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やさしい魔王の物語  作者: 鬼龍崎
40/40

未来を託して

ついに完結です。40話にもなる作品となり処女作にしては良くできたと自己満足しています。しかし、ラストって表現難しいですね。勉強になりました

玉座の間には久しぶりに集う兄弟3人の姿。

カインは、アースロイドたちの前に跪き頭を下げる。

「兄上、姉上お久しゅうございます・・・。この、カイン=ドラグナイト、使命を果たしに参りました・・・」

「よく参った・・大儀である。しかし、今しばらくは兄弟としての時があってもよかろう・・・」そう言うとアースロイドとフィリアは壇上より駆け寄りカインを抱きしめる。そして、互いの温もりを感じ合うと、自然と涙が流れ出した。あの日、レギオン夫妻の家で別れ、その後もお互いを思い合った3人であれば当然の姿である。

アースロイドは、元の優しい人に戻り、フィリアは、いつもと変わらない笑顔で、カインは、甘える子供の様な顔で抱き合って泣きながら笑っている。


しばらくすると、3人はその場の床に座り込み、話を始める。

「カイン・・・それで、この先の未来の準備はできたということなんだな?・・・」アースロイドの問いかけにカインが答える。「・・・はいっ。・・・王城正面には、5万の兵がおります、みな、明日のこの国を守る精鋭たちにございます。」

「・・・カイン・・・よく・・頑張りましたね・・・」フィリアが労う。

「して、どのような国になるのか聞かせてはくれないか・・・」アースロイドが優しく尋ねると「・・・はいっ。・・まずは、国の主権は全て民にあり、国王は代表の一人となります。そのほかの代表は民が、その都市ごとに決め収めていきます。表にいる兵たちは、警備と秩序をまもるようになり、各都市に配備されて、これにより、小さな争いはあるかもですが、基本平等で、笑って暮らせるようになると思っています・・・」それを聞いたアースロイドは、天を見上げ、「・・・そうか・・・笑って暮らせる時代がくるのだな・・・」そう言って、その後フィリアと顔を向き合わせ、「聞いたかフィリアよ・・・私の願った国になるのだ・・・こんなに嬉しいことはない・・・」「・・・はいっ。・・・よかった、・・本当によかった・・・」

二人は、これ以上ない笑顔で喜びに満ちていた。


「・・・では・・・そろそろ旅立つとしよう・・・」そう言うとアースロイドとフィリアが立ち上がり、「・・・はいっ。・・・私は、いつまでもアースロイド様の妻でございますから・・・共に、参りましょう」二人は互いを見つめ合い、「・・これから忙しくなるぞ・・フィリア・・地獄の業火に焼かれながら死んでいった何万の民に謝罪をせねばならんのでな・・・」アースロイドがそう言うと「・・・大丈夫ですよ。貴方だけではないのですから・・・私も、クラリス様たちもおりますし、何より時間は、いくらでもありますからね・・・」そう言って笑って答えるフィリアである。

「・・では、カイン。後の事、まかせたぞ!」「エルザさん、アリサさんと幸せにね・・・」ふたりの言葉に、カインはその場で跪いて「お任せください!長きお勤め・・・ご苦労様でした!」っと告げる


そして、アースロイドとフィリアは互いに向かい合い。「・・・じゃ・・行くか・・・」「まいりましょう・・」と言って抱き合い口付けを交わしながら、片手に持った短剣で相手の背を貫いた。

カインは、その姿を跪いたまま、眼に焼き付けている。

「「・・・カインさま・・・」」しばらくするとエルザとアリサが現れた。「・・・おわったよ・・・ながい・・・ながい戦いがおわったんだ・・・」カインが囁き、頷くふたり。そして、城門が見えるテラスに3人は立ち第一声を挙げる。

「恐怖により支配を繰り返していた、魔王アースロイドと、その妃は死んだ。・・・我々は、全ての民の開放を宣言する!」

カインの号令に大歓声が上がり、ここに、新たに{ドラグナイト公国}が誕生したのだった。


それから数年後。国は栄、活気に満ち、人々の笑い声が街中に広まった。

だが、人々は知らない。真に民を思い、自らを魔王に落としながらも未来を願い死んでいった、英雄。

真の英雄。アースロイド=ドラグーンと、それを支えた妃、フィリア=ドラグーンの事を。

皆さん本当にありがとうございます。読んでくださったって事は数字でしかわかりませんが、毎日、誰かが読んでもらえる事が、本当に嬉しく思いました。ありがとうございます。執筆は続けて行きますので、宜しくお願い致します。

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