第11着席 また君のとなりで
〇~:柱
◆~:柱(回想)
二文字開け:ト書き
「」:セリフ
N「」:ナレーション
M「」:モノローグ
*~:その他の指示
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〇諏訪梨宅・物置(同日・夜)
太陽、椅子を見下ろしながら呆然と立ち尽くしている
太陽M「……何を、あんなに思い上がって。二年生も同じクラスになれるって、勝手に思い込んでた……」
太陽、失望した様子で椅子に腰を下ろす
太陽、諏訪子と隣同士で座っていた光景を思い出す
太陽M「戸成さん……。もう、戸成さんのとなりに座ることは、出来ない……。これからは、俺じゃなくて……」
太陽、諏訪子と誰かが隣同士で座っている光景を想像する
苦しそうに頭を抱える太陽
太陽「嫌だ……、嫌だよ、そんなの……!あぁ、やっぱり俺、気持ち悪いな……」
太陽、かすれた声で―
太陽「……となりにいたいよ……、戸成さん……」
〇教室(数日後・午後)
太陽M「だけど、そんな願いは届くことなく、二年目の学生生活は無情にも幕を開けた」
太陽、頬杖を突きながら遠い目で窓の外の景色を眺めている
太陽M「これも運命……、抗えないってことなのかな……。ってか、また同じ席だし」
先生(担)「えー、今日から委員会活動も本格的にスタートする。各々、自分の当番をしっかり確認して、忘れずに行くようにー」
太陽M「あ、そうだ。今日の図書委員の当番、俺だった」
〇図書室(同日・午後)
太陽、図書室の扉を開けて中に入る
中に生徒はおらずとても静かである
太陽M「図書委員になったのに、大した理由はない」
太陽、諏訪子と図書室で勉強した時の光景を思い出しながら―
太陽M「戸成さんと一緒に過ごしたあの時がとても楽しくて印象に残ってたから、委員会決めの時に思わず手を上げちゃっただけだ」
太陽、受付の椅子に座る
太陽M「でも、今思えばやめればよかった。放課後に残らなきゃいけないのは面倒くさい」
太陽「早く帰りたいな……」
太陽の隣から椅子に座る音が聞こえる
諏訪子「遅れちゃってごめんなさい~!あ、あなたが当番一緒の人ですか?」
太陽「あ、はい。俺の名―」
太陽、隣を向く
諏訪子、太陽の方を向いている
諏訪子「えへへ~。自己紹介、いらなかったね」
太陽、諏訪子に見惚れた後、驚いて距離を取る
太陽「ととっ、戸成さん!?ど、どうしてここにっ!?」
諏訪子「実は、私も図書委員でした~」
太陽「去年は確か、保健委員だったよね……?」
諏訪子「うん。まぁ、私も二年生になったことだし、思い切ってイメチェンしようかなと思って!」
太陽M「イメチェン方法が前代未聞……」
諏訪子「あとはね、太陽くんと一緒に図書室でお勉強したのが楽しくて、気づいたら手上げちゃってたから、かな?」
太陽、諏訪子と図書室で勉強した時の光景を思い出す
太陽M「あ、戸成さんも、俺と同じ……」
太陽「で、でも、最初の図書委員の集まりの時、戸成さんいなかったよね?」
諏訪子「あ……。あの時は忘れちゃって~、既に下校してました。えへへ~」
太陽M「と、戸成さんっぽい……」
諏訪子「でも、これからはまた、となり同士だね!」
太陽、諏訪子に見惚れている
太陽M「きっとこれも、椅子が俺のお願いを叶えてくれたんだ。正直、踊り出したいほど嬉しい。でも、これからは違う。これは、椅子が俺に与えてくれたチャンスなんだ。なら、ここから始めよう。あの時みたいに―」
太陽、学年末試験で必死に勉強していた時にことを思い出す
太陽M「どんな運命にも抗うんだ。自分の力で、戸成さんのとなりにいるために」
太陽と諏訪子の背後
太陽と諏訪子、顔を見合わせて笑い合っている
これにて、中一・出会い編は終了になります!
次回からは、中二・進展編です!太陽と諏訪子の恋の行く末を、どうか見届けてください!




