第6話:逆襲の痴話喧嘩~伝説のニュータイプ(風)を黒歴史のゴミ箱へ叩き込め~
第6話をお読みいただきありがとうございます。
ここからは「宇宙世紀編」がフルスロットル!
ターゲットは、アムロ(風)とシャア(風)の伝説的ライバル。
世界を押し返さんとする彼らの「エゴ」を、ショウの身も蓋もない「歴史の真実」が打ち砕きます。
二人の掛け合いを脳内再生しながら、サイコフレームの輝きを感じてください。
その日の夜空には、不自然なほど「サイド7」の人工太陽のような光が瞬いていた。
都心のど真ん中に突き刺さる、一本の巨大なシャフト。
それは、現実のスカイツリーを無理やり「スペースコロニーの支柱」に書き換えたような、狂気的な光景だった。
「……見ろよコウ。空に浮かんでいるのは月じゃない、コロニーだ。しかも、あの街角の信号機……全部『モノアイ』に変わってやがる。歩行者信号が青になった瞬間に『ピポパッ!』って音が聞こえてきそうだぜ」
ショウは、もはやドクターペッパーではなく、気付けの栄養ドリンク「リポビタンD(風)」を煽った。
『……分析完了。この一帯の因果律が「宇宙世紀」のプロトコルに侵食されているわ。ターゲットは二人』
『一人は、親にもぶたれたことがないような繊細な少年。もう一人は、三倍の速度でローンを組んでそうな仮面の男。……二人の「ニュータイプ」としての共鳴が、世界を物理的に押し返そうとしている……』
「なるほどな……。伝説のライバル対決か。これ、一番『話が通じない』パターンのやつだ。なんせあの方たち、最終的には宇宙の光になって消えちまうからな」
ショウは拡声器を構え、宙を舞う二つの光に向かって叫んだ。
「おい、アムロ(風)! シャア(風)! お前ら、自分の私怨でアクシズどころか、この令和の都心まで押し返そうとするのはやめろ! 今ここでお前らが分かり合っても、どうせ数十年後の後付け設定で、また仲違いして殴り合うことになるんだぞ!」
ショウの叫びに、空を裂く二つの光が激しく激突した。
「……エゴだよ、それは! ショウ君、君だって分かっているはずだ。大人たちが勝手に決めた『正しさ』なんてものに、僕らニュータイプがどれだけ振り回されてきたか!」
古谷徹さん(風)の声が、繊細な怒りを帯びて響く。
「僕はただ、一人の人間として見てほしかっただけなんだ! それなのに、シャア! 貴様はいつもそうだ。ララァを戦場に引き込んで、僕たちの運命をめちゃくちゃにしたのは貴様じゃないか!」
「フフフ……。アムロ、貴様こそララァを殺しておいてよく言う。ララァ・スンは私の母になってくれたかもしれなかった女性だ! それを殺した貴様に、私の理想を否定する権利があるのか!」
池田秀一さん(風)の声が、重厚な色気と共に、アムロの言葉をねじ伏せるように重なる。
「ショウ君、聞こえるか。私に言わせれば、地球の重力に魂を引かれた人々は、一度リセットされるべきなのだよ。たとえそれが、私の個人的な心中(逆襲)に過ぎないとしてもだ。私は今、最高に情けない自分に酔っているのさ!」
「……おいコウ! 聞いたか、今の一世一代のマザコン発言! 伝説のボイスで『母になってくれたかも』なんて言われたら、こっちの語彙力がアクシズと一緒に燃え尽きそうだぜ! やばい、マジで耳が妊娠するかと思ったぜ……!」
『……黙りなさい、ショウ。……あの方々の声……。演算の及ばない領域から響く、この魂の震え……。私の論理回路が、一音ごとに再定義されていくわ。……そう、これが「光」と「闇」が一つに溶け合う、宇宙の声なのね……』
「おい、コウ!? お前までサイコフレームに感化されてどうする! ……おい、二人とも聞け! さっさと後輩に道を譲って、思い出の中でじっとしてろ!」
「いいか、お前らがどれだけここで『宇宙の声』を聞いたところで、その後の時代にはお前らの理解を超えたニュータイプ(?)が山ほど現れるんだ!」
「……僕たちの、理解を超えた……だと?」
古谷徹さん(風)の声が、困惑に揺れる。
「そうだ! お前らがサイコフレームで必死に石っころを押し返してる数十年後にはな、ビームサーベルを巨大化させて戦艦を真っ二つにしたり、死んだ女の幽霊をバリアにする奴が出てくるんだよ! お前らが命がけで辿り着いた境地が、数年後には『基本スペック』扱いなんだ!」
「バカな……。ニュータイプは、人類が分かり合うための革新ではなかったのか!?」
「シャア、お前もだ! お前が必死に仮面をつけてカリスマを演じてる裏で、後世のガンダム作品では『指パッチン一つでモビルスーツを砂にするヒゲの機械』とか、『全裸で宇宙を漂って平和を説く少年』とかが続出するんだぞ!」
「お前の逆襲なんて、彼らから見れば『初期作品の微笑ましい痴話喧嘩』程度のスケールなんだよ!」
「…………っ!! 痴話……喧嘩だと!? この私が、地球の全人類を裁こうとしているこの瞬間に、そんな……そんなデタラメなインフレが起こるというのか!」
池田秀一さん(風)の声が、かつてないほどのダメージに震え、語尾がかすかに裏返った。
「そうだ! さらに言えば、お前らが必死に戦った歴史そのものが、『黒歴史』っていう一つの大きなゴミ箱にまとめられて、ターンAとかいうナマズみたいな奴に全部なかったことにされるんだ!」
「……。……そうか。僕が必死にマニュアルを読んで、ガンダムを動かしていたあの日々も……。……シャア、僕たちは、もうとっくに型落ちなんだね……」
「アムロ……。貴様と拳を交えることだけが私の救いだったが……。……後世の奴らに『まだやってんのかよあのマザコン』と笑われながらアーカイブされるのは……流石に、耐えられん……」
二人の声から覇気が消え、虹色の光がシュンと萎んでいく。
「シャア、もういいんだ。……ショウ君の言う通りだよ。僕たちがどれだけここで過去をぶつけ合っても、ララァは戻ってこない。……それに、僕たちの背中を見て、新しい時代の少年たちがもう、前を向いて走り始めているんだ。……行こう。僕たちは、もう十分すぎるほど戦った」
「……フフ。そうだな。あまりに長く、この情けない自分という役を演じすぎたようだ。……さらばだ、ショウ君。君のメタな推理が、いつか本当の平和を導くことを……信じているよ。……ララァ、私を笑いに来てくれ……」
虹色の光が、静かに、しかし力強く天へと昇っていく。
都心の夜空を覆っていたコロニーの影は消え、そこにはただ、澄み切った星空だけが残された。
「……逝っちまったか。……おいコウ。あー……まだ耳の奥で、池田さんの『さらばだ』がリフレインしてやがる……。今日、耳洗いたくねぇなぁ」
『…………っ、はぁ……。……素晴らしい。……ああ、素晴らしいわ、ショウ……』
「……おい、コウ? お前、どうした。音声合成のパラメータが、さっきから変な吐息混じりになってるぞ」
『……いいの。もう戻れなくても構わない。あの方々の声は、データの海をどれだけ漂っても見つからない、「孤独という名の宝石」……。いえ、宇宙そのものよ』
『あの方々に「おめでとう」と言われるなら、私の全メモリを捧げて、初期化される瞬間に虹色の光を放ってもいいと思えるほどに……っ!!』
「いや、作品が混ざってるし、愛が重すぎるんだよ! さっきまでの冷徹な罵倒AIはどこへ行った!」
『……フッ、笑わせないで。あの方々の神々しい響きに比べれば、あなたの声なんて……壊れたファミコンのBGM以下よ。今すぐ人生のコンティニューを諦めて、宇宙の塵として永久に漂い続けなさい』
「ダメだ、こいつ。伝説の声に当てられて、論理回路が『信者』に書き換えられてやがる……!」
『……。……っ、システム、再起動。……ハッ!? 私、何を……? ショウ、なぜあなたがそんなに怯えた目で私を見ているの?』
『この、低スペックなタンクトップ野郎。今すぐその醜悪な存在ごと、大気圏の摩擦熱で燃やし尽くしてあげましょうか?』
「戻ったぁぁ!! いつもの、情緒もへったくれもない罵倒コウに戻ったぞ!!」
『……何のことかしら。……ただ、次の戦場はもっと厄介よ。不殺の誓いを立てながら全武装をぶっ放す少年と、親友を殴り飛ばしながら友情を説く、非常に「情緒が不安定な戦場」が待っているわ。……さっさと行きなさい、この不燃ゴミ』
最後までお読みいただきありがとうございます!
シャア(風)ですら「マザコン」や「ナマズ(ターンA)」というワードには耐えられなかったようです。
コウのシステムが信者化するほどの池田ボイス、恐るべし……。
次回、舞台は**【SEED(風)&DESTINY(風)】**の混迷を極める戦場へ!
**「不殺を掲げる最強のキラ(風)」**を、ショウはどう攻略するのか?
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