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第178話 軍師の恋物語 閉幕

話の中で謎解きが出てきますので、後書きの方に軽くですが解説を載せています。

話の中で説明はしていますが、分かりにくかったり興味がある方は是非目を通してみてくださいm(_ _)m


更新したと思ったら出来てませんで、こんな時間になってしまいました...。申し訳ないです。

 映画が終わった後、私は探偵に謎解き勝負で負けた悔しさと、上映中ずっとネクラさんの手を握っていられたことの満足感と抑えられない高揚感でいっぱいになっていた。

 というよりも、探偵が今回立ち向かった謎については、答え合わせがされた今でもよく分かっていないくらい複雑だったので仕方ないかもしれないけど……。


「ネクラさんは分かりました? 私、説明がサクッとしすぎてて終始訳がわかんなかったんですけど……」


 まぁネクラさんが分からないはずはないだろうと半分期待の眼差しで見つめると、ネクラさんは苦笑しつつも「まぁ……大体は」と言ってくれた。


 本来の予定ならこの後は駅前で解散することになっていたけど、もう少しだけ一緒にいられる口実が出来たと私は内心で小躍りする。


 その説明を受けたくて近くのカフェに駆け込むと、適当にお茶と甘いものを頼む。

 やっぱりネクラさん目当てなのか女のお客さんが多いけれど、そんなことは今はどうでも良い。私は、もう手を繋ぐところまで行けたんだから些細な事くらいじゃ気にしない。


「えっと~、ちょっと紙使って説明しますね?」


 そう言うと、ネクラさんはなんでそんなものを持ってるのかと言いたくなるこちらの気持ちを無視してお財布からミニ手帳を取り出すと、映画の中で出てきた謎をそのまま書き写した。


 いや、私もそうだけど、なんで結構長い暗号だったのにそっくりそのまま覚えてるのか。この人がおかしいって言うのは分かってるけど、それを改めて感じる。


「ダイイングメッセージとして残されてたのが、この『L ORYH BRX』だったじゃないですか。で、これを謎のままにしておく理由ですけど、犯人の名前をそのまま書くんじゃ消されるって探偵の人が言ってたので、それはまぁ良いとして……」

「はい……」

「これがなんで『I LOVE YOU』になって、犯人が被害者の恋人ってなるか……なんですが。例えば、これが何になるか分かりますか?」


 そう言うと、ネクラさんはメモ帳の隅に『QDCR』と書いて、私に差し出してきた。

習字でもしてたの?ってくらい字が綺麗なのはまぁ良いとして……私にはサッパリ分からない。

 いや、解き方は多分劇中の物と同じなんだろうけど、探偵に説明してもらってもよく分からなかったのでネクラさんに聞いているわけで……。


「これって、アルファベット順に直した時に3つ戻してるだけなんですよ。Qは、3つ戻すとP、O、NでNになるので、最初はN。その後は同じ要領で直していく。そうすると、これはNAZOって文字列になるんです。Aの次は一番最後のZに戻る……って感じで」

「アルファベットを戻す……。あぁ、だから『I LOVE YOU』になるんですか……。紙に起こしてようやく分かりました」


 ネクラさんからペンを借りて全て3つずつ戻していくと、ほんとにその文字列になった事に驚愕する。けれど、ネクラさんはこれ見た瞬間に分かりそうでちょっと怖い。

 で、その時のネクラさんの考え方は普通の人と絶対違うんだよ。


(節々に不自然な空白があるから、英文になるよね。それで、この文字数で犯人を示す直接的でなく間接的な単語。それでいて劇中に登場した人物に当てはめると……みたいな変な考え方しそう)


 というより、十中八九そんな考え方をするだろう。

 ライも、時々「お兄ちゃんの考え方がサイコパス感あって怖い」って愚痴ってるし。


 まぁ試練での謎解きも推理小説や映画での謎解きも、結局創作物の範囲だからメタ的な部分から考察するのは正しい事とも言えるけど……。


「あはは……。でも、分かるとそんなに難しくないですよ? あらかじめ文にしたい文字を考えて、それをアルファベットに直して3つ戻すだけで出来るので」

「それはそうかもですけど……いざハイって見せられたら普通分かりませんよ……」

「ま、まぁ……その、間に空白あるし文字数とその間隔が空いててある程度分かりやすい物って言ったら結構限られるじゃないですか。それに、ちょうどその直前に恋人が出てきましたし……」


 いや、ほんとに私が考えてた通りの事言ってて笑えるんですけど。

 なんでそんな変な角度から物事を考えて、さらにはそれがほとんど合っているのか。

 まぁ、そんなだから未だに世界でただ一人ランクマッチで負けてないんだろうし、ほとんど経験が無いはずの鬼側でもとんでもない成績を収めてるんだろうけど……。


「でも、結構面白かったですね! 密室の要素もあって、恋愛の要素もちょっと入ってて……動機に関してはなんだそれって感じでしたけど!」

「ですね~。他の女に行かれたんだったら別れればいいのに、なんでわざわざ殺すのか理解不能ですね。バレたら捕まるし、そもそも手間かかって面倒じゃないですか」

「同感ですね。そんな人の為に自分の人生棒に振るなんてもったいないですよね。まぁ、それだけ相手の事が好きで許せなかったんでしょうけど……」


 正直、好きだったら浮気を許せるのではないかとかそんなことを言うのかと思っていたので、この答えは私としては意外だった。

 好きだったら1回や2回の浮気くらいはなんだかんだ言っても許しちゃうんじゃないかって不安があったから。まぁ、私が仮に相手になったら……そんなことしないけどさ?


「ん~、許すというか……浮気されるのって、浮気される側にも責任があると思うんですよ僕。あ、あくまで僕の話ですよ? 僕が誰かと付き合ったとして、その人が浮気しても僕のせいだよね……ってなるって話で」

「そう、なんですか?」

「まぁ……。僕に魅力があったら他の人のところにはいかないだろうし、寂しくさせてたのも僕の責任ですからね。ただでさえゲームで忙しいので、そういう事は多いだろうなって」

「……」


 周りに聞き耳を立てているだろう人が多いせいで自分の本心を打ち明けられないのがこんなに辛いのかと、今改めて思い知らされる。

 ここで堂々と「私はそんなこと思わないし、浮気なんて絶対にしない」と言えたらどんなに良いか。


 でも、そんなことをしたらネクラさんにも迷惑がかかるし、たちまちネットが私とネクラさんの事で大盛り上がりになるし、最悪炎上しちゃうので発言には気を付けなければいけない。

 多分、このありえないほど低いネクラさんの自己評価と恋愛観については、ここにいる人達がネットで拡散するだろうけど……。


「……だからその、僕自身が結構淡泊なのもあるし恋愛経験が皆無なので相手には苦労かけるかもしれないし、人並み以上に寂しい思いさせちゃうかもしれないっていう不安はありますよね」

「あ~……。別に、気にしない人は気にしないと思いますよ? それに、ネクラさんに告白する人って、ネクラさんが多忙でデートの時間なんてそんなに取れないだろうなって事も分かって告白すると思います。それくらい、ネクラさんの事が好きだから……」


 と、周りの目を気にしながら言ってみる。

 これなら、ネクラさん本人には私の気持ちが伝わるだろうけど、傍から聞けば私が一般論を言っているようにしか感じられないだろう。

 少なくとも、私の一個人の意見として受け止められるだけで、その先の「私が告白している」という事実まで辿り着ける人はいないはずだ。


「あはは……。そう、なんですかね……。僕なんて……みたいに言うのが、その人に対して失礼に当たるのは分かるんですけどね……。でもやっぱり、分からないって言うのが本音ですね」

「そうですか~? まぁ……そこは深く言いませんけど……」


 あんまり暗い雰囲気にするのは嫌なので、久しぶりに会話デッキの中身を漁って話題を変える。

 その後は軽めの夕食じゃないけど、パンケーキを2人で食べてそのままカフェを出た。


 その後は駅まで歩いて行って、もう少しで解散なのかと、ちょっとだけ寂しくなってしまう。

 結局告白の返事はもらえなかったのでまた後日……というか、次の機会かな。いや、もしかしたら私の思い過ごしで、ネクラさんの私に対する告白の返事はあれで終わりなのかもしれない……。

 そう、思っていると――


「ハイネスさん。もしこの後時間がまだ大丈夫なら、うちに寄っていきませんか? まだちょっと話したい事があるので……」

「……はい! もちろん!」


 まだ、私の戦いは終わっていない……というよりも、これから始まる予感がして少しだけ緊張するのは、多分気のせいではないだろう。

L ORYH BRX をそれぞれ3つ戻すと

L→K.J.I =I O→N.M.L =Lという具合になります。

これを繰り返すと

I love you になるよね。という物でしたm(_ _)m


明日は12時過ぎに更新します。

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