表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

123/322

第113話 紅葉狩り一日目 昼の部4

昨日も今日も日間ランキングに載ることが出来ました!

これも読んでくださっている皆様のおかげです。本当にありがとうございます<(_ _*)>

 13時30分、それまでニコニコしながら僕と雑談していたおまるさんのスマホがけたたましく震え始めた。

 チラッと見えた画面には「編集部 笹森」と表示されていた。


「あ、ちょっとすみませんね」

「いえいえ。どうぞ」


 おまるさんは今ゲームで食べているはずだけど、なんで編集部なんてところから電話がかかってくるのか。


 そう言えばおまるさんは、昔の職場に僕のグッズの事を頼んでいたと言っていたような……。

 昔の職場が編集部で、そこに復帰してあげると言っただけでその編集部全体が協力してくれるような人?


(いや、何してるのこの人……)


 そんなの、ベストセラー作家とか、大人気の漫画家くらいしか思いつかないんですけど。

 確かにこの人、時々ハイネスさん並みに賢くなるし、妙な言葉選びのセンスがあるし、作家と言われれば信じてしまいそうな感じはある。


「はいはい〜。そんで、どうだったの?」


 横でニコニコしている人が、本当は凄い人なんじゃないかと疑念を持つ。

 疑いの目を向ける間に、おまるさんの笑顔はどんどん晴れやかになっていく。


「まじ!? 4つも買えたの!? 天才じゃん!」


 確か僕の公式グッズはかなり人気が出るとの事だったので、各グッズ2つまで。セットに関しては1人1つと個数制限をかけている。

 各グッズ2つまでなのは、ハイネスさんに「観賞用と保存用は絶対いる!」と熱弁されたからだ。


 欲を言えば保存用の保存用で3個が良いとも言われたけど、セットを含めて3個になるからそれじゃダメですか?と言ったところ、渋々オッケーが出たのだ。


「待って待って!? 内訳教えて!?」


 そのタイミングで僕の携帯もブルブルと震えだし、SNSから購入出来たという喜びの声が続々と上がってくる。

 やっぱりホームページそれ自体がかなり重くなっていたらしいけど、クラッシュするまでには至らなかったらしい。

 まぁ、重すぎてろくに進めなかったらしいけども……。


「ぬいぐるみ2つとセット2つ? いや、マジ天才笹森ちゃん! え、約束? はいはい、分かってるって! あの続編書けば良いんでしょ? も〜分かってるって!」


 それからしばらく話していたおまるさんは、ニコニコ顔で電話を切ると僕に抱き着きそうな勢いで迫ってくる。


「もうほんと、天にも昇る気分ですよ! これでサインまで出ちゃったら、私もう死んでもいいですよ!」

「あはは……。出ると、良いですね」


 もちろんサインの確率なんかは明言していないけれど、それなりに高いことは僕が発言しているのでその分期待も高いのだろう。

 実際ハイネスさんや春香、マイさんも「1%は高い!」って言ってたし。


 その直後、部屋の扉が凄い勢いでどんどんと叩かれる。

 大体予想はつくけど、一応誰なのか扉越しに聞いてみる。


「ハイネスです! ネクラさん、私、買えました!」

「シナミとあーちゃんもいます〜。私達も買えました〜!」


 うん、嬉しいのは分かるけど、なんでそれで僕の部屋に凸ってくるのか。

 ていうか、この格好で部屋に女の人が居たらいらぬ誤解を受けるのではないだろうか……。

 それはまずい。非常にまずい……。


「大丈夫ですよ。ネクラさんに手を出そうとしてる子はいっぱいいますけど、こんな時間じゃムードないじゃないですか」

「……ムードとかそういう問題なんですか? ていうか、そんなことを赤裸々に暴露しないでくださいよ」


 安心して眠れなくなるじゃないか。

 起きた時チームの誰かが隣で寝てたら、僕は絶叫しますけど……。


「女の子はムードってものをとにかく気にするんですよ。ミミミちゃんみたいに、自分が良ければ相手の都合はどうでも良い!みたいな子は、あんまり気にしないかもですけど」

「その言い方はどうなんですか……」

「ん〜、まぁ大丈夫でしょ! ほら、早く出てあげて下さい」


 言われるままに扉を開けると、目をウルウルさせたハイネスさんとニコニコ顔のお姉さんが2人で迎えてくれた。

 3人とも僕が寝間着姿なのに一瞬驚いた様子だったけれど、部屋の中にいるおまるさんにはもっと驚いたようで、ハイネスさん以外の2人は目を丸くする。


「違いますよ!? やましい行為なんてしてませんよ!?」

「……いえ、それは分かってますけど……何でここにいるんですか?」

「ん〜? あぁ、お風呂の前でばったり会ってさ〜」


 待ち伏せておいてばったり会ったというのは違うような気がするけど、口を挟んでも面倒なことになりそうなので何も言わない。

 ハイネスさんはうんうんそうだよね、みたいな感じで頷いている。


「そういえば皆さんはどのくらい買えたんですか?」

「私は全部買えましたよ! セット含めて全部で3個!」

「えぇ! 私はセットしか買えなかったんですけど!」

「私はぬいぐるみしか買えませんでした……。そう考えると無念です……」


 がっくりと肩を落としたあーちゃんさんは、すぐにバッと顔を上げるとポリポリと頬を掻く。


「まぁ、買えなかったって撃沈してるそーちゃんよりはマシですけど……」


 どんな反応をして良いか分からなかったので、はははと笑っておく。

 その後もグッズを買えたと沢山のチームメイト(全員女性)が報告にやってきて、僕の部屋の前は大変なことになっていた。


 ちなみにそのせいで、僕の部屋と正体が一般のお客さん(僕目当てのファン)にバレたのは言うまでもない。

投稿主は皆様からの評価や感想、ブクマなどを貰えると非常に喜びます。ので、お情けでも良いのでしてやってください<(_ _*)>

やる気が、出ます( *´ `*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ