晩餐
屋敷に戻った俺たちは早めの夕食を食べていた。
作ったのは俺が召喚した使い魔だ。なんでも魔界の魔族のメイドをしているらしい。
屋敷に人がいなかったので戻ってくるまでの家事全般を頼みたかったからそのような条件で召喚したのだ。
求人広告出すみたいな感じで。
流石にこいつはあんなに強くないだろうな……?試しに聞いてみた。
「魔界の魔獣ですか?それはもう強くて私なんかが勝てるわけないですよ。時々爵位持ちもやられてますからね。大体対魔力が異常に高いんで魔法が効かないんですよね。……え?召喚したんですか?魔獣を?よくそんな恐ろしいことしましたね……」
やっぱりあいつらは魔界でも特別強いらしい……正直集団で襲ってこられたら勝てる気がしないんだが……
よく懐いたなあいつら……俺の魔力を見て主人と認めたってことだろうか?
そんなに魔力あんのかな俺?仮に魔力があってもあいつら魔法効かない見たいだし、障壁とか食い破りそうなんだが……
そもそも俺の魔力を見たメイドがそれでも恐ろしいと言ってる時点でお察しだった。
考えれば考える程自分の命が首の皮一枚でつながっていたような気がしてきた……
666だ(キリッ)じゃないよ……
そんなに召喚しちゃって自分の浅はかさかに眩暈がする。
本当によく懐いたな……
もうあいつらを召喚するのはやめよう……いつ寝首をかかれるか分かったもんじゃない。
「美味しかったわ。ありがとう」
「うむ、美味であった」
飯を食べ終わった俺たちは休憩をとっていた。
そうしてる内にエリーズが言った。
「……契約は完了したわ。私はどうなるのかしら?代償に魂をとられるの?」
なにそれこわい。
「言っただろう。お前のすべては俺のものだ。その人生もな。今後とも頼むぞマスター」
正直帰り方がわからないからもう頼れるのはエリーズだけだった。
「わかったわ。これからもよろしく」
こうして長かったような短かったような異世界召喚一日目が終わる。