第185話 最終ミーティング
書き溜めしすぎて投稿する順番間違えてた事に今更気付いたので慌てて更新してます(><)
メンバー紹介と投稿する順番を間違えてるだけなので本編に影響はありませんm(_ _)m
日本予選の情報が公開されて数時間後、ハイネスさんが少しだけ寂しそうに帰っていった後も、僕は部屋にこもって情報の精査と必要なところの補足(予想など)を書き足して、ついでに初戦の相手をネットで調べてその情報もまとめていた。
夕飯は……お昼に結構食べたのでお腹がすいてないと断ったけれど、一応おまるさんが来ているので食事が終わるまで猫部屋で遊んで、その後はリビングで休憩がてら手毬を愛でていた。
4時間の作業の内、休憩を取っていたのはその30分程度の間だけで、後はずっとパソコンとにらめっこしていた。
そして、その全てが終わってチームメンバー全員にデータファイルを送信して、やっと一息ついた。
「久々に疲れる事したなぁ……。結局、公式のSNSから長期休みの間も土日しかやらないってアナウンスされたし……。長くなりそうだなぁ」
椅子に腰かけてそんな独り言を呟いたその瞬間、ミミミさんからいきなり『集まってほしい』との連絡が入った。
理由だけど、日本予選前に全員と共有しておきたい事があるとの事だけど……なんか、また色々言われそうで怖い。
「別にネクラさんのファイルに関して色々言うつもりはありません。いつも通り非常に見やすく、要点がまとめられていて大変参考になりました。一応ザックリ目を通しましたが、それだけでも十分公式のアナウンスより詳しく纏められているという事は分かりましたので」
「は、はぁ……」
夜10時過ぎ、会議が始まって早々僕が不安げにしていたので、ミミミさんは最初にそう言ってその事と今回の招集は関係ないと言ってくれた。
別にいいんだけど、今日はいつにも増して危機感というか、焦っているように見えるのはなんでだろうか。
まぁ、ミミミさんは芸能関係のマネージャー業をしているとの事なので、年末で色々忙しいのかもしれないけどさ……。
「いえ、仕事は今日終わらせてきました。うちの部下はどうかしりませんが、私は年内に終わらせるべき案件は全て終わらせています」
「……じ、自分もちゃんと終わらせてるっす……」
「はい、よろしい。では本題ですが……カヲルの事です」
キリスさんが疲れ果てた表情を浮かべながらはぁとため息を吐くが、ミミミさんはそんなことは当然だと言わんばかりに真剣なまなざしを向けてくる。
カヲル……カヲルですか……。
正直、ハイネスさんと出かけた時にその話題を出されたので覚悟はしていた。
ただ、ポイントの連携をしているわけでも無いし、それ用のSNSアカウントを作っているわけでも無いのでそこまで話題にならない……というか、警戒されないだろうと思っていたので実験したわけだけど……。
(考えが甘かったな……。まさか、あんなに突っ込まれると思ってなかった……)
僕のSNSアカウントにも、ミミミさんと同じような心配の声が数多く届いていたのだ。
何もかも不明のカヲルに対し、どんなアプローチや作戦を立てて臨むのか。それを期待している声が思いのほか多かったのだ。
「一応確認ですが、この中にカヲルの事を知らない人はいますか?」
『……』
「いないようですね。流石にそうでしょうが……ネクラさん。例のプレイヤーに関してどのようにお考えなのか、それを聞いておきたくて今回皆さんを集めさせていただきました」
「……」
そう言われても、どう言えば良いのか分からないんだって!
正直に「いや~、あれ僕なんですよね」とか言ってみ? また白い目向けられるよ絶対!
で、なんであんなことしたんですか?って質問が来るじゃん?
その時に「いや、前から気になってたことがあって、AI相手以外で実験したかったので、人間相手にどの程度通じるのか知りたくて……」とか馬鹿正直に答えるじゃん? みんな、変な奴を見る目で僕のこと見てくるんだよ……。
さらにさらに、あの時どんな方法を使ってそんなことしてたのか聞かれるじゃん?
で「空飛びたいなぁ~って思ってて、これどのくらい低空飛行出来るかなって遊んでたらなんか地面スレスレで飛べたから、応用できそうだなって思って遊んでた」とか言ったとするじゃん? もう呆れられるの通り越してキモイって目で見られるよ?
「どうかされましたか?」
「……あ、いえ。カヲルですか……そうですね……」
一呼吸のうちに、何かいい言い訳を考えなければいけない。そう言い聞かせ、頭をフル回転させる。
だけど、僕の頭脳が最適な答えを出す前にハイネスさんが口を開いた。
「あぁ、あれ、ネクラさんですよ?」
「……!?」
「え!? ちょっ!?」
「2人で出かけた時、私も気になって聞いてみたんです。その時、全然興味なさそうだったのでそうかなぁって。ですよね?」
さも当然のようにそういうハイネスさんの瞳からは「変な言い訳するくらいなら正直に話してその手法を公開しなさい」という圧を感じる。
うん、正直に言う。すっごく怖い。
「……ほんと、ですか?」
「……はい。その節は……お騒がせしました……」
「……はぁ。薄々そうじゃないかとは思ってたんですよ。あんなに強いプレイヤーが急にひょこっと出てくるとか、絶対おかしいって!」
ため息をつきながらそういうミミミさんの、なんと恐ろしい事か。
キリヤさんじゃないけど、普段からこの人に怒られている部下の人の気持ちが、今だけは凄く分かる。
この人、滅茶苦茶怖いのに顔がほんとの意味で怒ってないというか、目の奥が笑ってる気がするから余計に怖いのだ。
チームメンバーのほとんどがいつもの事だなぁと苦笑しているけれど、SNSで被害を受けたと報告していたジョーカーさんやライ、サカキさんは乾いた笑いを漏らしていた。
うん、ほんと……調子乗ってたというか、知り合いいるなぁくらいの気持ちでテンション上がってただけなんです。ごめんなさい……。
「まぁこの際、脅威が減ったって事で良しとします。正直言うと、今までの経験から何をされたか分からないまま捕まったのは初めてだったので、改めて自分の未熟さを知るいい機会にもなりましたし……」
「は、はぁ……。そう言ってもらえるとうれし――」
「で、どうやったんですか?」
「……」
にっこにこでそう聞いて来たのは、もちろん鬼陣営の指揮官をしているハイネスさんだ。
その後、僕は同じことをミミミさん他数人に言われたのでその経緯から方法まですべてを白状した。
まぁ、予想通りめっちゃ白い目で見られましたけど……!
「それにしても、やろうと思った理由がらしすぎます。なんですか、飛翔で遊びたいと思ったって」
「……空飛べたら良いなぁとか、思いません? 効果時間内だけでも、夢あるじゃないですか……」
「はぁ……。いや、可愛いから良いんですけど……」
いつもの席で小さく丸まって気まずそうにしている僕に、ハイネスさんがそう言ってくれたことでその場は何とか収まった。
うんあの……うまい事落としどころというか、話纏めてくれてありがとうございます……。
「じゃあ皆さん、明日からの予選、気を引き締めていきましょう。いつも通り、ネクラさんだけには頼らず、どうしても自分じゃ厳しくなった時に頼る最終兵器のような感じにしてください。ただ、くれぐれも無理はしないように。それで負けたら本末転倒なので」
『はい!』
なんだろう、人を兵器扱いするのやめてもらって良いですかね……。
いや、その自覚はあるので別にいいんだけどさ……。なんか、素直に喜べない……。
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やる気が、出ます( *´ `*)
今度こそ次回から日本予選が始まります。




