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やさしい魔王の物語  作者: 鬼龍崎
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敬礼

アースロイド達の希望の足音が聞こえて来ました

アースロイドとフィリアの元にレギオン夫妻が駆けつける。

「アースロイド様、失礼いたします。」ドアを開き二人の前に跪き頭を下げるレギオン夫妻。アースロイドが尋ねると、「・・・朗報にございます。カイン様が出陣なされました・・・その数約5万とのこと。」その報告を聞き、アースロイドは盤面の笑みを浮かべ「そうか・・・やっと準備が整ったか・・・」そう言ってフィリアの顔を見るとフィリアも又、嬉しそうだった。同様にクラリス夫妻も同じ気持ちであったであろう。

「いつ頃こちらにつくのだ?」アースロイドが尋ねると、「明後日のおそらく昼とのカイン様よりの通知でございます。」レイアが答えた。

「あい解った!明後日、城内のすべての兵に城を出る事を命じる!あと、その時は全ての城壁、大扉を開放せよっと伝えよ!」

「「「「御意」」」」レギオン夫妻とクラリス夫妻が全てを察して部屋を後にする。

「・・・フィリア・・・カインが遂に成し遂げたようだ・・・」

「・・自慢の弟と妹たちですからね・・・信じておりましたよ・・・」

二人は顔を見合わせ、笑顔を見せていた。


そして明後日。


城門前には5万にも昇る兵士と冒険者が集まっている。その先頭にいるのは仮面舞踏会の3人とアリシア率いる新生騎士団の幹部5人だ。

「・・おい!・・城門に見張りも誰もいないぞ。しかも、門も城の扉も全て開放してる、どういうこと?」皆が首を傾げていると、門の影より2人の人影が現れた。俺達3人にとって忘れる事のない人物だ。

「・・お久しぶりです・・レギオン爺さん、レイア婆さん。」俺やエルザ、アリサの3人は、その人物に駆け寄り挨拶を交わす。

「・・立派になられましたなあ、カイン様、エルザ様、アリサ様・・・」

「この人は敵じゃない・・・安心してくれ」そう言ってアリシア達に紹介して話を続けた。


「この城には、今、兵は誰もおりませぬ。これから先はご兄弟の最後の時間となる場所にございますれば、カイン様、お妃さまの3名のみ、お進みください」レギオン爺さんが告げるが、アリシアが反対する。「3人だけで行かせる事などできる訳がないであろう」その言葉に幹部5人も反応し剣に手をかけるが、僕が止めた。

「アリシア。城を空にして、尚、扉を全て開放して待つ事の意味を考えてくれないか?」そう告げると、全てを知るアリシアと騎士団幹部(元冒険者)の5人は、アースロイドの心情を理解した。そして、いきなり号令をかける。「整列!・・敬礼!・・・」

事情を知らない兵たちは驚き慌てたようだったが、すぐに号令に従った。城門前にて5万人の兵が今から落とそうとする城に向かっての敬礼である。それは知られざる英雄に対するアリシア達の感謝の敬礼であった。

そして、僕達3人はアリシア達に目配せをして頷き、城に向かって歩みはじめた。


クラリスとエルザとアリサの最後の話です。

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