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第183話 トーナメント

2月に入ったら投稿ペースあげる予定ですm(_ _)m

 おまるさんが家に来て2日目、昨日の夜は徹夜で仕事をしていたらしく、春香の夕飯を美味しそうに平らげた後は手作りのデザートまで要求して糖分を補給しつつ執筆していたらしい。

 当の本人は使用人のように使われたことを怒って……いなかった。


「そりゃ……作る物全部美味しそうに食べてくれたら嫌なわけないじゃん……。いいお嫁さんになるねぇって泣きながら褒められたんだけど」

「……そう」


 春香が良いお嫁さん? はっは、冗談はその、テンションが上がった時に出てくるアニメのセリフだけにしてほしいね。


 少なくとも、僕はその暴力的な一面が治らない限り春香が良いお嫁さんになるとは想像できないね。

 最近はちょっと大人しいから勘違いしそうになるけど、春香の本性は僕と2人の時に見せるあの悪鬼のような恐ろしい面だ。


「ねぇ、なんか失礼なこと考えてない?」

「……そんなことないよ。そうだと思うなぁって思ってた」

「……あっそ」


 おまるさんに言われたら嬉しいのに僕に言われたらまったく嬉しくなさそうなのはなんでだろうか。むしろちょっと不満げというか、何こいつみたいな視線向けられたんですけど……。


 そういえば、明日から日本予選が始まるのだ。

 今日はそのトーナメントと、日本予選に関しての詳しい情報が発表される日でもある。

 おまるさんが帰るのは明日の試合が全て終わってからになるので、明日の夕方くらい……というか、多分夜までいると思う。


「情報出るの、何時でしたっけ~?」

「公式のアナウンスは13時って事でしたね。ミミミさんとジョーカーさんがお仕事で来れないとの事なので、ギルドで集まっての情報交換とかは予定してないですよ?」

「あ~いえいえそうじゃなくて……。ハイネスさんとマイさんも、ここに来たことあるんですよね? なら、来るんじゃないですか?」

「……あ~」


 そう言われて初めて、確かにその可能性はあるなと認識した。


 というよりも、マイさんはともかくハイネスさんはほぼ確実に来るのではないだろうか。

 いや、一応付き合うって事になったので昨日からおまるさんが執筆の為に家にいることは話してるので、もし家に来たとしてもどういう事だみたいな修羅場になることは無いんだけど……。


 というか、ハイネスさんは前に僕がポロっと漏らしちゃったのでまだしも、マイさんがここに来たことがあるって情報は誰にも言ってないはずだ。

 いや、春香が言ってたなら分からないけど……


「だって、グッズ作ってるのマイさんですよね? オンラインじゃそれらの打ち合わせできない部分もあるでしょうし、紅葉狩りの時、ライちゃんとマイちゃん親しそうにしてたので」

「推理……ですか」

「まぁ、推理って言えるほどの物じゃないですけどね。ちょっと考える頭があれば分かりますよ」


 そう言いつつも若干ドヤ顔でそう言ったおまるさんは、どうせならこっちから呼んじゃいましょうと言い出し、SNSで2人に連絡を取った。

 すぐにハイネスさんから僕の個人的な連絡先へ確認のメッセージが飛んできた。


(遠慮しようと思ってたんですけど、大丈夫なんですか?)


 なんで遠慮なんて言葉が出てくるのかいまいち分からないけど、別に遠慮することは無い気がする。

 おまるさんが来てるのはあくまで取材というか、新作を書くためのモチベが無いのでモチベアップに協力してほしいとの事だったし。


 そう説明すると、ハイネスさんからは今すぐ用意するとの連絡があり、マイさんは残念ながらグッズの方が忙しいのでいけないとの事だった。

 情報それ自体は仕事というか、グッズの方がひと段落した段階で目を通すらしい。


「ですか~。じゃあ、お昼はライちゃんのお料理でパーティーみたいにしよ!」

「……良いの?」

「……まぁ、おまるさんが来るってなってから食材は買い溜めしたからそれくらいならできるけど……」

「おお~! じゃあやろ~!」


 1人ではしゃぐおまるさんはまるで子供みたいだけど、春香も別にまんざらでもなさそうなので止めるのはやめて、僕は手毬を猫部屋へと戻す。


 リビングに出してあげてたいけど、テーブルの上に乗るのなんてお手の物だし、挙句の果てにはご飯を食べようとするので食事の時は残念だけどいつも猫部屋に戻ってもらっているのだ。


「お邪魔します~」


 30分ほどして、ハイネスさんが到着した。

 この前一緒に出掛けた時よりはだいぶラフな格好で、変に着飾ってないのは気合が入ってると思われないためだろうか。

 まぁ、気付かれると色々面倒な事になりそうだって言うのは分かるけども……。


「いらっしゃいハイネス。お昼まだなら一緒に食べる? 簡単な物しか作ってないけど」


 満面の笑みでエプロン姿のままキッチンから顔を出した春香は、おまるさんのリクエストで作った特大のオムレツにケチャップをかけながらそう言った。


 なんか、こう外面だけ見てるとほんとにいいお嫁さんになりそうって言うおまるさんの言葉がほんとの事に聞こえるから不思議だ。


「凄いねぇ……。これ、全部ライが作ったの?」

「うん。ほとんどおまるさんが食べたいって言ってたものだけど」


 なんで昼からオムレツと唐揚げとイカゲソ、刺身、カキフライが食卓にズラッと並んでるのか割と意味が分からないけど、それをこの短時間で1人で用意する春香も大概おかしいと思う。

 それに、いつ用意したのか炊き込みご飯まで用意しているらしく、リビングに食欲をそそるいい匂いが充満する。


「……」

「なにお兄ちゃん。まだなにか欲しいの?」

「いや、凄いなぁって思って……」

「まぁ、これくらいは……」


 頬をポリポリ掻きながらハイネスさんの元へ歩いて行った春香は、エプロン姿が可愛いと言われてちょっと嬉しそうだった。


 なんか、僕と2人でいる時とのギャップがおかしいと思うんだ? ずっとこんな感じでいてくれれば、僕ももっと生きやすいんだけど……。


「あ、トーナメントは時間より早く公開されてるみたいですよ。日本予選の詳細が13時からみたいですね」


 ハイネスさんはそう言うと、僕に自分のスマホの画面を見せてきた。

 右上には12時49分と表示され、真ん中には日本予選のトーナメントが大きく表示されている。

 パッと見ただけでもその大きさは異常で、グランドスラムの2倍はあるのではないかと思えるほどだ。


「これ……何回勝てば優勝なの……?」

「まぁ……10回くらい、ですかね……。下手するともっと必要かもですけど……」

「気が重いですね……」


 初戦の僕らの相手は聞いたことも見た事も無いチーム名なのでプロ相手だとか、強豪相手では無い事は確かだ。


 事前の大会で目立った成績が無いので、僕らのチームはもしかしたら日本予選で敗退するのではないかみたいな予想もチラホラ出ているらしく、まぁ油断してくれるなら良いくらいの気持ちでいる。


 ただ、今日からしばらく僕が寝ることは無いし、日本予選では絶対に負けられないので海外のチームと交流戦をした時のようなデータを全チーム相手にまとめて、試合前にメンバー全員に共有するつもりだ。

 そうすれば、勝てる可能性を最大限高められるし、比較的楽にゲームを進める助けにもなるだろう。


「ネクラ杯優勝チームの2つは……結構遠いですね。ぱっと見だと、5回戦で当たるかどうか位ですか……? プロチームは……2回戦と4回戦、8回戦……って感じですかね?」

「まぁ、そこら辺はおいおい纏めます。強豪相手だったり、プロだったりは何回戦で当たります的なのは、簡易的にでも作っておいて損はないです」

「何から何までお任せしちゃって……」

「いえいえ、好きでやってることなので大丈夫ですよ。皆さんも、あったほうが助かると思うので」


 苦笑しながらそう言うと、おまるさんもハイネスさんも、そして春香も若干引きながら同意してくれた。

 うん、そんなにあからさまに引かれると僕としてもなんだかやるせない気持ちになるのでやめてほしいなぁ……。


「僕の興味は新マップと新試練なんですよね。どんなのが出るのか、詳細だけでも公開してくれてるとありがたいんですけど……」

「ですね。にしても、ちょっと不親切じゃないですか? 何でもっとタイミングあったのに、わざわざ予選前日に情報公開するんでしょうね?」

「さぁ……。対応力とか、そういうのも求めてますよって言いたいんじゃないですかね……?」


 そう言葉を交わしたのと、公式のSNSが更新されたのはほぼ同時だった。

 いよいよ、日本予選に関する情報が公開されたのだ。

投稿主は皆様からの評価や感想、ブクマなどを貰えると非常に喜びます。ので、お情けでも良いのでしてやってください<(_ _*)>

やる気が、出ます( *´ `*)

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