表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やさしい魔王の物語  作者: 鬼龍崎
7/40

魔王誕生

これから真の戦いが始まります。

[フィリアサイド]


カインの婚約騒動から、3年が経った。

エルザとアリサの2人は、あの腕試し以降一緒に住んでいる。本人達曰く「妻は夫の側に居なければならない。」そうだ。元々腕試しなど必要なく、2人とも、カインに一目惚れしていたらしい、素直に言うのが、恥ずかしかったのであろう。今では、イチャイチャとベッタリである。

アースロイド様も、変わらず会いに来てくださる。

だけど、最近のアースロイド様は、何か、お悩みがあるような感じである。話掛けると、いつもの、やさしい笑顔で返してくれるけど、少し目を離すと、悲しく、不安な表情をされている。そんな事が一か月ほど続いた。

「アースロイド様。顔色が優れませんが、何かあったのですか。」我慢できず、尋ねてしまった。

「フィリアには、関係ない事だよ。心配かけてすまない」っと返事され、自分は、アースロイド様に必要とされてない。アースロイド様の支えになってない、妻になる身なのにって、そんな気持ちになり、眼から涙が流れた。

それを見たアースロイド様は、慌てて、「どうしたのだ、私が悪い事とを言ったか?」っと、顔に触れてくる。「アースロイド様。私は。貴方の妻になる女です。その妻に心配させまいとされている様子ですが、私からすると、支えられない、信じられない。ダメな妻と思われている様で、悲しいのです。確かに、私は政治の事は良く解りませんが、お悩みがあるのなら、聞かせてほしい。頼ってほしいのです。」

「すまぬ。」そう言うと私を抱きしめて下さった。

「フィリアは十分に私の支えになっているんだよ」そう言うと、最近の国の情勢を話してくれた。

アースロイド様の話では、王族、貴族の悪政は、益々酷くなり、ついには、農民達が決起して暴動となり、それを抑えるために、更なる虐殺が行われている。そして、その暴動をさせない様に{密告者には、税の免除と褒美を授ける}と触れて、農民、村人同士で監視させたのである。その結果、信じる者がいなくなり、親兄弟でも疑う様になっていった。そして、その政策を率先して行っているのが、国王と、アースロイド様の弟君のジュリアン王子だったのである。そして、アースロイド様は、決心したように、言葉を続ける。

「もう、この国は修復はできないようだ。未来の民のために、一度、すべてを壊す必要がありそうだ。」と言って、厳しい顔をして、話を続ける。「フィリア!私は、これから、すべてを壊す。そのために、悪魔の様な虐殺を行うだろう。その対象は王族、貴族だけではなく、一般の民にも及ぶだろう。すべてを壊し、恐怖によって統一し、その後、新しく国を立ち上げ、民が笑って暮らせる世をつくるのだ。そのために、私は、あえて、悪魔、いや、魔王になろう。」そう言うと、やさしい顔に戻って「フィリアには、私の心を守ってほしい。魔王になろうとも、人の心を持ち続けるために・・・」

「アースロイド様。私は、いつでも側にいて、貴方の心を守ります。如何なる汚名を着せられても、貴方の心は必ず守り通して見せましょう。」

「フィリア。不幸にしてしまうな。」

「私は、貴方の側にいるだけで、幸せなのですよ。」

そう言って、お互いの唇を重ねた。



虐殺と恐怖の魔王誕生の瞬間だった。



これから、視点が、コロコロ変わります。読み辛くならないように、がんばりますね。また、読んでくださってありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ