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師匠を訪ねて(出発前段階編)Ⅱ

注意


・ 文章力が低く読み辛い

・ ご都合主義

・ スローペースな物語の進行

・ 残酷描写あり


以上の事が大丈夫な方はどうぞ

「お初にお目にかかります。私はこの町の領主クローム・スバルの三女、フローラ・スバルと申します」


ドレス姿の女性フローラはスカートの裾を摘み堂々とカーテシーのポーズをとった。

この光景は色々とおかしい。


まず、呼び出しではなく訪ねてきたの事。

仮にこれが呼び出しだとしたらおかしい。

兵士ではなく成人の15歳にも成ってないと思われる三女の彼女を態々使いに指名するのか、意図が解らない。

それに訪ねてくる時間が早すぎる。

普通は早くても朝食が終わる頃だろう。

そして、最後にこれが最もな疑問だ。

何故、彼女は護衛も付けずに単独で乗り込んできたのだ。


考えれば考えるほどスバル家の考えが解らない。

これは実は夢、そう言われた方が信じれる程に有り得ない現実だ。


「これは態々有難うございます。こんな朝早くにどうかされましたか」

「はい。父の使いで来ました」

「そうですか。では中で話しますか」

「ここで、大丈夫です。今後の予定についてお聞かせ願えませんか」


相手のペースに乗せられまいと必死に抵抗している様に伝わってくる。


「あの。私はここで」


フローラの隣にいた従業員の女性は恐る恐る声を掛けてくる。

この状況について行けず、彼女の存在をすっかり失念していた。


「あぁ。有難うございました。仕事に戻ってもらってかまいませんよ」

「わかりました」


彼女は安堵したような表情を見せると俺達とフローラに計二回お辞儀をし、離れていった。

ただ、フローラは離れていく従業員をすがるような目をして見ていた様に見えたのが気になった。

もしかしたら、彼女はこの様な場には不慣れなのだろうか。

成人を過ぎてないだろうと思われる彼女には確かに荷が重いだろう。


だが、それなら何故そんな人を使いに出したんだ。

齟齬が発生すれば普通に険悪な関係にまで発展するかもしれない。

これではまるで―――。

ここで、ようやくスバル家の意図に気付けた気がした。


「さて、フローラ様。今後の予定とは私達の予定でしょうか」

「は、はい。その通りです」

「私達はアリシア殿のお師匠様を訪ねる為、今日中にこの町を出ます。ですのでご安心ください」

「は、はい。()()()()()()()()


フローラは安心した様子を見せる。

あぁやはり少しお馬鹿なのだろう。

ただ、彼女は一生懸命こなそうと必死になっていて見ていて応援したくなる。

そんな彼女になんだか少しほっこりした。

そして、同時にフローラの対応を俺に任していたアリシアもスバル家の意図に気付けたようだ。

彼女はクイクイと服の裾をひっぱて来る。


「あの。どうかされましたか」


フローラが怪訝そうに此方を見ている。

どうやら表情に出ていたらしい。

気を引き締めねば。


「何でもありません。他に何か聞きたいことはありませんか」


質問に対し『他に………』と彼女は何かを思い出そうとしているようだった。

そして、何かを思い出したような顔をする。


「行き先は何処になるのでしょうか」

「行き先と言うと私達が向かう場所でしょうか」


フローラはコクコクと頷く。

彼女の動きは、小動物のようだ。

そんな事に気を取られてたが、よくよく考えてみると彼女の質問に答えられない事に気が付いた。

何故ならアリシアの師匠が何処にいるのかを知らないからだ。


「お教えできません」

「そうですか。解りました」


やけにあっさりと引き下がるフローラ。

このままでは彼女が領主様に叱られるなと思い助け舟を出す事にした。

スバル家の意図は解っているのだから彼等が一番嫌いそうな答えがいいだろう。


「ですので、領主様には『アリシア様のお師匠様の居場所につきましてはお答えできません』とお伝えください」


まぁこれで領主様も引き下がざるえないだろう。


「解りました。有難うございました。ちゃんと父には伝えておきます」

「よろしくお願いします。他に質問はございませんか」


そう言うとフローラはもじもじとしだした。

どうしたんだろうか行き成り。


「あ、あの。個人的な質問なのですが、お二人はお付き合いしているのでしょうか」


なるほどそう言う事か。

しかし、どう答えたらいいものか。

どれを取っても噂になるような気がしてならない。


「ご想像にお任せします」


困り果てて、一番害が少なそうな日和見と言う選択肢を選んだ。


               ☆


その後、フローラは興奮してお礼や礼儀も出来ているか怪しかった状態で帰っていった。

あれで、質問内容忘れてなければ良いのだが。

さすがにそこまでは面倒見切れるつもりはない。


「あの子。大丈夫かな」


どうやらアリシアも心配しているようだ。


「どうだろうな。色々と大ポカやらかしてるし」


思い出すだけで苦い顔が出来るほどの大ポカだ。


「有難うございますは駄目じゃない」

「だよなぁ」


あそこまで正直だといっそ清清しい気もするが。

なんせ『今日中に出て行く』って言ったら『有難うございます』って返されたからな。


「でも、どうして私達に早く出て行って欲しいんだろう」


俺は答えられなかった。

情報が少なすぎて何とも言えない。


「ただ、早くこの町から出て行ったほうがいいのは間違いないだろうな」

「そうだよね」


彼女は少し腑に落ちない様子だ。

正直、俺だって腑に落ちてない。


「幸いな事に荷物は揃ってるから、食料さえ買い込めば何時でも町を出る事は出来る」

「ちょっと待って。後で魔法ギルドに一緒に来て欲しいの」

「何だ。何か有るのか」

「私の装備について話がねぇ」


彼女は少し面倒そうだ。

すっかり忘れていたが、あの装備はやっぱりシリアルナンバー装備だったんだろうな


「わかった。朝食とったら、さっさと行くぞ。ああ言った以上今日中には町を出ないといけないからな」


だが今は、やることも無いのでベットに横になる。

ベットは弾力が良くある高級品で昨日床で寝たのが勿体無いほどの代物だった。

ふわりと女性特有の香りがした。

俺は思わず起き上がり、煩く鳴る心臓を落ち着かせようと努力する。

そんな俺を見て悪戯心に火がついたのか悪い顔をしたアリシアが俺の隣に腰掛けた。


「ねぇ。やっぱり私と寝たかった」


顔を近づけ、からかってくる。

さぁ。このやんちゃなお姫様をどう調理してやろうか。



お読みいただき有難うございます。


今回はポンコツフローラさん可愛いよ回になってしまった。

最初はもっとシッカリした子にする筈だったんだけどなぁ………。

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