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想いの日記

作者: 厨二病

 恋とは一体何なのだろう。

 つい目で追ってしまう状態か?

 守りたいと思う状態か?

 嫉妬心を抱いてしまう状態か?

 自分のものにしたいと思う状態か?

 それともその全てか?


  小説の世界にはその全てがあった。

 守りたいと想いあった結果結ばれる世界。

 好きでたまらなかった結果道を踏み外す世界

 単純に想いあい結ばれる世界もあった。


 だから読めば読むほど、色んな世界を旅するほどに自分は歪んでいるのではないかと、どこかおかしいのではないかと思うようになった。

 両親が離婚し、一緒には暮らせないと言われた日。自分は小学2年になる年だった。兄は泣いたが自分は泣かなかった。単に理解ができてなかったのかもしれないが。

 小学4年になると好きだったばぁばが亡くなった。葬式で泣いていないのは小学生にもならない従兄弟の息子と自分だけだった。

 それから月日が経ち中学3年の夏、好きだった人に告白された。もちろん付き合った。だが自分にはそれ以上の感情は生まれなかった。ダラダラと時間だけが流れ3年目の記念日に別れた。

 その時に気付いた。自分の「好き」はただの情報に過ぎないと。その人の評価指標の中に「好き」という評価を下しただけなのだ。

 思えば自分はその付き合った人のことはあまり知らない。知ろうとしなかった。

 その人だけではない周りの友人と呼べる者達のことでさえ大して知らない。知ろうとも思わなかった。

 トラウマがある訳でも病気がある訳でもない。ただ他人に興味が無い。知るべきことは外面だけで内面なんかどうでもいい。自分に有益か無益か、それとも害か、それだけ分かればいいと、そう思っていることがわかった。

 理由はおそらく「()」がないことだろう。だけどどうしようもない。生まれてこの方誇るものはひとつもない。そして魂に色があるとするならそれは埃色だろう。他人から与えられた色々な色が混ざりあった結果灰色、埃のようになる。この中に自分で染めた色はない。染まりたいと思った訳でも無い。ただ流されて染まっただけだ。

 だから他人の内面なんか分からない。感情なんか分からない。知ろうとも思はない。なのにそれを知りたいと思う相手が欲しい。


 恋をしたい

 一緒に過ごして、笑いあって泣きあって怒りあって、少し離れてしまって、より近くなる。そんな主人公みたいな恋愛じゃなくていい。

 ただ一緒にいたいと思える相手が欲しい。

 だけどそんな相手は見つかることは無いだろう。将来は独身かバツつきの独身かだろうな。

 だから逃げる。現実から逃げる。小説へ逃げる。


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