血の繋がらない妹だから憎むのですねと妹に言われますが、憎いと思ったことなどありませんわ。私の心の支えであった愛する婚約者をあなたにとられて初めて憎いと思いましたわ
私には血の繋がらない妹がおりました。
公爵の私の父が再婚してできた妹です。半年違いで同い年の妹に私は戸惑いました。13才でした。
私はこのときから心を凍らせるようになりました。
誰も憎みたくなかったからです。それにただの噂かもしれないことで誰も疑いたくなかった。私を引き取ろうという母の妹の言葉に継母は断りを入れました。世間体が悪いと父が言ったそうです。血の繋がらない妹だから私を憎むのですねと妹は言いますが、そんなことはないと返しても妹は信じてくれませんでしたわ。
父は再婚してから館によく帰ってきます。
母がいたときは私の誕生日にすら仕事を理由に帰らなかったのに。
継母は私を厄介者といいます。なのでできるだけ負担にならないように心がけました。
母は父を愛していましたが、仕事を理由に帰らぬ父になにも言いませんでした。母の死ぬときさえ帰ってこない父。
お前はアンジェラそっくりだなと父は顔を歪めて私を睨みます。俺にちっとも似ていないと。
私は母親によくにていました。それも継母とうまくいかない原因でした。母が死んで数ヶ月で再婚したからです。
喪くらいあけてからと人に言われました。
母のものは父にすべて捨てられました。私は父に魔法学園の寮に入るよう言われて従いました。通えない距離ではなく、妹は家から通います。
体のよい厄介払いでありました。
私はここでも噂を耳にしました。あの生徒は、血の繋がらないはずの父とよく似ていると。
どこにいても噂を好きな人はいて、確かに銀の髪に青い瞳の妹はよく似ていました。我が家が受け継ぐ色彩。私は母親から金髪に緑の目を受け継ぎ父には似ていませんでした。
公爵はアンジェラ様が死ぬ前から、いや結婚したときから秘書を愛人にしていたそうだよ。
聞きたくない、聞いては駄目。
我が国は一夫一妻、貴族もそうです。
だからアンジェラ様を殺したんではないか? 病死に見せ掛けてね。
私はそんなことはないと思っていました、
それに婚約者である王太子殿下はそんな噂は気にすることなと言ってくださいます。
私は彼が私の側にいてくれたら、耐えられると思ってました。
あるときから妹が王太子殿下に近づくようになりました。婚約者の妹だからと殿下も邪険にできないようでした。
私は殿下は優しい人だからと思っていましたわ。
でも…。
「アリエル、お前は妹のアリスを血の繋がらない妹といじめていたそうだな、そんな人とは思わなかった。その罪により婚約破棄をする!」
私は舞踏会で殿下に宣言されました。そんなことはしていないといっても、アリスは血の繋がらない妹といつもいじめられましたと泣くのです。
殿下は私を冷たく睨みます。アリスを抱きしめ、私は婚約破棄をされた令嬢として学園も退学になり…。
父には家においておけないと言われてしまいました。
母の妹の家に身を寄せ、私はここで初めて母の手紙を見せられたのです。私は夫に殺されるかもしれないと綴ってありました。
母は妹のおばに手紙を書いていました。私がもし死んだら娘をお願いと…。
おばはいつまでもここにいてくれていいのよと抱きしめてくれました。おじも大変だったねと。
久しぶりに優しさに触れました。
私はこれまで目をそらしてきたことを、直視することにしたのです。
母の墓を秘密裏にあばいて調査をしました。そして母の体内からある毒が検出され、
私は母の手紙とともにおじにお願いしてある疑惑を調べてもらうと…。
やはり思った通りでした。私は父と継母を証拠をもって母殺しで訴えました。
妹いじめで断罪された人間がと言われましたが、伯爵であるおじが後見人となってくれていたので、私は法に二人の罪を委ねました。
二人の罪は明らかにされ、妻殺しで裁かれ死罪となりました。
妹は連座で婚約破棄され辺境送りです。私は修道院行の馬車を見て、拘束された妹に笑いかけました。
私は誰も憎いとは思ったことなどありませんでした。でもあなたが憎いという感情を教えてくれたのよありがとうと微笑むと妹はあんたのせいで!で罵倒しはじめ衛兵に殴られていましたわ。
処刑された父と継母の遺体は晒され、きいきいと風に揺れるようになりました。
骨になった二人を見て私は私の中の闇を自覚したのでした。
母は父に殺され、母と結婚したときから父は浮気をし子供を作り、家に帰ってきませんでした。
私は父を憎んでいたのです。
私はおじの好意により養女となり、罪人を婚約者とした王子子が廃嫡され、次の王太子となった第二王子と婚約しました。
誠実な人でありますように、もし裏切るようであれば私は…。
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