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グラニスラ〜アブノーマルな“人工島”〜  作者: 片宮 椋楽
EP2〜屑籠ジャンピング〜
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第1話 水橋-みずはし-⑴

 ……何これ?

 手に持っているこれはビデオカメラ。そこは分かってる。だから、物に対しての「何これ?」じゃなく、この物が見つかった場所に対しての「何これ?」。今私がいるのは、女子更衣室(・・・・・)。。でもこれに関してはそこまで「何これ?」じゃない。


 ここは体育だけじゃなくて、ソフトボールや女子サッカー、バレーやバスケなどなど色んな部の人が着替えとかで使ってる。

 部活動ではさ、練習試合のフォームやフォーメーションを見返して公式戦に生かそうと撮影してるところはないわけじゃない。ていうか、部活マジメに取り組みましょう色が強いこの高校ではむしろ多いくらい。

 だから、ロッカー前にある青ベンチの上にポツンと置かれてたんだとしたら、「あぁ置き忘れたんだな」って思うよ? 現にここって一時的な荷物置き場になったりも結構するし。


 だけど……だけどだよ? 扉近くに高く積まれたダンボールの中(・・・・・・・)から見つかるっていうのは「何これ」じゃない?

 百歩譲って偶然だとしても……カメラレンズが持つ穴のところにぴったりっていうのはおかしいよね? 千歩譲ってそれさえ偶然だとしても……ガムテープで固定されてるって、絶対おかしいよね?

 だってさ、そんな状態で試合の撮影なんて出来ないでしょ、かさばっちゃって。それに素早い動きに反応できないよ。ダンボールが邪魔だから。そもそも、穴のところから撮影しても意味ないでしょ、撮影範囲狭すぎちゃって。


 てことはつまり——このカメラは、盗撮(・・)するためにあったってことだよね?


 偶然、ホント偶然に肘がダンボールに当たって倒れて見つけたからいいものの、もし着替えていたとしたら——ていうか、いつから仕掛けられてたの?

 ていうか、もしかしたら私の着替え動画が入ってるかも……


 色んな考えが脳内を駆け巡りながらも、とりあえず中身を確認してみようと、慌てて部屋の隅へ移動する。あまり人目につかないところ。入口に背を向けて、最善の注意を払った状態で、再生してみる。心臓の鼓動が早くなる。

 あっ始まった。




 中には、約3日分のデータが入っていた。今日は水曜だから、日曜に仕掛けられたってことになる。私は部活でここをあまり使ってないこともあって運良く映ってなかったけど、バッチリ映ってる子が何人もいた。中には私の知ってるコも……


 見つけてよかったよ。だって、こんな卑劣なことする奴が今まで野放しになってたんだよ? 許せない。許さない。許してなるものかっ! ダメなことはダメって、面と向かって言ってやるんだからっ!!


 ——とは言いつつも、実際私1人で探し出せるの? いや、流石に無理あるよね……

 現実的に考えると、誰かしらの手助けが必要になってくる。誰に頼もうかな……

 校外の人間である可能性もあるけど、今の段階じゃ校内の可能性もゼロとは言い切れない。

 てことは——同じ学年の男子? それとも、3年? 2年? いや、待って。そもそもここって確か鍵を借りるのには職員室を……だとしたら、一体誰を信じれば——あっ。


 丁度いい人、いるじゃん!

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