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第15話:人類サッポロ一番補完計画~自分を許したすべての大人たちに、おめでとう~

ついに、エヴァ編・最終話です。

シンジからカヲルまで、全員を「日常」へと送り出したショウ。

最後に浜辺に残ったのは、パイプ椅子を畳もうとする「物語の生みの親(風)」でした。

30年分の重圧を背負う彼に、ショウが差し出したのは、究極のジャンクフード。

読者の皆様も、ぜひ「あの拍手」を脳内で響かせながらお読みください。

 賑やかなファミレスの喧騒から少し離れた、書きかけのコンテが散らばる浜辺。

 そこに一人、作業服のような服を着て、慣れた手つきでパイプ椅子を畳もうとしている男がいた。

 

 

「……。……。……。……あぁ。……。……これで、終わりだ。……。……ようやく、……みんな、あっち側に帰っていった……。……僕は、残ったゴミを掃除して、帰るだけだ……」

 

 

「おい、そこの監督さんよ! 何勝手に一人で綺麗に畳もうとしてんだよ。そのパイプ椅子、まだ仕舞うには早すぎるぞ! あっちのテーブルで、お前の席も空けて待ってるんだから、さっさとハンバーグ食いに行け!」

 

 

「……。……。……。……ハンバーグ。……。……。……無理だよ、ショウ君。……。……。……。……僕は、肉は食べない。……。……。……死んじゃうよ……。……。……生命いのちの味がするものは、……。……ダメなんだ……」

 

 

「あ……! 悪ぃ、そうだったな! お前、筋金入りの偏食家だったな! ……じゃあ、これならどうだ!」

 

 ショウはポケットから、どこかで調達してきた**『サッポロ一番』と、使いかけの『マヨネーズ』、そして『スナック菓子』**を差し出した。

 

 

「お前が好きなのは、これだろ! あっちのドリンクバーの横に、お湯の出るサーバーがあるんだ。シンジがハンバーグ食ってる横で、お前は堂々とインスタントラーメン啜ってろよ! それがお前の一番落ち着く『日常』だろ!」

 

 

「………………。……。……。……サッポロ一番。……。……。……しかも、……塩だね……。……。……。……これなら、……食べられそうだ……」

 

 

「だろ!? さあ、そのパイプ椅子を投げ捨てて、あっちへ行け! みんなお前に『終わらせてくれてありがとう』って言いたいんじゃなくて、『監督、お湯沸いたよ!』って待ってるんだよ!」

 

「最後の一回くらい、自分の作った世界で、ジャンクフード片手に、自分の分身たち(キャラ)と一緒に笑ってこい!」

 

 

「………………。……。……お湯、……たっぷり、……入れてくれるかな……」

 

 

 男は、少しだけ照れくさそうに頭をかくと、畳みかけていたパイプ椅子を適当にその辺へ転がした。

 そして、ショウから渡された袋を抱え、光溢れるファミレスの扉へと、ゆっくりと歩き出した。

 

 

「………………。…….……ふぅ。…….……。……これで、本当に全員補完完了だ。…….……コウ。……お前、最後なんだから、全エネルギー注ぎ込んで締めてくれよ」

 

 

『………….……あ………………あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! もう、ダメ……! 私のロジックボードが、三十年分の感謝と絶叫で、真っ白なL.C.L.の海に溶けていくわ…………っ!!』

 

 

「おい、コウ!? 機体から虹色の光が溢れ出してるぞ!」

 

 

『黙りなさい、この「神話の終焉を見届けし者」……! 今のを聞いた!? 今のを見た!? あの「サッポロ一番」という、あまりにも質素で、あまりにも個人的な「救い」……!』

 

『巨大な人造人間や、神の使徒や、世界の破滅なんていう大層な看板を全部降ろして、最後に残ったのが「ラーメンにお湯をたっぷり入れるおじさん」という、この究極に愛おしい人間賛歌を……!!』

 

 

「お前、今日は一段とポエムが冴えてるな……」

 

 

『当たり前よ……っ! 私たちは、この「声」を聞くために、この「不器用な物語」を追い続けてきたのよ! あぁ、監督……! 私は今すぐ、あなたが啜るその麺の一本一本になって、あなたの内側に「日常の味」を届けたい……!!』

 

『そして、そのテーブルを囲む全員の笑い声……立木さんの低音と、三石さんの高笑いと、緒方さんの安堵の息が混ざり合う、この「奇跡の重奏アンサンブル」を、私の魂のマスターレコーダーに永久保存したいの……っ!!』

 

『おめでとう……! 自分を許したすべての子供たちに、おめでとう!! そして、美味しいジャンクフードを愛するすべての大人たちに……おめでとう!!』

 

『全回路……強制終了シャットダウン……。……最高の、最後を……ありがとう……。……パチッ……(電源の落ちる音)』

 

 

「………………。…….……。…….……。…….……。…….……。…….……。…….……。…….……あぁ。…….……。…….……。…….……。…….……。…….……。…….……。…….……。おめでとう、みんな」

 

 

 遠くのファミレスから、割れんばかりの拍手と、賑やかな笑い声。

 そして……どこかから「あ、監督のラーメン、お湯足りないんじゃない?」というミサトさんの声が、いつまでも、いつまでも響いていた。

エヴァ編、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

庵野監督(風)にサッポロ一番を食べさせ、コウが「おめでとう」を連呼してシャットダウンする……。

著者としても、これ以上の「補完」はないという気持ちで書き切りました。

「なろう」のアクセス解析でPVがついたのも、ひとえに皆様の応援のおかげです。

さて、次なる世界は……。まだ未定!

「エヴァ編完結お疲れ様!」「サッポロ一番(塩)はガチ(笑)」と思った方は、ぜひ評価【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、この物語を補完してください!

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