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妖精使いと黒の騎士  作者: 水澤星香
7/13

大切な君


気がつけば…

いつもそばにいた。



彼女に出会ったのは、覚えていないけれど

私が赤ん坊のころだったと母上はいっていた

彼女は小さなころから少し、いや…

かなり。ほわっとしていた。

そんな彼女はそそっかしくて、

危なっかしくて…

私が守ってあげなくては…

私が…

そう思っていた。


でも…

あの日。

彼女は…

リリィは、

大好きないつもの笑顔で…

「クラリスの…」

気がついたらリリィを押し倒していた。

悲しかった。

苦しかった。

悔しかった。

鈍いって、わかっていたのに…

そんなリリィが残酷に感じて…

そんなふうに感じてしまった自分が大嫌いだった…

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