『感傷』
まだまだ未熟なので、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。
※この作品は、少し残虐なシーンが含まれます。また、少し刺激の強いシーンが含まれます。以上のことが苦手な方はご観覧をお控えください。
この作品は、私の溜め込んできた物語をひたすらに詰め込んでいます。
それでも楽しんで頂ければ幸いです。
それからの道のりの間でもいくつかの遺体を見た。
渋々その遺体を観察してみるが、ただの死体である。その内の一つは綺麗な肌の若い女性のものだった。やけに生が感じられない死に顔で、私は不気味に思えた。
いや、死んでいるのだから生が感じられないのは当たり前なのだけれど、しかしその死に顔が痛みも辛さの欠片も感じさせない程の抑揚のない表情で、一体どのようにして死んだのかが分からない。
そう、一番分からないのは死因なのだ。どの遺体も外傷が特に見られない。傷による死ではないのだとすれば、もっと別の体内器官の衰退によるものなのだろうか。
私とてそんなに死体を見たこともないし、監察官でもないので、詳しいことは分からないが、何というか――露骨なのだ。疑問点が――逆に言えば、隠されている点が隠され過ぎなのだ。
故に、怪しく――露骨に浮き出てくる。まあ、中には白骨死体もあるので、文字通り骨を露わにしているのだが。
そんなこんなしながらも、私達は魔竜の長が棲むという、ひっそりとしていてひんやりとした森の奥深くにある、神殿跡にやって来た。
何故に、竜だけの島に神殿などという人工物があるのかと言えば、竜や竜人がそれらを建造したから――という訳でもない。彼らが自ら小屋を欲するようにも思えないし、実際その通りだ。
では、何故竜の島に神殿が存在するのかと言うと、これは箱庭ができる以前の物だからだ。
かつて、恐竜が栄えていた時代――ジュラシック紀以前に、人工建築物を造れる程の生き物がいたかと言えば――いた。と言うか今もいる。現役ばりばりで世界を牛耳っている。
それこそが――神だ。
彼らは普段は天界に住んでいるが、勿論地上に降りることもある。北の山脈で出遭った神も然り、都を裏側から守護するという神も然り。
そういった神々が地上に降りた際に創造されてできたのが今は魔竜が巣食う神殿跡なのだと言う。
神殿を神自身が創るというのもおかしな話ではあるが、当時は神を崇め奉る者もいなかったのだ。自分達で自分達の像を作るしかないのだろう。人工物ならぬ神工物である。
その後、神々が天界に完全に立ち去り、放置された神殿は噴火やら地震やらの影響で土を被り、果ては地中に埋まることになった。おいたわしや。
と、またもやここで疑念が生じることだろう。その地中にあるはずの神殿もとい神殿跡が何故に今こうして竜の手に渡ったのか。
その答えは簡単明瞭――この島が隕石落下により隆起した為、その拍子に一緒に掘り起こされてしまったのだ。
そして今、竜が棲みつき、神殿跡は世界から隠された場所でひっそりと――されど美しく佇んでいる。
今の話は竜に長年、本当に長年口伝されてきたものなので信憑性は然程ではないが、理論的には申し分ない。
長々と語らったが、何はともあれ魔竜の長はその神殿跡の中心部、柱が折れていたり、倒れていたりする広間のような所に、彼は居た。
「やあ、こんにちは。よく来たね。大変だったろう」
飄々と喋るその竜こそ、魔竜の長を務める――
「僕の名はレウコテス。魔竜の長を務めている。よろしくね」
互いに名乗り終えると、レウコテスはまじまじと私とナキを見た。……何だろうか。嫌な視線ではないのだけれど、好きでもない。観察されていると言うか、自分の中の中まで見られているかのような……。
「いやあ、人間とか、竜人以外の亜人とかと会うのなんて初めてだから、わくわくしてしまうなあ。……ん、あれ? そうでもないな。一回だけ……ま、いっか」
彼はけらけらと笑いながら、そんなことを言った。
魔竜の長ことレウコテスは四つ足の竜で、大きさはイオンと同じくらいである。そして、最も特徴的な体であるが、彼の全身は半透明で紫色の気体のような物が体内を漂っている。それが彼の体色なんだろう。
魔竜というのは、生まれた直後は透明である。
光を受けて明暗ははっきりとするが、色は全て透けて、向こう側がはっきりと見える。彼らは生まれながら自分の色を持たない。
無竜は明暗濃淡様々な色の者が居るのに対し、魔竜は透明の体で生まれて、生きていく内に段々とその竜の個別の色が水槽に垂らされた一滴の色水のようについていく。
そして、目の前の竜と言えば、透明な体に紫の波がひらひらと舞っているようであった。
「あ、そう言えば他の竜の長の所には行った? 一昨日来たんだよね? 良い所でしょ」
こういう口調の竜は今まで会ったことがない。そんな回数の竜と会話をしてはいないけれど、ここまで軽い口調の竜はいなかった気がする。そういう意味では、イオンが一番彼の話し方と近いのかもしれない。雰囲気は似ても似つかないけれど。激情と温厚を表すには良い例だ。
「はい、既に無竜、氷竜、光竜、毒竜の所へは訪れました」
私がそう答えるとレウコテスは「そうかあ。イオンの所にも行ったのか」と、感慨深そうに頷いた。
「あいつどんなだった? 微妙に口悪いでしょ。慣れない言葉使いたがるからなあ」
レウコテスは嬉しそうに話す。随分と仲が良いようだが。
「いやさ、あいつと僕って幼馴染なんだよね。生まれた年も一緒だし。竜じゃ珍しいんだよ? 竜は産卵期も少ないし、世界でも個体数が決して多い訳ではないから。それでね、僕の方が卵として産まれたのは何年か先だったんだけれど、イオンは孵るのが早かったから、顔を出したのはあいつの方が先なんだ」
確かに、個体数の少ない彼らにとって同年代なんていう存在は奇跡にも近い貴重なものなのだろう。それだけの理由でも仲が良いのは説明がつく。
「それからはずっと一緒にいたよ。親が一緒にいさせたっていうこともあるんだろうけれどね。だからかな、今の僕の体がイオンのような菫色に染まっているのは。僕はこんな性格だし、イオンも昔は気が弱くて可愛かったからさ、特に何をして遊んだ訳でもないけれど。それでも楽しかったね。何て言うのかな――何て言えば良いのかな。一緒にいるだけで、綺麗な景色は綺麗だったし、ご飯もちゃんと美味しかったし、幸せだったんだよね、要するに」
莞爾と笑う彼を見ていると、私は和んできてしまう。
ただただ彼は幸せ者で、私はそれを見て、世界にそういう者が居てくれて、安心した。希望はあるのだと、自分ももしかしたらそうなれるのだと、知れたから。
「僕はさ、他の皆みたいに大した苦労もしていないし、あんまり難しいことに悩まされたりだなんてなかったから。ただただ楽しい生涯で……魔法なんて、分かりやすいくらい便利なものだし、自分自身こんな性格だから大抵のことは楽しめたし、楽観的と言うか、前向きなのかね。苦労もなしにここまで来たからと言って、生きていることに退屈を覚えたりすることもなかった。それがきっと良いことばかりを招く訳ではないけれど、それでも深く考えることもなかった。適当な性格も、軽口ばかりの脳みそも、自分でちゃんと解っているし、割り切れているし、コントロールもできているつもりだ」
その細い目を見開いて、彼は私を見た。
「……私も、なれますか。そういう風に」
「なれるさ。僕がなれたくらいだ。何にでもなれる君には、朝飯前だろうね」
「!」
にこりと笑って、レウコテスはそう言った。『何にでもなれる』と――
私やナキが固まって黙っていると「あれ、違ったかな。フィン・アーク・アイオーニオン君」と、見透かしたように続ける。
「……どうして知っているんですか」
「やだなあ、そんなに睨まないでおくれよ。単純な話、聞いたことあるんだよね。『神の恩恵』」
確かに、オールや詳しい人なら神の恩恵のことを割と知っていたし、如何にも博識そうな彼が知っていても何らおかしくはない。
しかし、不可解な点はそこではない。
――何故私が神の恩恵を受けていると分かったのか――ということだ。
「その模様」
「えっ?」
「その模様。左頬にあるその変な模様。見たことあるんだよね。結構前だけれど、何千年前かな。忘れちゃった。さっきも少し触れたように、一回だけ外に出たことがあってさ、その時にたまたま会ったんだよね。そういう人間の男に。その人も頬に同じような模様があってさ。何か格好良いよね、それ」
そうか。神の恩恵のことを知っている者が居るということは、前例があるということだ。今まで自分だけだとどこかで勝手に思っていたけれど、よく考えれば私一人に与えられる方がどうかしている。しかし、その選考基準は何なのだろうか。
その人は、一体どんな能力を持っていたんだろうか。
「その男性の能力は一体どんなものだったんですか? 僕と同じで、『何にでもなれる』能力ですか?」
「んー? 違うよ」
違うんだ。レパートリーあるんだ。
「その子は『何でもできる』能力だったかな。君のものに似ているけれど、対にもなるね」
相変わらずのチートっぷりである。全能って。ほぼ神じゃん。
「その子も後々に有名になったらしいけれど、やっぱり彼も人間だったから、どこかで死んじゃったらしいね」
そんな人の話は聞いたことがないし、レウコテスの知識が曖昧なのでその人が誰なのかも分からないけれど、世の中丸いが広い。
色々な人がいるものだ。レウコテスが『その子』と呼ぶのが、少し気になる。親しかったのかな。
……ん? 待てよ。それは分かったが、まだ疑問点は残る。何故この模様だけで、私の能力まで判明できたんだ?
彼は確かに「何にでもなれる」と言っていた。 彼が以前会ったことのある神の恩恵を受けた者が何でもできる能力だとすれば、それが彼が私の能力を知っている理由にはならない。
もしかして、私の他にも何にでもなれる者がいたのか?
「いや、普通にアンドレイアに聞いた」
「…………」
口外厳禁って言ったじゃん。あの方意外と口軽いな。
「……あの……何の話?」
と、そこでアルステマが訊いてきた。神の恩恵について何も知らない彼女にとって、今までの話はちんぷんかんぷんだったろう。『神』だの『能力』だのと厨二病を拗らせてしまったようにも思えたかもしれない。
私達は彼女に訳を話す。最初は何のことだか分からずに戸惑っていたアルステマだが、今も戸惑うばかりだ。……いや、思った以上に説明するのが難しい。話せば話す程、理解から離されていく。
「実際にやってみせた方が分かりやすいんじゃない?」
レウコテスの提案に私は頷いた。
となれば、何になろうか。鬼人とかは私自身なり過ぎて、飽きている。どうするべきか。
――あ、そうだ。
「じゃあ、やってみせるね。ちょっと離れた方が良いかもしれない」
ナキとアルステマが十分に距離を置いたのを確認し、私はなる。
体は大きく、その背中には十人くらいは軽く乗せられるだろう。透明なその体は赤黒い霧のようなものが漂っている。翼を大きく広げればどこへでも飛び立てよう。連なる牙と黄色く光る眼は鋭く、仄かに寒気を纏っていた。
果たして、私がなったものとは――魔竜である。
「!」
「ん、案外大きかったな」
私のなった魔竜はレウコテスよりも少し大きめの四つ足の竜で、その巨体はがっちりとしているよりかは、ほっそりとした体で、そこはやはり私らしかった。翼や尾が胴よりも長いので、丸まるのは簡単そうだ。
「随分とシュッとした体だねえ。人間の君の面影がしっかりとある。興味深いなあ」
アルステマはまだ驚いてしまっていて、唖然としている。口が塞がらないとは正にこのこと。
「どう? びっくりした?」
「…………ええ」
彼女は目を丸くしたまま、ゆっくりと頷いた。現状が把握できていないのだろうけれど、神の恩恵については理解はできただろうか。
「すごい色だねえ。何だか血が固まったような色だ」
レウコテスはそんな表現をした。
血――か。
「体の色はその人の感情と記憶が深く関係しているという説が大きいけれど、君のその赤と黒は感情と記憶、どちらを表しているのだろう」
感情と記憶が深く関係している、ね。この色は煌々と燃える黒い焔のようにも思える。
そんなことを考えていると、やっとアルステマは思考が追いついたようだ。
「……これがフィンの力、ということ?」
「ああ、これが僕の力ということ」
「すごい……すごいね! 本当に何にでもなれるのね。びっくりしちゃった」
アルステマは目を輝かせ、感心している。嬉しそうに、羨ましそうに。
「それはどうやって手に入れたの? 神様から貰ったんだよね? ということは、フィンは神様に会ったことがあるの?」
アルステマはそう訊いてきた。彼女にとっては素朴な疑問だろう。
「私も、知りたい。あなたのこと、もっと」
すると、ナキもそこに重ねて訊ねる。私は彼女と一番長い時間を共にしてきたが、未だに話せていない。神の恩恵の授かり方は、受け取った者や、その者から聞いた者しか知らない。オールでさえ知らなかったのだ。
気になるのは――当然か。
「あまり訊いてやるな。良いものでもないだろうしさ」
その時、レウコテスが割って入り、話を中断した。してくれた――と言うべきか。
先程までのへらへらとした表情とは裏腹に、今の彼は真剣――と言うか、神経質なまでの眼差しだった。
彼自身も同じような経験をしたのだろうか。訊いてはいけないことを訊いてしまった。踏み込んではならないことに踏み込んでしまった。それを他の者にさせないように、自戒の念も含まれているのかもしれない。なんて妄想だけれど。
「……そうね、訊いちゃいけないこともあるものね。無神経だった。ごめんね」
「いや、良いんだ。僕も話せないのが駄目なんだ」
「…………」
ナキは黙ってむすっとしていた。私は彼女に話せないことが多過ぎるのだろう。一番長く居るのに、一番気遣ってしまって、結局除け者みたいになってしまう。大事に思うからこそ、私の真実を話した時に失望されてしまうのが嫌なのだ――怖いのだ。
「ごめん、ナキ。いつか必ず話すから」
「……うん」
毎度こう言って、言い逃れて、いつまでも言えないのではないのだろうか。私の言葉は信じるに値するのだろうか。彼女にこれ以上信じてくれと頼む資格が、果たして私にあるのだろうか。
と、そこで私は異様な気配を感じた。一体何だろうか。何か――匂うような。
「? どこへ行くんだい?」
レウコテスの言葉も聞かず、私はその匂いのある方へ誘われた。匂いを辿りながら神殿内を歩いていると、やがてその発生源は現れた。
「ここに来たかったのかい?」
「ここに来たかったと言うか、来たかった場所がここだったということかな」
辿り着いた場所は埃舞う薄暗い小部屋で、樽や木箱が乱雑に置かれていた。要するに倉庫である。
「何かあるのか?」
レウコテスはそう訊くが、私もはっきりとは分からない。正直、辛うじて感じる程度の気配なので、小さな部屋に大きな竜の頭を突っ込んで、その匂いの発生源を探した。
鼻先で障害物を退けながら、その中で隠れていたものは、一つの白骨死体だった。
「こんな所にも……」
死臭がしない当たり、死亡から随分と時間が経っているのだろうか。
「何? 何があったの?」
部屋の入り口と私の顔の隙間から体を押し込んで中に入ろうとするアルステマであるが、彼女の胸は完全に私の頬に当たっており、私の心中はカオスである。
「また、白骨死体……こんな所にまで」
「何? こんな所にまでってことは、他の所にもあるの?」
「ええ、ここの他にも――というか、箱庭の中の至る所で目撃されているんです。こう言った人型の死体が」
それから、私達はレウコテスにここで見た死体の話をした。先程からの反応を察するに彼も知らなかったようだけれど。
「野垂れ死にか、もしくは死体遺棄か。答えは死体本人か、ここを創りし神のみぞ知る――と言ったところかね。しかしまあ、よく君はこんな所にあった死体を見つけたねえ。長である僕でさえ気がつかなかったよ」
「何億年もここに棲んでいて、気がつかなかったなんてありますか? と言うかあり得ますか?」
「そりゃあ、あるんじゃない? 僕はここを全て見て回った訳ではないから、僕は知らなかったけれど。もしかしたら、以前侵入を果たした者の生き残りがここでくたばったのかもしれないね」
「侵入者なんていたんですか?」
私は思わず訊き返してしまった。
「いたさあ、この箱庭だって長く続いている。世界の賢い方々がここを探して、中には見つけてしまう者もいる。まあ、苦労して入ってきた者も最後は死んでしまうんだけれどね」
てっきり一度も侵入されていないのかと思っていたが、とんでもない者は世の中にいるものだな。
「星が始まり幾億年――色んなことをやり遂げてしまう者は沢山いる。君のいる世界は案外広いよ」
そんな格言めいたことを言いつつ、彼は「しかしねえ」と、話を戻した。
「その白骨死体から匂いがするのかい?」
「あ、はい」
まだ私は匂いのことについて話していなかったのに、よく分かったな。何だかレウコテスには色々と見透かされているようだ。
「どんな匂いだい?」
「んー……何と言いますか、ちょっと変な匂いです。むずむずするような、体が受けつけないような、そんな嫌な感じの……」
ふうんと、彼は頷いた。その顔、もしや何か分かっているな。
「多分それは魔法の匂いだね」
――魔法?
「うん、何せ今の君は魔を司りし誇り高き魔竜だよ? 魔法があれば、それに反応したり釣られてしまうのは当たり前さ。僕だって、君達が近づいてきた時から、その鬼人の少女の異様な魔力を感じ取っているよ」
彼は視線をナキに移す。バレていたのか。マスカットさんから頂いたブレスレットがあっても気づいてしまうとは、魔竜恐ろしや。まあ、私も魔竜になってから、確かに強く感じていたが。
「しかし、僕はその白骨死体から匂いを感じないなあ。言われても気づかないなんて、今まで無かったから不思議な感覚だ。僕も相当魔法には敏感な方だけれど、それでも欠片も感じない。君が感じている以上、確かに魔法がかかっているのだろうけれど、一体何の魔法だろうか。ここで死んだってことは魔法で殺されて、そのまま微量の魔力が残っていたのかもしれないね。或いは……余程上手く隠しているのか――この魔法を」
「それって、この白骨死体に意図的に魔法をかけた者がいるということですか?」
だとすれば、これは思った以上に危険なものなのではないのか。骨はしっかり埋葬なり火葬なりするべきなのでは。
「まあ、そこまでする必要もないんじゃない? やっぱりその可能性は低いだろうし。そんな陰謀臭いことそうそう起こるものじゃないだろう。それにここだって箱庭ができる以前からあって、一度地中に埋まって尚掘り起こされた訳だし、ジュラ紀から実は人型の生き物がいて、それが掘り起こされたのかもしれないし。考えれば可能性は腐る程でてくる。こればっかりはきりがない話だね」
そういうことなのだろうか。まあ、専門家が言うなら、そうなのだろう。
「にしても、僕が感じない魔法を感じ取るとは、やるじゃないの」
「いやあ、恐縮です」
「にやけてるねえ」
くだらないやり取りをしながらも、私の不安は未だ払拭しきれていなかった。
もし、本当にこの白骨死体だけに留まらず、この島中の死体に意図的に魔法をかけた者がいるのだとすれば――
陰謀――ね。
私はレウコテスが言った言葉をふと心の中で呟いてみた。
次回にご期待下さい。
本作品は、不定期更新となります。次の物語をお待ちください。




