった。


 結局、その日の最後まで。







ついに内経術の会得を始めようとしますが、前途多難のようですね。


術師サイドもそろそろ入れたいんですが、この終わり方だとやっぱりお山が気になるでしょうし、次話もお山です。

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