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自覚
あんなことがあったというのにリリの私への態度は変わらなかった。
安心よりも驚きの方が大きくて…
変わらず優しくしてくれるリリ。
「クラリスっ!」
笑顔で私の名前を呼んだリリ。
リリ。
リリ、
リリ…
好きとかそんな言葉では表せない。
大好き?
愛してる?
ああ…わかってる。
彼女は私の全てだって。
リリ。
リリ…
「…今行くよ!」
私がずっと、傍にいる。
君を護るから。
だから…
どうか君も、
…私から離れないで。
あれから…もう10年以上経つけれど、
私のリリへの気持ちは覚めることはなかった
…むしろ反対かも知れない。
昔ほど頻繁には会えなくなってしまった分
彼女への気持ちは日に日に増していった。
リリ。
リリ…
君は昔から愛らしかったけれど月日が経つにつれてさらに綺麗になっていく。
リリ…
リリ。
君に会いたい。
…
…
バンっ!
「直ぐに馬の手配を!」
「ク、クラリス様っ!?…だ、大至急用意をっ!」
リリ。
リリ…
今、会いに行くよ…