表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/322

第44話 厳選

 自室に戻った晴也は、ライやハイネスから返事が来るまでの間、読むのを止めていた世界大会の詳細に目を通していた。


 大体はマイさんの言っていた通りだったのだが、過去最大規模と言うだけあり、かなりの日数をかけて行われるらしい。


(予選込みで1年近くかかるのか……。普通の大会でも1週間で終わるんですけど……)


 やけに日数がかかるのは、その勝敗を決める方法に原因がある。

 それは、普通なら準決勝と決勝しか2本先取のルールは適応されないけれど、今回は全試合2本先取なのだとか。

 それも、従来通り引き分けは1戦とカウントしないと書いてある。


 予選と本選の準決勝と決勝に至っては、3本先取となっている。

 こちらは当然ネットなどで中継がされるとも書いてあり、参加の際には同意書にサインをしなければならないのも同じだ。


 しかし、晴也が1番気になったのは、この大会限定のマップや試練、強制試練がある。という部分だ。

 つまり、大会中に完全所見のマップや試練に当たる事もある。という事だ。


 これは、指揮官となるプレイヤーの応用力と対応力がかなり試される。つまり、今回の大会は運だけで勝ち上がり、準決勝等で無様に完敗してくれるようなチームは勝ち残れないという事か。


(マイさんの言っていた通り、運営はプレイヤースキルの高い人を優勝させたがっている……)


 もしライやハイネスさんから好意的な返信が来た場合に限るけれど、出来る限り世界中の大会映像を集め、予習する必要があるかもしれない。

 動画の編集は、悪いけどトウモコロシさん辺りに丸投げして、僕は勉強に集中しないとだめかもしれない。


 海外のプレイヤーと戦ったことのある人から話を聞く。これももちろん大事だけど、そればかりをしていても仕方ない。

 実際には話より弱いかもしれないし、その逆もある。情報収集で1番大事なのは、しっかりと自分の目で確認する事なのだ。


 そう考えていた時、ハイネスさんとライ。それぞれから返信が来た。

 内容は、どちらも好意的な物で、是非そうなった場合はチームに入れてください。との事だった。

 すぐにこの事をマイさんへと報告し、自分もこの案に賛成する旨を伝える。


(卑怯かもしれないけど……仕方ないか)


 自分より力のあるプレイヤーから好意的な返事が来た。その事で心変わりするなんて卑怯だ。そう言われてしまえばその通りだと返すしかなくなるのだが、それでも、あの2人が味方になってくれるのならなんとかなる。そう思った。


 マイさんからもすぐに返信が来る。


〖では、他のメンバーの厳選はお任せします。誘う前に、誰を誘う予定なのか教えていただければ嬉しいです!〗

〖了解しました〗


 メンバーの厳選を始める前に、トウモコロシさんに編集の件を任せ、ついでに自分で撮った解説動画の編集も任せる。

 もちろん費用は払うと言ったのだが、そんなものはいらないと断られてしまった。

 この間のグッズの件で色々したお返しに。との事だ。別に僕は気にしていないけども……。


 少しだけ気を休めた後、晴也はパソコンとにらめっこを開始し、1時間も経った頃には大体のリストアップは完了していた。

 耳にはイヤホンをつけており、そこから流れてくる音楽と自分の好きなようにチームメンバーを選べる幸福感で、普通より数段作業が早く終わったのだ。


 しかも、今回はかなり調整期間がある。

 結果は出しているけど固定のチームでずっとプレイしている。そんな人がかなりいたけれど、説得の時間も充分に取れるのがかなりありがたい。

 そして、自分のチームにはライと最近話題のマイさんがいる。この点は、説得の面でもかなり強い武器となる。


 一応ライとハイネスさんにも話を通し、メンバーを選出したので意見があれば……。というメッセージと、厳選したプレイヤーの簡単な実力を示したグラフ、大会での戦績、公開されているランクマッチでの勝率などを纏めたものを送る。


〖たった1時間でこんなに調べたんですか……?〗

〖ちょっと楽しくなっちゃって……。誘いたい人がいた場合などは言ってくださると……〗

〖そういうことじゃないんですけども......〗


 4人を纏めたチャット欄で、ライが呆れたようなメッセージを送ってくる。

 他の2人の反応も同じ感じで、簡単ではあるけれど、その人の実力を示したグラフなどにはかなり驚かれた。

 いや、僕を含め全24名分のデータを1時間で纏めたと言われたら呆れるしかないかもだけどさ……。


〖あれ? ミナモンさんも入れるんですか?〗

〖彼、目立ってはいませんけど、かなり優秀なプレイヤーなんですよ。それに、今回は鬼側に優秀すぎる指揮官が居ますので、コントロールが効くかなと〗

〖なるほど……〗

〖ライさんやハイネスさんも、このメンバーで異論はありませんか? 何か意見があれば遠慮なくどうぞ〗


 2人からも特に意見は無いそうなので、このグループに入っている4人以外の20人に、一斉に世界大会へ一緒に出ないかとメッセージを送る。


 自分のSNSでは、まだこの事は発表しない。誘った個人にも、公表はしないでほしいとお願いする。

 理由は、遅くなったとしても正確な情報を発信するためだ。

 仮に全員が承諾しなかったとしたら、こっちで厳選してメンバーを決める。そんな事を発信していたら余計に反感を買うからだ。

 良くて謝罪。悪くて大炎上だ。そこら辺は気をつけねば……。


 晴也が厳選する上で重視したのが、大会での結果では無く、ランクマッチでの勝率だ。

 今回集めようとしているメンバーは、最低でも7割を超えている。


 晴也がこの点を重視したのにはもちろん理由がある。

 大会の結果はその人個人の強さの証明にはならず、その人が所属していたチームの強さの証明なのだ。


 分かりやすく言うならば、ランクマッチとは違い、仲間と連携が取りやすい大会では、その人個人の強さはあまり関係なく、チーム全体の強さで勝敗が決まる。

 つまり、大会でいくら結果を出していようとも、その人個人が強いとは限らないのだ。


 その点、ランクマッチでは個人の実力がかなりはっきりと反映される。

 それは、大会と違い連携がとりにくく、子供の場合は特に個人の実力が勝率というものに目に見えて反映される。

 大会では鬼の情報を共有できるが、ランクマッチではそうはいかない。

 そのため、1度鬼を目視しなければ正体が分からないのだ。


 これは鬼も同様で、基本仲間と連携する事は無いので、自分が何人捕まえられるかで勝率が大きく変わってくる。

 つまり、本当に強いプレイヤーを見つけたいのなら、大会情報ではなく、ランクマッチの情報に目を通すべきなのだ。


(ミナモンさんが勝率8割強あるのは、流石に予想外だったけども……)


 あの、指揮官のいう事を全く聞かなかった問題児は、ランクマッチでの勝率が87%だったのだ。才能マンっていうのは凄いよね。


 そして、ハイネスさんのように、大会モードでこそ本来の力を発揮するタイプ。こういう人は今回選出していない。

 その理由は簡単で、そういう人は軒並み指揮官に向いていて、プレイヤースキルの方面ではなく、頭脳でチームに貢献することが多い。

 今回、鬼側の頭脳はハイネスさんが。

 子供の頭脳は自分がするので、そういう人はこれ以上必要ないのだ。


 指揮官が捕まってしまった場合は指示を出す人がいなくなるので、予備の指揮官を用意しておくのも一種の作戦ではあるのだが、それなら個々で動ける人を集めた方が合理的。そういう判断の元だ。僕は滅多に捕まらないしね。


〖じゃあ、各々から返事が来たら連絡します。決まった時はお願いしますね〗

『こちらこそよろしくお願いします』


 こうして、この日の最初の打ち合わせは終わりを告げた。


 その1ヶ月後、色々あったが、無事に晴也が誘ったメンバー全員が承諾した。

 そして、最初の顔合わせが行われる事になった。

投稿主は皆様からの評価や感想、ブクマなどを貰えると非常に喜びます。ので、お情けでも良いのでしてやってください<(_ _*)>

やる気が、出ます( *´ `*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ