町を出て旅するのは大変だったの2
次の日、エリナとタクヤは教会に向かう。
そして、無事に生き残れたことを神様に感謝しようとおもっていた。
町の教会に行くと、ここでも祝福の儀を行われていた。
「今日は、どのようなご用件で?」
神父は、二人の子供にやさしく話しかける。
「お祈りに来ました。」
タクヤは、答え二人で教会に入る。
「エリナも一緒に祈ろう。悲しいけどきっと神様が見守ってくれる。
そうだ、ついでに早いけど、祝福の儀式も参加しちゃおっか?」
タクヤは、自分が10歳になったことを思い出し、祝福のスキルを得ようと、そして、エリナにも一緒に受けるように勧める。
「エリナは、賢者になりたい。戦闘でも役に立つし生活にも使える。何より回復も使える。
お父さんもお母さんももっと早く回復できていれば助かったかもしれない。優秀な賢者になってみんなを救いたい。」
エリナは、この間の思いなどもあり、賢者というレアなスキルをゲットしたい旨を明かす。
「そうだな。エリナだったら賢者になれるよ。
もっと勉強して、いろんな魔法を身に着けていかないとな。」
兄は、エリナの夢を応援した。
エリナは、うなづき、神に祈る。
「エリナ、神様にお願いするときは「神様どうか有能なスキルを私にください。お願いします」って祈るんだぞ。わかったか?」
「うん。お兄ちゃん。」
そんなやり取りをしながら、教会の奥に進む。
教壇近くで二人は、中腰になり。神様に報告する。
「両親は、亡くなってしまいましたが、無事にこの町に着くことができました。
この旅ではいろいろ学ぶこともありました。両親の分まで妹を守って生きていきます。どうか見守りください。」
タクヤは、神様につぶやき、そして、こっそり神様にお願いをする。
タクヤ「心の中、妹を守るために強いスキルを与えてください。「神様どうか有能なスキルを私にください。お願いします」」
タクヤ「心の中「神様どうか有能なスキルを私にください。お願いします」」×4
すると、頭の中に怪しい声が響いた。
「神からの祝福スキル:水魔法 棒術 剣術 偽装 毒耐性を与えられました。10歳おめでとう♪」
タクヤ「心の中「サンキュウ!神様」」
「神様、とてもとても悲しいことがありました。悲しんでばかりでは、お兄ちゃんに迷惑をかけてしまいます。
お兄ちゃんと一緒に強く生きます。神様どうか守ってください。」
エリナは、神様にお祈りする。
そして、兄に言われた通り神様にお願いする。
エリナ「心の中「神様どうか賢者のスキルを私にください。お願いします」」
二人は、祈りを捧げ生きていることに感謝し、教会を後にするのだった。
午後は、ルギアスと一緒に冒険者ギルドに向かう。
4日目のことを報告し、盗賊の懸賞金を受け取る。
「ルギアスさん。本当にありがとう
仲間も残念でしたが、勇敢に戦って貰えて生き残ることができました。」
タクヤは、深々と頭を下げ感謝する。
「両親を失い、これから大変かもしれない。私は、この町にはしばらくいる。
困った事があれば、協力しよう。それと、念のため、ギルド登録をしておくといい。
両親は、亡くなってしまったため、冒険者ギルドが使えなくなってしまう。自分の名前で登録しておくといいだろう。」
ルギアスは、助言をしてくれた。
「私も、一人でこれからどうしていこうかな」
ルギアスはつぶやく。
本当に信頼を置ける仲間だったとタクヤは思った。
ルギアスに護衛代も色を付け支払い解散となった。
ギルド内にいるので、助言にしたがい早速、ギルド登録を行う。
タクヤはギルド職員に話しかける。
「あの?登録いいですか?」
「10歳以上ではないと、ギルド登録できませんが大丈夫でしょうか?」
ギルド職員は答える。
「はい。今日で10歳になりました。」
「では、祝福スキルは何でしょうか?」
「祝福スキル??」
「はい。10歳になって教会で祝福を受けたはずです。そのスキルを教えてください。」
「え?どうしたらわかりますか?」
「あれ?教会で聞きませんでしたか?ステータスボードと唱えればわかりますよ。」
「なるほど。ステータスボード」
すると、空中にステータスボードが現れる。
【タクヤ ♂ 職業:無職】
【祝福スキル:錬金術Lv1 鑑定Lv2 炎魔法Lv1 剣術Lv2 隠密Lv1 身体強化Lv1 テイムLv1 鉄壁Lv1 魔力操作Lv1
水魔法Lv1 棒術Lv1 偽装Lv1 毒耐性Lv1】
「あまり、人前で開かないほうが良いですよ。自分の身を守るためにも。でも、錬金術ですね。それで登録いたします。
戦闘には、向いていませんが、生きていく分には問題ないでしょう。
先ほどの話ですと商人のようですし、錬金術でポーションなど作成して生計を立てるのでもよろしいかと思います。
作成した物を売りたい場合も、こちらをご利用いただければ幸いです。」
「え?錬金術?鑑定とか炎魔法とかは?いいの?」
「何を言っているのですか?祝福スキルは、一つだけです。一つしか表示されていませんよ?」
「そんなもんなんですね。」
話が食い違っているが、錬金術を覚えているのは確かのようだった。先日の戦闘でも剣術と身体強化は聞き覚えがある。
タクヤは、よくわからなかったが、それでいいと思った。
どうやら、ステータスボードに表示されている最初のだけが他人に見えて、他は自分しか見えないのだろうと思った。
ギルド職員は、ギルド登録証の発行手続きを問題なく行う。
「こちらが、ギルド登録証になります。無くさないようにおねがいします。」
ギルドはランク制F~Aまである。異世界ものによくある説明をされる。
当然タクヤは、Fランクの登録証を受け取り、宿に帰った。
その日は、エリナと二人で両親をいたみ二人で泣いていた。