第3話 チートを下さあああああい!!!
初連続投稿です。よろしくお願いします。
「まあまあ、落ち着きたまえ。」
ジョンは殺意を目に宿らせた渉を宥めようとする。
「ねぇ、君そういう態度はあまりとらないほうがいいんじゃないかしら?」
今まで黙っていた赤髪の20代くらいのモデル体系の美女が渉に話しかけた。
「?どういう…。」
「君がこういう展開の小説などを読んで、感じたこと何かなかったっけ?」
「えっとぉ………!!!。」
「何で知ってるかは、私も神だからとしか言えないわね。私はマリーということでよろしく。」
赤髪の神…マリーは苦笑しながら言った。
……俺は確かにこういう展開の小説を読んで感じたことがある。それは……主人公、神に強くですぎじゃね?ということだ。どんなにむかつく相手でも、相手側に非があったとしても、向こう側は自分と比べるまでも無いほど上の存在である。その神に強くですぎたら、チートはもらえないかもしれないじゃないかと。
無理ないことではあるが、この様に思っていたにもかかわらず、渉はつい我を忘れて主人公たちと同じく神に強気で話してしまっていた。
……やべぇ、こんな風に話していてチートもらえなかったら俺ほぼ間違いなく死ぬじゃん。
「あ…あのぉ、ジョンさん…?」
「なんだね?」
満面の笑みでジョンは聞き返すがその笑みが逆に渉の恐怖をさらに掻き立てる。
渉は決心し、ある行動を迷いなくとった。それは、日本伝統の奥義
DO☆GE☆ZAを。
「申し訳ありませんでしたああああああ!!私の様なゴミくずが天上の存在たるジョン様に吐いた暴言の数々、どうかお許しくださいいいいい!!異世界に行けるという貴重な体験をさせていただけるという幸運に感謝もせずに、恨みさえ持ってしまうなんて私はなんて愚かで・・・・・・省略・・・・・」
考えが読まれている以上無駄かもしれないが渉はそうせずにはいられなかった。
「・・・・・偉大な神であらせられるジョン様、この無能非才なゴミくずにどうか生き延びる為にチャンスをおおおおお!!どうか、どうか今までの無礼をお許し下さい。そしてどうかチートをくださああああああああああい!!!!!」
渉は、21年の短い人生の中で学んだあまり豊富とは言えない語彙をフル活用し、謝罪と許しを願った。そしてラストに、頭を床に擦り付けながら叫んでいた。
「HAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」
「っ…………。」
ジョンは爆笑し、マリーは絶句した。
周りの他の神たちは、
「潔いなぁ…!」「今まで送ってきた人間の中でまた新しい種類だねぇ。」「必死すぎwww」「嫌、仕方ないでしょ、それは…。」「ちょっと面白かった!。」「興味深い……。」「どうする…?」「別に今まで通り、どうだっていいんじゃない?」「もったいない気も…。」
と、ザワザワと輪になり相談し始めた。そして話の始まりに戻る。
「HAHAっゲホゴホ…ちょっと待っててくれるかい?」
咽ながらジョンが輪に入っていく。
「予想外の行動をとるわね、あなた。頭上げて座って待ってて頂戴。」
マリーはそう告げ、輪の方に行こうとして、
「あのぉ、今あなた方のやろうとしている会議?の様なものはいったい…。」
どうしても気になってしまっていた渉に呼び止められる。
「ああ、あなたにチートをあげることは既に決定してたのよ。そのほうが面白いしね。今話し合ってるのは、予定通りにあなたに自由に生活させようか、予想外に面白そうだから、何か使命でも帯びさせてみようか、とか話し合ってるのよ。さっきあなたが言ってた勇者みたいな、ね。」
渉は自分が余計なことをしたせいで、自由を奪われるかもしれないと悟った。
……やらなきゃ、よかった…。
渉の心の声をきいたマリーは苦笑しながら、
「あなたは多分自由なままよ。そんな気がするわ。」
落ち込み気味の渉を慰め、輪に入っていった。
渉はその言葉を信じ、会議が終わるのをのんびり待つことにした。
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チートの内容って決めるの難しいですね。
いろいろ思い浮かぶのですが、なかなか選べません。