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一応彼氏います。  作者: きりお
デートの巻
3/6

彼女(彼)に告白されるまで。

今日はデートというよりお友達として遊んでいる。

ふらふら歩いて、あいつの服買うのにつきあって、雑貨屋見て、今は休憩がてら甘いもの食べている。


なんとなくだが、付き合うまでのことを思い返した。


私は今ではだいぶ飽きて放置しているが、中学時代はTwitterに入り浸っていた。

ポ○モン廃人としての繋がりでフォロワーさんともなかなかに仲良くさせていただいていた。

そのなかの一人が春馬だった。

その時のTwitterでのユーザーネームは向こうは、由来は後からわかったことだが春馬からわかるように春生まれなので、そこから彼は卯月と名乗っていた。

一方で私の方はノアと名乗っていた。私はただの直感でつけた名前だ。

そして、卯月とはかなり仲良くなり会おうと言うことになったのだ。

もちろん、本当はこういう行為は、あまりよろしくないことはわかっていたが、やはり会ってみたいという思いが大きく会うことにした。

そして、会うこととなりお互いの服装を送り合い待ち合わせをした。

この時が初めて相手の性別を知ったときであり(結局は間違っていたのだが)、格好から卯月は女性だとわかったのだった。

そして、待っているとその格好をした美人さんが現れたのだ。

写真でもスタイルの良さそうな方だとは思ったが、実物は背が高くさらに顔を見ればなんたる美人。

正直女の私でさえ、ドキッとしてしまった。

「あなたがノアさん?ですか?.....」

ん?少し声が低い気が?....

そうは思ったが、女性でも声の低い人はいる。

そんなに気にすることでもないか。

そう思い、気を取り直して私は挨拶をしたのだった。


それからは、本当に楽しかった。

学校にはポ○モン廃人はいないので、話す相手がいなかったため、こんなにもポ○モン熱く語れるなんてまるで夢のようだった。

そして、また会う約束もした。


こうして、約束どうり私たちは何度も会って遊んだ。

色々な話もした。私はあまり人に心を許すタイプでなかったため、自分の深い事情を話せる友人がほとんどいなかったが、卯月には話せた。卯月も私に自身の深いとこを話してくれた。

ネットでの関係だったが、そのときには間違いなく私は卯月のことが友人として好きだった。


そして、何回目かの時のことだった。

卯月は私にこう言ってきた。

「今まで黙っててごめん。実は俺男なんだ。」

カミングアウトされた。

だが、別に特には気にしなかった。たとえ男でも卯月は卯月で私は卯月のことが友人として好きなのには変わりはないと思っていたからだ。

それに、最初に会ったときから、声が低いなとか思っていたし、話していて口調は全くもって女っ気がなかったし、というか考えてみても女性にしては身長が高すぎるため、言われれば納得という程度だった。

ただ、それを上回る美人だったというだけの話だ。

なので、私ははっきりと答えた。

「あまりに美人だったから疑わなかったけど、べつに気にしないし言われれば納得だから大丈夫だよ。」

卯月は少し驚いた顔をしてしばらくした後、

「女装癖があるなんて、軽蔑しないのか?」

と聞いてきた。

まあ、聞かれるだろうとは思っていたが。

ただ、本当に特別気にしてないのだ。

「べつに人それぞれじゃない?私はそんな気にしない人間だから大丈夫。そりゃ言われて、驚かないってのは嘘だけどさ。」

彼は黙ってジッと私を見つめ

「そっか。」

とだけいってきたのだった。

それからは、またいつも通り会話して別れた。

そして、今日もまた暇なとき会う約束をした。


そして、その次の約束の時だった。

その日はよく寄るカフェで待ち合わせをしていた。

私は先に席でジュースを飲んで待っていた。

すると知らない男が私に声をかけ向かえに座ってきた。

それもイケメンだ。

ついにナンパきたか?ついに?

この女子力皆無な女についに?

つーか、イケメンじゃん!

基本二次元オンリーだけど、やっぱイケメンは好きだ!

ってちがう!そこは卯月の席だわ!

いくらイケメンでも勝手に座るなよ!

と一人で脳内トークを炸裂させていると、そのイケメンが

「おい、ノア?」

と呼んできた。

私をリアルでノアと呼ぶ人間など一人しかいないのだ。そこで、私は気がついた。

「....卯月?」

「うん。そうだけど。」

「あっ。はい.....。」

まじか.....。これは驚きだ.....。

たしかに卯月は美人さんだった。

だからだろうか、男姿はまさにイケメンだ。

いや、イケメンだから美人さんだったのか?。

まあ、そんなことはおいといて、これは本当に驚いた。

なんたるふいうち。さすが攻撃力100の大技なだけあるよ。

とか思ってしまったのはポ○モン廃人として仕方ないので許してほしい。

ここで、私は一旦ジュースを飲み落ち着いて話をした。

「今日はどうして女装してないの?」

ナイス自分!それが聞きたかった!

すると卯月は答えた。

「大事な話がしたかったから。」

それを聞いて私は身構えた。

彼(やっぱ彼女?)も、悩みが多い。だから、そういう話だと思ったのだった。

何もできないけど、私とて一生懸命話を聞くぐらいはしたいのだ。卯月はいつも私の話を一生懸命聞いてくれるから。

そうして姿勢を正したわけだが、全く別の話だった。


「俺と付き合って下さい。」


効果音でガクッとでもついてしまいそうになってしまったのは言うまでもないわけだ。

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