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やさしい魔王の物語  作者: 鬼龍崎
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大司教の最後

最後の戦いが終わりました。

大聖堂焼き討ちの翌日、周囲は未だに煙が立ち込め肉の焼けた匂いが充満し焼け爛れた躯が積み重なった場所をアースロイド軍が進軍していく。そして、扉の前に到着し「突撃~」の号令の下、力ずくで扉を開くと、そこもまた地獄のような風景であった。もう助からないと思ったのであろう、お互いに殺し合い倒れて行った者。毒を飲んで自害した者など床一面血の海と化し、無数の屍が横たわっていた。その中、不自然に死体が積み上げられて山になった状態がいくつもあり、兵が剣を突き立てると「ひいいい~・・・」という叫びと共に中から人が現れる。大司祭オーグと側近の司祭たちであった。その醜く太った体を纏った真っ白な法衣を死体の血で赤く染まっている。そして次々とアースロイドの前に突き出されていった。

「これは、これは大司祭殿。いつから協会の法衣は赤くなったのでしょうか」アースロイドは薄ら笑いをしながら嫌味っぽく話す。

「・・・これは・・・アースロイド国王陛下、此度の事は私の意志ではなく、司祭たちの企てによるもの。私はこのような事は反対していたのですが・・・全ては、こ奴らの責任でございます。どうか、ご慈悲を・・・」その言葉に他の司祭は「・・・何を言っておられるか。全て貴方の指示ではありませぬか」っと怒鳴り上げる。オーグはフンっと顔を反らし「私は騙されておったのです、陛下に逆らう事など滅相もない。そんな事をする訳がないではないですか。」ひたすらに保身に走るオーグである。

「そうですか、そうですよねえ信仰深い大司教さまが信者を見殺しにするはずがござらぬよなあ・・わかった!」そう言って司祭たちに剣を投げ渡すと「この中でもっとも罪深い者を貴様らの手で惨殺せよ。そして残った者の罪は私が考慮しよう」

そう言うと司祭たちは一斉に剣を取りオーグに向かって突き立てた。「うわ~、おまえ・・たち・・・」オーグは、その体を複数の剣で貫かれ絶命した。その後「・・・うむっ、考慮した結果、おまえたちも同罪である。・・やれっ!」アースロイドの号令に兵士たちが次々と司祭たちの首をはねていく。


これにて、精霊協会の壊滅となった。



「フィリアさま~」フォリアの部屋にレギオンが入って行き、「たった今連絡が入り、精霊協会が壊滅したとの事・・・」

部屋の窓辺に立ち、赤い夕陽を見ながら一言。

「そうですか・・・」

そう囁くフィリアであった。

いよいよクライマックスに突入です。

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