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第2話 嫁強し!

テストが忙しくて更新が進みにくいです。

でも近々もう1本あげるつもりです。

「……あっ、すいませんボーとしちゃって、こちらこそ改めま__」


ワタルは我に帰り、慌てて自己紹介をし返そうと、立ち上がろうとするが、頭がぐらつきポトッとまたベッドに腰を下ろしてしまう。

その様子にログは慌てて、


『ああ!そのままで。まだ体は万全じゃないでしょう。もう少し座られていた方がと思いますよ』


「そうみたいですね……。では…」


ワタルは座り直し、


「ワタルといいます。改めましてよろしくお願いします。一晩ご厄介になります」


『いえ、私もあなたに興味がわいてのことですからお気になさらず』


頭を下げるワタルにログは笑いながら手を横に振りながら答える。

ワタルは話してる間にログを観察していた。

全身は黄緑色で、上半身は裸で腰には布が巻かれてるだけだ。体長は2m10cm程、腕の長さは人間と同じくらいだが足だけが他の部位と比べ長く、少々バランスが悪い体形だ。

振っている手の指の根元の間には水掻きがある。


『あっ、それでですね、良かったらですが体調が良くなって食欲が出てきてからで構わないので、私たちと一緒に夕食などいかがでしょう?……ああ!もちろんヒューマン種でも食べれるものですよ?』


夕食と聞いたときのワタルの顔色を見てログは慌てて言葉を付け加えた。ワタルはホッとしながら


「何から何までお気遣いありがとうございます。幸いにも食欲もあり、体調もよくなってきましたので、喜んでお誘いをお受けしたいです」


返答を聞きログはうれしそうに、


『そうですか、あまり大事に至らなかったようで何よりです。それでは__』


そこまで言ったログの後ろから優しそうな声がきた。



『あなた?』


『!』


ログは首?をすくめ、ゆっくり振り返る。

そこにはカーディガンの様な物を着ていてスカートをはき、それらの上からエプロンをつけてるログを小さくして髪が生えたような1m90cm程のメスカエルが威圧感を出しながら優しく微笑んでいた。


『や、やあスィロ見ての通りワタルさんは元気で食欲もあるそうで、夕食への招待も受けてくださいました。ですので、そろそろ夕食の準備を__』


『__その前にやることがあるでしょう?百歩譲って上を着なかったのはいいとしてとして、お客様の前で腰布一枚なのはどういう了見なのかしら』


メスカエル……スィロはログの言葉を遮り優しげに詰問する。


『い、いや、ワタルさんが気がつかれた気配がしましたので、つい焦って__』


『__でもズボンを履くぐらいの余裕はあったはずでしょう?』


しどろもどろに言い訳するログの言葉を再度遮り、結果ログは小さくなり何も言えなくなってしまった。

ワタルは気の毒に思いつい、庇ってしまう。


「あ、あの私は気にしてませんので……、それにご主人が急ぎ駆けつけてくれたのは私のことを心配してのようですし……。」


『……あなた?お客様に気を遣わせてどうするの?』


威圧感が増し、笑顔がさらに深くなった。逆効果だったようだ。


『すぐ着替えてきて』


『は、はい!』


スィロに命令されてログは急いで部屋を出て行った。スィロはワタルの方に向き直り威圧感を消し笑顔を浮かべ、自己紹介する。


『恥ずかしいところをお見せしてごめんなさい。私はログの妻のスィロよ』


「わ、ワタルといいます」


ワタルは若干ビビリながら自己紹介し返す。

スィロは申し訳なさそうな態度で、


『話は夫に聞いたわ。ワタルさんにはこちらからお誘いして泊まっていただけることになったのに、ここまでお連れする際にワタルさんにこんな負担をかけてしまうことになってしまったなんて、本当にごめんなさい』


「いえいえ、私の方が泊めていただけることになり、野宿をせずにすんで助かりましたし体もそこまで酷くないので、どうかお気になさらずに」


『そういって頂けると救われるわ。でも体はまだ心配よ。夕食の準備に、もうしばらく掛かるからその間ゆっくり休んでて』


「はい、ではお言葉に甘えさせていただきます」


スィロは軽く頭を下げ部屋を出て行った。

ワタルは、

……それにしても、こっちの世界でも嫁のほうが強いんだなぁ……、敬語も使い慣れてないから少し喋りにくいな……。

そんなことを思いながら部屋でまったりとして過ごした。



    ●●●●



夕食の準備が出来たと、ズボンを履いたログが呼びにきたので共にワタルは居間に向かった。

そこはあまり物が置いてなく窓の前に花瓶に入れた綺麗な花を飾ってあったり、真新しい本棚が置いてあるだけで、しかし寂しい印象を受けない。置いてあるものはほとんど木製で出来ている。老後に過ごすのは理想的であろう部屋だった。

部屋の真ん中に木製の丸い食卓があり、上にはシチューに切れ目の入った長いパンに、肉が混じった野菜炒めがあった。

他においてあったものはそれぞれの座る位置に置いてあるフォーク、スプーンそして箸だった。


……箸!?

ワタルは席に座り食卓の上のものを見てぎょっとした。この世界にも箸があるのか、と。

しかし、ワタルはこれが自分の知ってる箸と使い方が一緒とは限らないし、礼儀作法もわからないので予防線を張ることにした。


「とてもおいしそうですね。しかし、私はこの辺りの礼儀作法に詳しくないので変な食器の使い方や汚い食べ方になってしまわないか、心配なのですが……」


『いえ、どうぞご自由に食べてください。こちらからお招きしたのですから食べ方まで強要はいたしません』


ログの返答を聞きワタルは安堵する。これで失礼なことをしても最低限の言い訳が立つと。


『では、いただきましょうか』


席に着いたログがそういうと二人は両手の指を組み黙って何かに祈り始めた。

ワタルは、


……やべえこういうの真似しといたほうがいいのかな……!?


焦りまくっていたが、自分の作法を優先することにした。

両手の手の平をあわせ、


「いただきます」


夫婦は驚いたように顔をあげた。


『今のはどのような意味の儀式ですか?』


そう聞くログの目は好奇心に満ちていた。スィロも同じような目をしながらワタルを見つめている。


「えー確かいただきますは食べる命に感謝して食べ終わるときに言うごちそうさまは作ってくれた人への感謝を意味するんだったと思いますよ。そんなに珍しい儀式でしたか?」


『いえいえ!素晴らしい儀式だと思いますよ!』


ログは目を輝かせていた。



そして3人は食べ始めた。箸を使い野菜炒めを食べるワタルを見て夫婦はさらに箸が自由に使えることにさらに目を輝かせた。ワタルは疑問に思ったが食べることに専念することにした。



    ●●●●


『『「ごちそうさまでした」』』


夫婦は何を思ってかワタルにあわせてきた。


「とてもおいしかったです。こんな素晴らしい食事をありがとうございました」


『そんなにほめてくれるとうれしいわ』


スィロが喜んでいると、ログが思い出したかのように、


『そうでした!ワタルさんお聞きしたいのですがなぜ私たちの言葉が喋ることが出来るのですか?』


ワタルはなんと答えようか迷い、無難な答えで済ませることにした。


「さあ、なぜでしょう。これについては私も分かりません。生まれつきあらゆる種族の言葉が分かるのです。神のご加護かもしれませんね」


『生まれつきで、ご加護ですか……。そうかもしれませんね』


ログは気持ち真剣な声で、ワタルに質問する。


『それともう一つ気になったのですがその髪と目も生まれつきですか?』


「?はい、何か問題でも?」


『いえ、この辺りではとても珍しい色なので……』


ワタルの答えを聞きログは奥歯に物が挟まったような言い方をし、誤魔化した。

ワタルは気になったが後にしログに色々聞きたいことを聞くことにした。


「あのいくつかお聞きしてもよろしいですか?」


『はい、なんでもどうぞ』


「あなた方の種族のことについてなど色々聞きたいことがあるのですが……」


『おや、もしかして、ワタルさんは私たちのようなものを見るのは初めてですか?』


「はい、遠くから来ましたので生まれてはじめて見ます」


『……本当に初めてなんですね?』


「はい、何かおかしなことでも?」


ワタルがそういうと夫婦は顔を見合わせ笑顔で頷きあった。その様子になにかしくじったかとワタルが内心焦っているとログは、提案をした。


『いえ……、本当に遠くから来たんですね。それでは色々聞きたいことがあるでしょう。聞きたいことをワタルさんに言ってもらい私たちはそれに一つずつ答えていくということでどうでしょう。』

「はい、ではそのように。では…、あなた方の種族名はなんというのでしょう?」


『ラーナといいますね。ちなみに、ヒューマンに名乗るときは種族名を苗字代わりに使ったりします。私たちの場合はログ=ラーナとスィロ=ラーナとなりますね』


「一般的にヒューマンなどの異種族などにどのような存在として受け止められてますか?」

『大体水人に属する異種族として受け止められてます。ですが私たちの外見を揶揄してモンスター扱いする人もいますね』


ワタルは水人のことも聞きたかったがどうもそれは距離に関係なくこの世界の常識のようなので聞けなかった。


「ログさんはどのような職業に就かれてるのでしょうか?」

『普段は里で取れた農作物を売る商人をしておりまして、今は順番がきましたので里の門番のようなことをしています』


「里とは?順番とは?」

『はい、ここの近くに幻術で隠してるラーナの里があるのですが門番は里の者が半年ごとに順番に変わっていくのです』


「……そんな重要そうなことを部外者の私に喋ってしまってよかったのですか?」

『特に秘密にしていることでもないですし、部外者は里が出来てから1200以上経ちますが誰も入れたためしがないので大丈夫です。門番も一応いるだけの存在ですから』


「そうでしたか、不躾ですがお子さんは?」

『います。今は離れていて里に暮らしています』


「お名前は?」

『5人いるのですがまだ無いのです。とても奇妙に思われるでしょうが、ラーナは体が大人になってから名前をもらうのです』


「最後の質問です。」

『はい、なんでしょう?』



「あなた方お二人の探し人は私でしたか?」


ログとスィロは二人揃って息を飲んでいた。

ログが最初に我に帰り、


『……やはり分かりましたか?』


「いや、流石にあれは分かりますよ。立派な根拠も何もありませんけど。例えば箸が置いてあるのにお二人は一度も触りませんでしたよね?箸が扱えるか試したんでしょう?」


ワタルは苦笑しながら言う。


「多分ですけど私にいろいろ試験の様なものをしてクリアするかどうかで探している人かどうかを見極めようとしていたんじゃないですか?それに商人をやっているともおしゃってたのでお二人は、ヒューマンの言葉も喋れるのでは?」


「……はい、そのとおりです」


「……試すようなことをしてごめんなさい」


ヒューマンの言葉でログは認め、スィロは謝罪した。


「ご気分を害されたなら謝罪いたします。先の質問にお答えするなら間違いなくあなたが私たちの探していた人だと思います」


「いえ、怒ってませんよ?ただどうしてそんなことをするのか不思議でして。説明していただけますか?」


「……はい。2年ほど前から私たちの里にある病が流行りました。私たちの種族の存亡の危機に関わる程の問題です。そこでこの病から逃れる為に予言が出来る長老に助かるにはどうすれば良いのか予言をしてもらいました。そこで長老はある特徴をあげ、そのヒューマンを探せと予言されました」


「まさか……」


「はい、あげられた特徴は{黒髪黒目で私たちの種族の言葉を喋ることができ、常識ともいえる知識を知らない青年}だそうです。あと長老が会ったらいくつか試せと言われておりまして箸を置いてあったのもその一環です」


……その特徴は明らかに俺じゃねえか!なんで異世界について早々にこんな面倒臭そうなことに巻き込まれるんだ。


ワタルはログの話を聞き内心頭を抱えていた。ログは正直に話していると思ったが、それでもどうしても聞きたいことがあった。


「……ログさん、初めて会った時からそのつもりだったんですか?種族を救ってくれそうだから私を招待したんですか?」


「いえ、それは誤解です!正直私はここまで条件に会う人が見つかるまで予言なんて信じてませんでした。あなたに初めて会ったときに言った”興味がわいたから”というのは嘘でも何でもありません。髪の色も家について初めて気づきました」


ワタルはログの目を覗き込みそれが真実だと直感した。


「分かりました。信じますよ、ログさん」


「ありがとうございます。ワタルさん」


そこまで言ってログは頭を下げ、


「何も言わずに試しておいてお願いするなんて厚かましいことは重々承知しておりますが、どうか私たちと一緒に里にきていただけませんか?救えなどと虫のいいことは言いません。しかし何か手がかりでも見つかるかもしれません。お願いします!」


ワタルは種族と家族を純粋に救いたいと誠意を込めて頭を下げてくるログを見捨てることはどうしても出来なかった。



「分かりました。夕食もご馳走になった恩もありますし朝になったらとりあえず里に行きましょう。私に出来ることがあれば協力します」



……ああ!言っちゃった!!

里に入ります、そこにいたのは!?

いよいよチートの試しに入ります。

もう少し縮めて連日投稿にしたほうがいいのでしょうか……。

申し訳ありません!夜中で、変なテンションだったのもありいくつか変な文になってるところがありましたので訂正します。11/30

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