告白? 航side
さて、どうなるのでしょうか・・・
お気に入り登録、ありがとうございます。
一気に完結まで突っ走ります。
今回は短いです。
ありさの手を引く。
今まで付き合ってきた彼女とも手はつないだが、みんな非常に細い枯れ木のような指と手のひらだった。
それに比べてありさの手はぷにぷにとしていて弾力がある。
いよいよだ。
ありさが自分に告白するのが。
航は高ぶる気持ちを落ち着かせようと、ありさに話しかけた。
「ありさちゃん、怖い?」
「え?あ、はい・・・」
やっぱり。
ありさのような子はきっと幽霊の類が苦手だろうと思って、手をつないだのが正解だったようだ。
自分もうれしいし、ありさも安心できるしで一石二鳥。
本当はありさは幽霊よりも虫が怖いのだが、そんなことには気づかない航だった。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
ひたすら沈黙の中歩く。
航はありさがこの沈黙を破って自分に告白してくることを期待していたが、一向にその気配はない。
何やってんだ。終わっちゃうぞ、肝試しが。
「っあのさ!」
「!はい!」
勢いよくありさの方を振り返った航は、じーっとありさを見つめてみた。
≪さぁ、いまだ!今がチャンスだ!誰もいないし、ムードもある!さぁいけ!≫
そんな思いを視線にこめてみるのだが、少しほほを赤くした程度で、告白する様子はない。
「え~~っと・・・いや、いいや。」
一瞬、自分から告白しようかとも思ったのだが、やはりそこは誘った彼女から告白してほしいという自分勝手な思いで、チャンスをふいにしてしまった。
結局、肝試しの間は二人がくっつくことはなかった。
航、自分勝手ですね・・・(笑)