告白?告白!
いよいよです。
ありさの弱気加減にいらいらしないでいただいたら嬉しいです。
お風呂から出てきたありさが瑠夏に声をかけると、うれしそうな瑠夏はありさの背を押してバンガローの廊下を歩きだした。
「ど、どうしたの?」
「んー?別にー?」
どう考えても、別に、じゃないんだけど。
一体、どこへ向かうのだろう。
瑠夏はありさの背を押しながらどんどん歩く。
途中、誰かと会うこともなかった。
あれ、こっちって・・・?
「男子塔じゃない!」
「そうよ。」
そうよって・・・
困惑するありさをよそに、瑠夏は22番の部屋を探す。
「19・・・・20・・・・21・・・・22!あった!こんばんはー!」
ありさはぎょっとした。
22番の部屋が誰かありさは知らない。
瑠夏の知り合いなのだろうか?だとしたら、どうして私を・・・
「待ってたよ~。」
「あ・・・こ、こんばんは・・・」
ありさは中から出てきた玉城に、少し安心した。
なんだ、玉城さんと航先輩の部屋か・・・。と思ったのもつかの間。
部屋から出てきた玉城に、代わりに押し込められると、そのままドアを閉められてしまった。内側から押しても、外から2人に抑えられているのかびくともしない。
外から、がんばってね~という二人の声が聞こえる。
なんて無責任な。
途方に暮れてしまう。
「・・・ありさちゃん。」
そこに後ろから声をかけられて、ありさはびくっとした。
この声は、というか、この部屋にいるのは・・・
「航先輩・・・」
もちろん、航しかいない。
どうしてこの部屋に連れてこられたのか、よくわからないけれど、二人は私にチャンスを作ってくれたのかもしれない。
告白するチャンスを。
「ありさちゃん、俺に、言うこと・・・ない?」
「え・・・?」
これは告白をうながされているのか?
いや、でも違ったら恥ずかしいし、断られたら悲しい。
頭の中でぐるぐると葛藤する。
生まれてこの方、航以外に恋なんてしたこともなければ、もちろん告白したこともない。女友達に何かを頼んだこともない。
ありさは黙って下を向いた。
少し、沈黙が走る。
「・・・~~~~~!!!もう、いい!」
「えっ?」
やけくそぎみに言葉を吐いた航を驚いて見上げると、強い意志を持った目とぶつかった。
何かを、決意した目だ。
「俺から告白する!・・・俺と、付き合ってもらえませんか?」
「・・・っ」
言葉が、出てこなかった。
まさか、航が自分に告白してくるなんて。
いや、もしかしたら、私に告白してくるなんて罰ゲーム?
と、思いきや、真剣な目を見ると違うとすぐにわかる。
「あの・・・」
「付き合って、くれるよね?」
ありさは、目に涙を浮かべてうなずいた。
こんな、こんなに幸せなことがあったの。
大学に合格した時よりも、嬉しい。
はれて、二人は恋人同士なったのだった。
やっと、ここまできました!
最後の最後で航が頑張りました。