第八章 進君と果し合いの関係 4
本日の投稿です。
楽しんでいただけると幸いです。
私立某市学院高等部では、十年生の教室は四階、十一年生の教室は三階、十二年生の教室は二階という配置になっている。
昼休み、その三階にある十一年一組の教室は生徒で溢れ結構賑やかだった。そんな中、龍之介は友達連中と談笑しながら弁当を頬張っていた。
龍之介の弁当はかなりのドカ弁である。かなりデカいタッパーに山盛りのご飯とたくさんのオカズが入っている。龍之介はこれを午前中に一箱と昼休みに一箱ずつ食う。
龍之介の弁当は綾香と舞香が一箱ずつ作っている。以前、龍之介の為に弁当を作って来た子もいたが、その子は舞香に酷い目に遭わされ、以来そういう子はいなくなった。
「平、お前にお客さんだぞ。廊下で待っているぞ」
弁当を食べていた龍之介にクラスメイトがそう声を掛けて来た。誰だろうと思った龍之介が廊下に出てみると、
「何だ、岩清水か」
そこにいたのは進だった。
「昼休みに教室にまで来るなんて珍しいな。一体どうしたんだ」
「会長、僕はあなたに果し合いを申し込みます」
「果し合い?」
「詳しくはこれを読んでください。それでは」
ビシッと軍隊式の額に手を当てる敬礼をしながらそれだけ言うと、果たし状と書かれた封書を進の突然の豹変に首を捻る龍之介に渡し、進はさっさと去っていってしまった。
以下、果たし状の内容である。
『平龍之介様 僕はあなたに対してどうしても許せない事があります。それによって不幸になっている女の子たちがいます。ですから、それを止めてください。この要求が聞き入れられない場合、あなたに果し合いを挑んで、あなたを倒します。本日四時半、河川敷公園で待っていますので、是非いらしてください。 岩清水進』
明日は10時投稿です。
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