師匠を訪ねて(トポ村編)Ⅵ
すいません。投稿が少し遅れました。
俺達は一度、村へと戻ってきた。
「無事だったのか。突然恐ろしいほどの地響きが成って………」
村長が俺達を見て駆け寄ってきた。
どうやら先ほど地面にワイバーンを地面に叩きつけた時の音に驚き興奮しているようだった。
「大丈夫です。ちゃんと一匹目は狩ってきました」
「そうですか。えっ………一匹目ですか」
村長は俺の言った意味に気付き驚いた様子だった。
アリシアは興味深そうに此方を見てくる。
「はい。恐らくワイバーンは番の二匹だと思われます」
「番ですか………」
村長は不安な様子で、アリシアはやる気を帯びた様子で此方の話を聞いていた。
目撃したときにワイバーンがその場で餌を取らず持ち運んでいた事。
そして、縄張りに入った時の対応の早さ。
その雰囲気から、番ではないかと感じ取った。
それならば、何故此処にやって来たかも理由が付く。
それは恐らく出産のためだろう。
ワイバーンの出産にはしては時期的には若干早い気がするが、それでもおかしい時期ではない。
「つまり、もう一匹居ると言うわけですか………」
「おそらく、そうだと思います」
「ワイバーンは襲ってくるのでしょうか」
「えぇ。恐らくそのうちに襲ってくるでしょう」
村長の顔が渋くなる。
「狩った場所からこの村は離れているので被害はでないですよ」
手放しでは喜べないで有ろうが、それでも村長の顔色は少し良くなった。
おそらく、ワイバーンがやってくるとしたら夜に相方が倒された場所に確認の為にやって来ると思う。
知能があるワイバーンだそれぐらいはやってくる。
で、そこを狩る。
これが俺が考えているプランである。
「すいません。どこかで、夕方まで休ませてもらえませんか」
アリシアの魔力の回復も必要だ。
彼女には次も留めを刺してもらう必要がある。
「はぁ、解りました。私の部屋をお使いください」
そうして、俺達は村長の家で休ませて貰った。
☆
シッカリと村長の家で休ませて貰った後、俺達は再び狩った場所へとやって来た。
もう日は沈みあたりは暗くなっている。
「明りはつけちゃ駄目なんだよね」
アリシアは不便そうにしている。
俺も彼女も魔法で何とか、夜目にしているがそれでも見づらいものは見づらい。
「あぁ。もう少しの辛抱だ」
おれのその言葉を裏付けるようにバサリバサリと、闇にまぎれるようにワイバーンが飛んできた。
「よしやるぞ」
俺はアリシアに声をかけ飛び出す。
そうして、ワイバーンと俺達の戦闘が始まった。
☆
結果を言うと周りが暗いだけで、先ほどの繰り返しでしかなった。
証拠に、いま目の前には首がはねられたワイバーンが転がっている。
「さてと、ここで解体するぞ」
「大丈夫なの」
「大丈夫さ。ワイバーンは二匹とも片付けたしそれに何より、この血で魔物も寄ってこない」
「普通逆じゃない?」
そう、普通は血の臭いを嗅ぎ付け魔物がよってくるのだ。
しかし、実は魔物は血の臭いがどの魔物の物なのか解るのだ。
ワイバーンが倒された場所、それはすなわちワイバーンより危険な生物が居るかもしれない場所。
そんな場所に好き好んでやってくる。愚かな魔物は居ない。
つまり、この臭いが続く限りはここは安全と言う事になる。
そういう訳で、俺はするすると解体していく。
鱗、肉、内臓、血とあらゆるものを分けて行く、そして最後、魔物心臓といえる宝石のような魔石にてを伸ばした。
そのとたんパリンと砕け、何か黒い靄があふれ出した。
「お兄ちゃん。危ない」
アリシアは咄嗟に叫び俺を引っ張ろうとす。
しかし、検討も俺と彼女は黒いもやに飲み込まれていった。
呼んでいただき有難う御座いました