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六道転生~異世界にクラス転移で俺だけ魔王になった~  作者: 天道真人
第一章 戦士と魔王の卵
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第三話 レベル解放

スキルの名前を変更します。

透視→鑑定 これに調査の効果も含ませますのでスキル透視、調査はなくなります

すみません…

 俺は、ここに来た時、ステータスを見て驚愕した。明らかに値が高かったのだ。そして説明のされてないよくわからない表記すらあった。


 俺は親に恵まれ、兄に恵まれ、富裕層として遊んで暮らしていた。そんな中、異世界転移。一瞬にして遊んで暮らせる楽な生活が消えていった。大きな喪失感を感じた。


 しかしそれと同時に、飽和した世界から脱出し、新たな刺激を求められるこの異世界へ来たことで高揚感もあった。


 俺は3歳の頃から剣道を続けている。正直、石井よりはステータスが高くあってほしかった。あんな下品な人間よりステータスが低いと人間として価値がないに等しい。だから俺はステータスを見たとき、驚愕した。


---------------------------------------------

柳生総一(やぎゅうそういち):騎士:Lv.12:属性 空


体力 880

攻撃 120

防御 100

俊敏 85

マナ 3

運 99


スキル:剣術/5 苦痛耐性/3


ランク B

---------------------------------------------


 もうすでにレベルは12。そして騎士という謎の単語(ワード)。スキルも2つもちでスキルレベルとやらも初期にしては十分だ。俺は強い。一瞬で確信した。俺はおそらく近距離戦タイプなんだろう。


 スキルを使うためのマナが低く設定されている。十分だ。石井より人間価値が高いことが証明された。石井には屈辱を与えられる。それで喧嘩売ってくるようならやればいい。それだけだ。


 一見体格が大きくは見えないが筋肉は申し分なくついている女子からの人気の高い男、柳生総一は訓練所を一瞥し、木刀を手に取った。二階堂が空気を重くし、次の指示を待っているという状況であったが、柳生は気にせず木刀めがけ歩いて行った。


「…?おい柳生何してんだ」

石井が話しかける。


「何、今から稽古だろ?戦うための武器を持っただけだ。」

柳生はそう言いながら木刀を軽く素振りした。空を切る音が鳴る。一気に今から練習するという空気が流れた。


 二階堂は顔に笑みを浮かべ、説明を始めた。



 あ~いってえ…セラ?って女、容赦ねえな…


 夢幻の残り体力 320

 メルダートのおっちゃんのおかげでなんとか死なずに済んだな…クッソ、一回人体乖離するのにマナ2も消費するのかよ。


 夢幻はゆっくりと起き上がった。窓がない白壁の部屋からどう脱出しようか考えた。


 夢幻は白壁の部屋から出て通路に出た。もうすっかり消灯されていて暗い。なかなか目が慣れない。


「何をしている?」

どこかで聞いたことのある声が聞こえる。低くよく通る声が廊下に響く。


 まずい。


 夢幻はすぐに廊下の奥を見た。がっちり嵌められた格子の奥に窓がある。窓からは月明かりが漏れ、ほんのり廊下を照らしていた。


 夢幻は覚悟を決めると窓目掛け走り始めた。殴って壊せる代物でないなと直感で感じ、格子に飛びついた。そして格子を強く握り、前後に強く揺らした。


 ゆっくりと後ろから足音が近づいてくる。夢幻の額に粘ついた汗が流れる。


 まずい。非常にまずい。


 夢幻は必死に格子を揺らす。そして破壊した。大きな音を立てて格子が床に落ちる。


 背後に男の声が聞こえた。夢幻が窓に飛び込む。男の手が服に触れた気がした。


 が、間一髪、洋館からの脱出に成功した。硝子が身体を細かく切り、血が滲む。小さな痛みが全身に刺さる。神経が過敏になっている。鼓動が速い。


 外は森だった。月光を頼りに洋館から走って離れていった。男はそれ以上追いかけてくることはなかった。


「メルダート!メルダート!」

夢幻はメルダートを探すように森を見回す。


「なんじゃなんじゃうるさいな~!」

いつの間にかメルダートが夢幻の背後にいた。


「うわぁ!ねえねえ俺これからどうすればいいんだ?」

夢幻はメルダートにしがみ付こうとする。その動作を見てメルダートは杖を振った。


「そんなもん知ら~~ん!!」

得体の知れない謎の光が夢幻を襲った。周囲が白く何も見えない。


 …ん?これは…見覚えがあるぞこの草地……あ、この形容しがたい暗い色も見たことがある……


 夢幻が徐々に意識を取り戻すと濃い紫の岩で形成された洞窟の前に立っていた。洞窟の中に水色に光る円柱形の物体が見えた。夢幻はその明かりの方へ駆け出した。いつの間にかガラスによって切られた痛みがなくなっていた。


『こんにちは、魔王様。』

耳からではなく、脳内に直接声が響いた。不思議な感覚に違和感を感じ耳を塞いだ。


『申し遅れました。私、wiz(ウィズ)と申します』

脳内に響く女性の声は高く、機械音声感はあったが不快感はなかった。声には自然な抑揚があった。無感情な音声出力ソフトではないようだ。


 夢幻は水色の円柱形の前に立った。水色の円柱形は洞窟の床から天井まで高さがあった。2.5mくらいだ。驚くことに円柱形の中に夢幻と同年齢程度の少女がいた。髪は水色で瞳も水色。服も青を基調としたもので全体的に水色という印象を受けた。

 光が強く、あまり広くないからか洞窟中が水色の光に照らされていた。


「お、おれがま、まま魔王って‥…どういうこと…ですか?」

ぎこちない口調で夢幻が尋ねた。夢幻の口は空いたままだった。


「別に口に出さなくても脳内通信を行えるので大丈夫ですよ。改めまして、私、wizと申します。魔王様の秘書です。」

wizは水色の筒の中で笑顔を向けながら声に出して答えた。


「い、俺が魔王か…面白そうだな。いま、そこから出すから待ってろよ!」

夢幻が張り切って筒をトントンと叩き始める。wizが慌てて脳内に話しかけた。


『いやいや!私は映像ですから!この機器を壊すと私と通信は行えなくなります!』

夢幻は焦って叩く手をすぐ止めた。せっかく会えた人(?)なんだから大切にしないと。また一人になってしまう。


『ありがとうございます。では、魔王様、魔王としてのお名前を決めましょう。』


(名前か…どんなものがある?)


『一応、初期設定では"パズ"となっております。』


(パズ?!魔王パズ?!ダサい!このまま夢幻でいいよ)


『了解しました。では、夢幻様、今からダンジョン形成を行います。』


「ダンジョン形成!?」

夢幻が大声を出した。驚愕が顔に浮かんでいる。


「はい。初期準備として、ダンジョン形成のためのポイント、2000ラードプレゼントいたします。」

wizが筒の中で手を差し出す。身体に僅かに何かが流れてきたような感じがした。それと同時に、思考がロックされた気がした。なぜか、考えたいけど考えれない物がある感じがしてもどかしい。


「では、作りたいダンジョンを頭に具体的に思い浮かべてください。」

そう言われた途端、頭に痛みが走った。地下1階、地上2階の構成のダンジョンしか思い浮かばなくなったのだ。思考が制御されている。夢幻は一瞬で悟った。


「認識しました。では、先ほど渡した2000ラードでダンジョンを形成いたします。」

wizが夢幻に背を向ける。ダンジョン形成を始めた。洞窟が形を変え始める。まるでブロック遊びをするかのようにダンジョンが形成されていった。


 その様子を見ながらなんとなく夢幻は思った。なんで俺は魔王になるんだ?展開が急すぎて冷静に考えることができていなかったが一体何のために?途端、脳に激痛が走った。


 その瞬間、思考制御が解除され、今までよりさらに深く思考ができるようになった。俺は別に屑人間になりたいわけではないし特に性に困ってるわけでもない。なら、何のために?


 まるで束縛が解き放たれたかのように閃きが起きた。


 ――復讐だ。


 俺がやるべきことは復讐だ。石井に復讐しなければならないんだ。石井は俺の人生を乱した。匿名ユーザーからクラスグループに送られた謎のメッセージ。その正体を勝手に俺にされてから陰湿ないじめが始まった。


 いじめが起きていたとは誰も知らないだろう。石井が一人勝手に家に悪質ないたずらを行っていたからだ。母はそれに精神を病み父がいなくとも幸せだった家庭は崩壊した。家に帰ればいつも酒を飲んでだらけた母がいる。いたずらをしにきた石井がそれを見る。クラスに俺の母親がだらけた人間だと噂が広がる。


 幸せな日々を崩した石井には復讐を果たさなければいけない。


 それに俺は転移された時にクラスメイトとは違う形で転移した。ならばこのチャンスを逃すわけにはいかない。普通の騎士として戦って死ぬのではなく、違う形で名を残して死ぬのが運命(さだめ)だろう。


 やってやる。


夢幻は魔王として生き抜く覚悟を決めた。そしてwizに宣言した。


「俺は魔王になる!契約しろ!お前は俺の秘書だ!!」


『はい、契約します。私はあなたの…秘書です。』

wizが笑顔で言った。夢幻の脳内に『wizが仲間に加わりました。』という文面が流れた。


 ダンジョンが完成した。

後々2-5のクラス名簿とか書いた方がいいですかね…?


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