アナタが見る新しい時代を①
バレンタインに間に合わなかった...._| ̄|○
しかも軽い気持ちで書き始めたのに、1話じゃ収まりきらん。
すいません、もーひとつ後で書きます!
とりあえずバレンタインの特別編!
「綾さん!そのお鍋は沸かしすぎ!」
「はい!お義姉さま!」
れつ義姉さまからスルドく来る指示に、私は頭でなく身体で応対する。
今日お見えなのはお兄さまが教える学生さん、それでもお客様が来るとお義姉さまの気合は違う。
いや私とて東京へ来て、もう2年の花嫁修行を経験済み。
佐伯県の野山を駆け巡っていた頃とは違うのだよ。
見よ!この鍋さばきを!あっつい!!
「.....お鍋は素手で弄らない様にね。」
「はいっ!お義姉さま!」
イカンイカン、私とした事が。
この速さに少々付いていけずにいるわね。お義姉さま包丁が残像出てるし。
「お魚焼く準備!」
「はい!お義姉さま!」
タスキがけの袖が上手く留まってないから、動きが少し遅れるのかも。
れつ義姉さまのタスキは完璧だよね....あの掛け方と速さは芸術の域....。
「これ出来た!配膳!」
「はい!お義姉さま!」
普段優しいれつ義姉さまは、厨房に立つと阿修羅のよう。
料理人にでもお成りになれれば....とつい要らぬことを考える。
武家の女がそんなハシタナイお仕事を出来るはずもない。
でもナゼダメなのだろう、四民は平等になったのではないの?
しかしそういうものなのだ。私の疑問に答えてくれる人はいない。
佐伯にいた頃はお祖父さまと2人暮らし。
使用人も弥助夫婦の2人しかおらず、男の子の様に自由だった。
実際着ているものも年中絣の単で髪も総髪、誰が見ても立派な男の子であったと思う。
お兄さまが結婚された後、東京へ引き取られる事となりお義姉さまとの三人暮らしへ。
そこからの花嫁修行は凄かった。
お義姉さまと三田の福沢先生の奥さま、りつさまに叩き込まれる家事の数々。
れつ義姉さまとりつ奥さま、なんか語感が凄い。
雑巾からお布団、お着物に至るまでのお裁縫の数々、お料理、お掃除に節句・法要・お祝いごとのしきたりやご近所づき合いの礼儀作法、お茶・お琴の習い事、何も出来ない私はその物量に圧倒された。
佐伯で馬に乗っていた方が楽しかったし、同じ習い事でも習字・算術の方がよほど面白かった。
お前が男じゃったらのうとは祖父の口癖だったが、今や私自身の心の声となっている。
家事って楽しくない。正直やってらんない。
それでもお義姉さまとりつさまの教えてくださる家事が、とてもとても大切な事であるのは痛いほどわかる。
「綾さん、この事はね、家人の身体を守っていく大事な知恵です。一つ一つが面倒であっても、端折ってしまえば台無しになるのですよ。」
りつさまはとっても頭のよろしい女性!この様な素敵な奥方さまに私はなれるのだろうか?
つくづく可笑しな話だと思う。
男であれば自分の興味や特技で、自分に向いた仕事も探せるのに、女にはナゼ家事しかないのだろうか?
家事が苦手な女子はいったいどうすれば?
私のこの想いは屁理屈である。自分でもよく分かっている。
こんな偏屈な怠け者、馬に乗るのが大好きで薙刀は免許皆伝。嫁の貰い手などあるのやら。
この花嫁修行って途方もない時間の無駄ではないの?
それに私には....もう縁談など無いかもしれないのに。
お料理を座敷に運んでいくと、ささやかながら整った庭がいつの間にかすっかり色付いているのに気付く。
佐伯にいた頃と違い、今は季節の変わり目にすら鈍感になった自分に呆れてしまう。
それでいて東京の寒さに襦袢の下にフランネルなど着込み、すっかり軟弱になっているのだ。
座敷からは何やらお兄さまの声が漏れ聞こえる。
「はっはっは、牛場は随分と手厳しい。それほど政府のやり方に納得がいかぬか。」
「当然でありましょう。御一新の主体であった士族に対しての仕打ちの酷さ!更には今年3月の脱刀令!オマケに今政府では家禄の召し上げまで計画されておるというではないですか!」
今日お見えなのは、お兄さまの授業を受けている学生さんたち。牛場さま、箕浦さま、犬養さま。
「あまつさえ征韓論への惰弱な決定、その舌の根も乾かぬうちの台湾出兵!優柔不断の極みでございます!江藤新平が、前原一誠が、反旗を翻すのも当然の結果でしょう。」
ああ、先月末に立て続けに起きた、士族の反乱の事をお話しですね。
私も血沸き肉踊る....いえ興味ある方面なので新聞は余さず読み尽くしました。
「ふむ、それはどうかと私は思うがね。箕浦はどうか?」
「頭では無益な反乱と理解しております。それでも心情的には牛場さんと同じく、士族の反乱に同情してしまいます。」
うーんと唸るお兄さま。いつも偉そうなのに、学生に言い負けているのがいい気味です♪
「失礼します。お食事お持ちしました。」
さり気なく兄を救う美少女!いい感じだわねーわたくし。
「おお!入れ!いやいいところ.....げふん、腹が減っておったところだ。」
「牛場さんもカツンドも、それはどうかと俺は思う。」
発言されたのは......確か犬養さま。小柄な体格とサラサラのおぐしは、三田で何度か拝見してる。
「彼らに同情すべき点があるだろうか?大体において、日本国の五分に満たぬ彼らが国家財政の四割を所得としているところに、自身が大いに反省すべき理由がある。」
「いやお前それは.....職がそれだけあったのだ。彼ら自身の責任ではない。」
「ならば職が無くなった今、自身の努力で所得を得るべきでありましょう。タダ昔の家禄を理由に銭を無心するのは、新しき時代を理解しようとせぬ乞食根性であるからです。」
犬養さまの渾名は『寄らば斬る蔵』。
弁論では負けを知らず、喧嘩においても小刀で相手の掌を床に縫い付けた事があるそうで.....とても近づきにくい方です。
怖いですね。私も口のききかたに、せいぜい気をつけましょう。
「オマエ、口のききかたに気をつけろ!維新の元勲をそんな言い方で侮辱するか!」
そーですそーです。
「維新の元勲であれば何をしても良いと言われる?しかし今回は暴れるも元勲、取り締まるも元勲。両者の間で牛場先輩はさぞやご心労でしょう。」
「オノレこいつ、いつも嫌な野郎だが今日は許さん!」
「おやコレは?美人の登場で少々意気が上がっておられるか?」
犬養さまはチラリと私の方を見やる。感じわっる!甲乙丙丁の丁です!
「よさないか!議論の終わりに暴力は厳禁だ。犬養も少しは口を慎め!」
意外にも2人は大人しくお兄さまの言う事に従った。
あら、お兄さまやるじゃない?
私は議論などどこ吹く風、ささっと配膳を済ませてお兄さまの横に。
「妹のお綾だ。顔は知っているな?」
「三田で何度かお見かけしました。牛場です。お見苦しいところを....。」
「箕浦勝人です!よろしくお願い致します!」
お2人はすぐにご挨拶していただける。
「犬養です。.....そうか、こちらが中津の殿様と?」
カチンとくる。
それを今持ち出すの?なんて嫌なやつ。
「う、いやまあそれはアレだ!まだ先の話だよ!な、お綾?」
お兄さまもこういう時に頼りない!
「綾はまだ結婚などいたしません!」
久しぶりに堪忍袋の緒が切れてしまった。イカンイカン。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
犬養さまがおっしゃっていたのは、今年の春頃からお話をいただいている、旧中津藩藩主、奥平昌邁さまとの縁談の事だ。
とてつもない良縁、正に棚からぼたもち、青天の霹靂、諸行無常の響きあり。
何しろお相手は伯爵家、さらには超絶頭脳明晰美男子、東京中の女子の憧れ!
奥平さまに胸を焦がす崇拝者は数知れず、見世物市では必ずどこからともなく御姿の写真が販売されて、飛ぶように売れる。
正に超級崇拝偶像、東京を、いえ日本国を代表するイイオトコの決定版!
コレも私が慶應義塾のお隣にある、福澤家へ花嫁修行に通っていたため。
中津藩の若手家臣一同やお殿様は、維新後慶應義塾へその拠点を移されていたので、すれ違うことが何度かあったそうで......。
見染められたってやつ!いやん!それは嬉しいけど!でも!
話が非現実すぎて頭が拒否する.....絶対無理!伯爵家よ!アンタ!
しかもあんな男前の夫人なんて、世間からの圧力やら嫉妬やら半端じゃないでしょ!
.....は〜。考えただけで疲れる。
包丁より薙刀が得意の私が、今ですら『りつれつ』の責め苦に喘ぐワタクシが、伯爵家?殺す気?
完全に混乱した私は、泣き喚いてお兄さまを困らせた挙句、抗議のためにせっかく生え揃った髪の毛をバッサリ切り捨てたのだった。
そしたら今度はお兄さまお義姉さまが怒るわ泣き喚くわで、少し収集つかない状態が数日続く羽目になってしまった。今はモノスゴイ反省している。
でもそんな牢獄級の結婚絶対にイヤ。
ともかく今すぐという話ではなく、お殿様も米国へ留学の予定もあり、それが終わってから.....という事でうやむやになっている。
「そこまで嫌ならお断りなさい。福沢は別に気にしませんよ。」
りつ奥様からはそんな優しいお言葉をいただく。
さらに偶然お会いした福沢先生からも励まされる。
「殿坊ちゃんは世間ズレしてねえから今はアレだが、あの容姿じゃあアメリカ娘と懇ろになって、子供の一つでもこさえてくるだろう。心配すんな。」
励ましてるのよね?頭良い方って何言っているのかチョット不明.....。
ともあれ皆さまが気を使って方々でまるく事を治めようとしてくれ、私は再び童のようになった頭を人前ではカツラで誤魔化す日々。
そんな大騒ぎのあと、ようやく沈静化していた縁談話をこの無神経な男わぁっ(怒)!
バンっと畳を叩いて立ち上がり、モノも言わずに台所へ下がる。
ドスドス廊下を踏み鳴らして帰ってきた私を、れつ義姉さまは不思議そうに見ていた。
「何をそんなに不機嫌そうに?」
「なんでもございません!」
私の剣幕にお義姉さまは、おお怖いと呟いて料理に向き直る。
出来上がっていたお料理を再び座敷へ。
無造作にバシっと障子を開けると、そこには土下座で頭を下げる犬養さまがいた。
他の方々はニヤニヤ笑っている。
「な、何でございますかコレは.....。」
殿方に頭を下げられた事などないワタシ。
「先ほどは誠に申し訳ありませんでした!妙齢の女性にあらぬ事を申し上げ、この犬養毅一生の不覚!」
神妙に頭を下げている『寄らば斬る蔵』を見て、なんだか私も可笑しくなった。
お兄さまも他の方も笑顔である。
「この男、確かに口の悪さにおいては、口達者な者の多い三田の中でも随一。」
ソレはよーく分かりました。
「だが心の真っ直ぐさも天下一品よ。どれだけ悪口雑言が過ぎても皆いつの間にか許してしまうのは、この男の心根が曲がっておらぬからだ。お綾、許してやってくれ。」
.......まあ、こーまで謝られて許すも許さぬもない。
「頭をお上げください、犬養さま。そんな状態ではお話しできませぬ。」
ヒョコッとサラサラ頭を上げる小柄な若者。
そのお顔があまりに真剣だったので、私は思わず吹き出してしまう。
「なんとも.....お笑い頂いたのであれば、取り敢えずお許しいただいたと思ってよろしいか?」
私が笑い続けるので、対話のできない犬養さまはキマリが悪そう。
「女子にとって縁談とは真剣なものだ。犬養もコレに懲りて軽口を慎め。」
お兄さまが優しく諭す。
犬養さまはその性根が素直なところを見せ、ハイと再び頭を下げた。
こんな妙な人を見るのは初めて。男には謝らぬのに女には頭を下げるなんて。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日近所で習い事が一緒のお美沙と、お茶をいただきながら女子話。
私が持ってきたかすていらを貪るように食べるお美沙。
「みさっち....その姿見たら百円の恋も覚めるっていうもんよ。」
「百年の恋だ!バカモンが!綾っちこそ何よその自慢話!いつもいつも三田の若者から色目使われてさ!うらやま、ちょーうらやましい!」
コレのどこが自慢話だとお前さんは言う?
かすていらは既に半分ほどお美沙に食い散らかされている。
彼女はそれでも私が受けた傷を理解してくれていて、中津の殿との縁談話は蒸し返してこない。
「その犬養って無神経は置いといて、他にはいなかったの?イイ男?紹介してよねたまには!」
私と同じ数えで16、何故そこまで焦っているんか?
「アンタと違ってあたしゃ良縁に恵まれにくいの!ウチは商人だから取引先はいくらもいるけど、みんな地方の生産者とか地主とか....おっさんやら田舎者ばっかり。」
「田舎の生活はいいもんよ〜。」
「アタシアンタと違って馬とか乗んないし!無理!ゼッタイ!」
この友人と話していると、気が楽になるというか真剣すぎるのが馬鹿馬鹿しくなるというか。
何にしても得難い友人である。
「そうね〜。箕浦さまとかはお優しそうだったけど?実家はやっぱり大分なんだけど。」
「ううーん、長男じゃなきゃ何とか東京にとどまれるのでは.....慶應義塾の学生さんなら将来安泰だろーし。ちょっとアンタ、家族構成を調べてから推薦してちょうだい!l
前言撤回、ジコチューなオンナである。
「でもね、その犬養さまも結局そんなにイヤな奴では無かったの。まあ頭良すぎて他人を傷つける事がよくあるって事だけど....。」
「うわー絶対無理。最悪じゃんそんなオトコ。綾っちそんなのが好みなの?それともよっぽど見た目が良いの?」
「イヤ好みってわけでは.....見た目も普通かな?」
ない、それはないわとお美沙は切り捨て、再びかすていらに取り組む。
「でも何か、話している事が新しいのよね。凄く先が見えてるっていうか。」
「フーン、興味なし。」
好みって人それぞれだね。イヤ別に好みっていうんじゃないけど。
「とにかくアタシに!良縁プリーズ!」
この前教えた英語を交える友人。とっても可愛くて厚かましい。
だから彼女は得難い友人なのだ。
それにしても結婚、結婚。ナゼ私たちはそれしか無くて、それが悩みになってしまうのか?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それからというもの福沢先生のお宅へ行くたび、妙に人の視線が気になってしまう。
縁談をお断りしたときでさえ、コレほど人の目が気になってはいなかった。
慶應の学生さんに向かって私の縁談話をお兄さまが説明したという事実が、ひどく頭を悩ませていた。
でも心配するようなことは何も無く、皆私とすれ違うたびに和かに会釈を交わしてくれ、ヒソヒソ話やクスクス笑われるような事は起きなかった。
そんなに気にすんなら縁談断んなきゃ良いのよ。
そーよやっちまったもんはしょうがないじゃない!どーせあたしゃ良縁断ったマヌケよ!
そーよあの完璧な縁談をはねつけるようなバカ娘に、新たな縁談などあるはずも無いわよ。
知るか!男女平等が語られる新時代よ!自分の人生くらい切り開いたる!
そして少しだけ、ホントちょっとだけ犬養さまのことを考えた。
時折お顔を見かけると、遠くからでも笑顔で会釈をしてくださる。
あんなに考えの新しい人なら、私のような女子でも理解してもらえるのかも?
いや.....何でもない。ちょっとした気の迷い。
明治10年の旧正月も明け、私は再び福沢家へ裁縫を教わりに通う。
立春を過ぎてもまだ寒い2月の終わり、私は外出着の小紋に緋色の綿入れを着込み、ドテドテと三田を訪問していた。
錯乱して切り捨てた髪も、どうやらギリギリ結えるまでに伸び揃っている。
カタチを気にして髪に手をやる度、あの時の自分の激しさを思い出しては呆れる。
「綾さん!お手習いの帰りですか?」
突如声をかけてきたのは、犬養さまだった。
「はっハイ!あの、ご無沙汰しております!」
そーでも無いんだがその時は驚いて、咄嗟に口を出たのが男のような挨拶。
犬養さまは私の挨拶を笑いもせず、丁寧に会釈をしてくれる。
「こちらこそ新年のご挨拶もせず、失礼いたしました。」
フツーにしていれば凄く感じのいい人なのに、議論となるとどーしてあんなに感じ悪いのか。
「お聞き及びかもしれませんが、俺3月から熊本へ取材へ行く事になりました。」
何それ?熊本ってあーた、い、いま戦争で.....えーっ!!
新聞が伝えているところでは、2月21日に熊本鎮台と薩摩軍が戦闘を開始しているはず!
「それは、それは何のために?戦争へ行って兵隊さんになられるの?犬養さまは兵隊さんだったの?」
我ながら慌てすぎて何を言っているのやら。
「そうではありません。俺は郵便報知という新聞社で働いているので。取材と申し上げたのは記事を書くための調査をするという意味です。」
あ....そういえば郵便報知で誰かが現地に行くのだと、先日お兄さまも言っておられたような。でもまさかそれが犬養さまだったなんて。
「ナゼそのような....犬養さまはまた誰かと議論して、怒らせてしまったのではないですか?だからその様な危険なお仕事を。」
私は何を言っているのだろう?
それを聞いた犬養さまは、大きな声で笑われた。
「さすがにそこまで口は悪くありません。俺は志願してこの仕事に行くのです。」
「何でその様な危険なお仕事を?」
私は真っ赤になりながら尋ねた。何とバカな娘かと思われただろう。
「給料がとびきり良いんです。」
ケロリとサラサラ頭は言う。
「それにこの戦争には大いに興味があります。福沢先生は戦争がお嫌いなんですが.....。」
「戦争をお好きだなんて、正気じゃありません!」
私はつい叫んでいた。暴力も、暴力を肯定する人も嫌い!信じられない!
心に浮かんだ言葉をそのまま撒き散らす私と違って、犬養さまは私の言葉を受け、シッカリ考えて喋っておられる様に見える。
「俺は戦争が好きなのではありません。この戦争に興味があるんです。」
私には分からない、何が分からないのかもわからない。
真っ赤になったまま、質問も出来ずにいた。
「この戦いは恐らく士族の反乱では最大で最後のモノになるでしょう。俺はそれを見届けたい。その戦火が消え去った後どういう時代がやって来るのか、その場に行けばわかる様な気がするのです。」
ゼンゼン分からない。この人は何を考えているのだろう?
頭の悪い私には見えない、何が見えているのだろう?
私は両手を握り締めながら、あふれそうな言葉を慎重に選んでいた。
アナタはどうしてそんな事を考えるの?ナゼ他の人の様に、自分の事を大事に考えないの?
生きて帰って。もう一度逢えなければ、私のこの気持ちは誰が説明してくれるの?
「犬養さま。」
少しだけ気持ちを落ち着けた私は、何とかその人の名前を呼んだ。
「はい、何でしょう?」
何でしょうじゃない!
「必ず、必ず生きてお帰りください!そしてアナタに見えた新しい時代を、綾に教えてください.....。」
祈る様な気持ちだった。
「分かりました、綾さん。」
犬養さまはそう言って、遠く手が届かぬ様な、透明な笑顔を見せた。
史実と小作の比較を活動報告でボチボチ書いてます。
こーゆーのはお気楽で良いですね。自分でもまとめになります。
よろしかったら覗いてください。
ちなみに奥平昌邁、ご興味あればググってみてみて。
そーとーなイケメンっすよ。




