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バーベキュー当日

バーベキュー会場があるのは、山梨県の山奥。

写真で見た限りだと、きれいな川が流れているなかなかよさそうなところだった。

アウトドアサークルの部長がバスに荷物を詰め込む。

ありさは柄にもなくわくわくしていた。



「ありさ、先輩のとなりに座れるといいね!」



瑠夏がそんなことを言いながら肘でつついてくる。



「そっ、そんなことないよ~!」



実際ありさはそんなこと全く考えていなかった。

きっと本当に隣に座ったら緊張してお話しするどころではないだろう。



「大槻さん、中村さん、おはよう。」


「部長!おはようございます。」


「あっ・・・お、おは、ようございます・・・」



部長が二人に声をかけてきた。彼女は穏やかな人で、いつも笑顔を絶やさない。

長いストレートの黒髪と細い身体が魅力的な女性だった。

瑠夏にも人見知りのありさにも分け隔てなく声をかけてくれる人だ。



「二人とも誰か誘った?ふふふ。」


「えーっと、ありさだけは誘ったんですよ~」



どうせ航が来たらばれてしまうのだし、と思い、瑠夏は部長に告げた。

案の定見開かれる部長の瞳。

消極的なありさが人を誘えたということが驚きなのだ。



「まぁ、誰なの?中村さんに誘ってもらえた人って。」


「えっとですね~・・・・あっ!きた!航先輩!こっちです!」



ありさが後ろを振り向くと、ばっちりと航と眼が合ってしまい、すぐに目線をそらす。

先輩と見つめあうなんてことできない・・・

部長はありさが誘った人が大学内でも人気の航だと知って驚いた。



「こんにちは、峰岸先輩。経済学部二年の松戸です。今日からよろしくお願いします。」



礼儀正しく体育会系らしく頭を下げる航を見て、ありさはほほが赤くなった。

そういうしっかりしたところも好きだ・・・。



「あっ、俺、理工二年の兼代玉城です!どうもよろしくお願いしまっす!」



航が連れてきた玉城も一緒に頭を下げる。

部長は笑いながら、そんなかしこまらないでね、と笑った。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「みなさんいますね?トイレから帰ってきていない人はいませんね?じゃあ、出発しますよ~」



部長がそう言うと、バスが出発した。


ありさは身体を小さくして座っていた。

バスに乗り込んで、最初は瑠夏とありさ、航と玉城で座っていたのだが、トイレ休憩の間に瑠夏の隣に玉城が勝手に移動し、ありさはやむを得ず航と隣に座ることになったのだった。



≪うそーっ!航先輩と隣に座るなら、膝上のスカートなんてはくんじゃなかった!はずかしい!別にみられていないと思うけど、全く足を開くこともできないし、太ももがぱつぱつしているのが上から見て丸わかりだよ~≫



ありさは半泣きである。




「あ、ありさ?よかったら、これいる?今朝買ってきたんだけど・・・」


「ありがとう・・・。私もこれ・・・」



気を使って瑠夏が差し出してくれた新発売のじゃがりこをもらうと、ありさもチョコレートを差し出した。

そして、隣の航にも気づく。



「あっ、あの・ぅ・・あの・・・えっと・・・あの、航先輩も・・いります?」



顔を真っ赤にさせながら消え入りそうな声でそう言うと、航がはっとしたようにうなずいた。そしてチョコを受け取る。



「あ、ああ。ありがとう。俺はガムしかないんだけど・・・」



そう言って差し出されたガムをもらう。



≪航先輩にもらったガムだ・・・≫


ありさは心の中がぽかぽかしてくるのを感じた。

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