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リストラクチャリング

これ迄に一番長いこと在籍した会社からリストラされたお話

私、これまでに幾つかの職を転々としていまして。その内の一つは所謂リストラです。

元々は某家電メーカーM社で映像系の事業所に在籍していましたが同業T社との合弁会社に移籍。暫くするとM社が手を引いてT社の完全子会社に。そこから更にH社とS社との合弁会社に移籍。そう、酷え業績で政府から支援を受けているとメディアに登場するJ社です。そこはほぼ全てがアッ○ル社からの仕事で成り立って…いたのかなぁ?ず〜っと赤字だったしなぁ…。

閑話休題

四十五歳以上から五十五歳以下の者が対象で、対象者全員が一度は面接を受けました。条件はまぁ悪くはなかったです。ですがまぁ、ほぼ全員がイヤですと。そりゃそーですよね。

でまぁ結局のところ、私は三回目の面接で受け入れました。


一回目はとりあえず話を聞いてみようかなといった感じでしたけど、いきなり強烈でしたねぇ。部長から

「業績が悪化していて貴方の担当してもらう仕事を用意できないかもしれない」といった感じで。そもそもがその為の面接ですけど。

面接が終わった人から事前に聞いていたのとは随分違うぞ、と。個人個人でそれぞれ抱えている事情は違いますけど、それにしてもなぁ…。一応色々な条件を確認して「前向きに検討してほしい」と言われてその日は終わりました。きっとリストラのノルマとかもあったりするんでしょうね。知りませんけど。

面接で感じたのは

「これ迄に散々社員を馘首(かくしゅ:つまりクビですね)してきた会社には言い方にもノウハウがあるんだなぁ」

と。拙い言い方でひっくり返されてきたとかもあって、その経験だろうなぁ、なんてね。テレビみたいに「お前はクビだ!」なんて言い方はされませんでした。

こちらも何かしらプレッシャーを掛けられないかと思いました。そこで二回目の面接を迎える前に家電量販店に行き、え〜っと…何でしたっけ?会話なんかを録音するヤツ。安いものを購入。


そして迎えた二回戦(苦笑)。開始前に

「すみませんが私は忘れっぽいので内容を確認する意味で録音させていただきます」と。事前に伝えておけば録音が証拠になると大分前に何かで読んだか聞いたか…まぁ良いか。

面接を受けましたけど、なんというか途中から

「あぁ…自分は要らないんだな」

とスーッと心が冷えていくのが解りました。

そして帰宅すると家族に「受け入れる」と伝えました。


三回目の面接でその旨を伝えると気が変わらないうちにと思ったのかサッと書類が出されて「ココにハンコ」「ココにサインして」…とスムーズに話が進んじゃいました。

面接室を出て直ぐに班長へ「リストラを受け入れました」と伝えたら凄く驚いていて。忙しそうにしていた手を止めて「話を聞かせてくれ」と別室に。これこれこうで…心が冷えたんだと伝えて、だからそれに纏わる諸々の手続きがあると思うので宜しくと。

職場に戻って同僚にも伝えたら二〜三日のうちに全班(三班二交代の職場でした)のメンバーが知っていたのには、少しですが驚きました(苦笑)。


そのあとは通常業務と並行して色んな書類を書いたり組合とも面接があったりの日々。

有給消化に入る前日、つまり最終出勤日に課長と面接があって、そこでもまぁ色々と雑談やらなんやら。最後に課長から「長い間お疲れ様でした」と最敬礼されましたけど、いくら頭を下げられてもねぇ。頭を下げるのなんてタダですから。

M社の社歌やら綱領・信条・七精神は今でも覚えています…って分かる人には丸分かりだな、こりゃ(爆)。


最後に、ご自身からリストラを受け入れられた方について。知る限りではその方お一人だけです。

その方は面接の時に

「今日付にしてくれるなら受け入れる。明日以降なら絶対に受け入れない」と言われたと耳にしました。そりゃまた何故?と話をしてくれた人に尋ねると

「その面接の翌日が五十六歳の誕生日」だったそうで。

条件の中には退職金の割り増しもあり、その方の面接日は五十五歳最後の日と。ある意味で背水の陣ですね。おそらく面接はとてもスムーズに進んだかと思います。今日なら一人ノルマを達成。逆に今日を逃せばチャンスは無くなる訳ですから。書類なんかは後日郵送とかじゃないかな。日付は全て面接日にして、とかで。その方にしてもその日を逃せば退職金の額が数百万円程違ってくる訳で。お互いの利害が一致した、と。


とまぁ私のリストラに関して書き連ねてみました。別に面白い話ではありませんが、何かのお役に立てれば幸甚です。

一度、なんらかの形で吐き出してみたかったんです。少しだけスッキリした様な?そうでもない様な?

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