師匠を訪ねて(トポ村編)Ⅴ
さて、一身上の都合では有りますが文字数を少し減らさせてもらう事にしました。
たぶん、これでペースは落ちないとは思うのですが………。
駄目そうならペースを落とさせてもらいます。
ご了承ください。
おなじみアリシアの杖に乗ってきた俺達はワイバーンの縄張りの傍までやって来た。
何故解ったかと言うと、俺達を追いかけてきたゴブリンが急に足を止め反対側に逃げていったからだ。
「アリシア。とりあえず此処でおろしてくれ。此処からは歩きだ」
アリシアは杖をゆっくりと下ろす。
ここで、準備をしよう。
本来なら村で準備をすれば良かったのだが、出来ない理由があった。
それは、今回使う獲物を見られたら絶対に村長の許可が下りなかったからだ。
リュックを地面に置き中から使い古した投げロープを取り出した。
「お兄ちゃん。もしかして」
アリシアは凄く不安そうな顔をする。
「気持ちは解るが。俺を信じろ」
なにせ、ワイバーン狩りに関しては右に出るものは居ないと自負しているつもりだ。
古びたロープに耐久強化エンチャントの『タフネス』を掛ける。
自身には、体重が増加する『へヴィー』と筋力が上がる『マッシブ』のエンチャントをそれぞれ掛けた。
これで、準備は完了だ。
「アリシア。行こうか」
俺を先頭にして森の中を進む。
☆
少し進んだ頃。
「GYAAAAAAAAA」
ワイバーンらしき咆哮が響き、奴が現れた。
やはり縄張りに進入した事に起こっている様子だ。
奴が羽ばたく度に土ぼこりを上げながら風が吹き荒れる。
「お兄ちゃん」
アリシアが不安そうに名前を叫ぶ。
だが、今はそんな事を気にしている場合ではない。
はた迷惑なワイバーンに対しに思いきりロープを投擲する。
「それじゃあ避けられるんじゃ」
彼女の声に焦りが見える。
だが、俺は全然問題なく成功すると思っている。
そして、案の定ワイバーンは避ける事もせず、受け入れロープを首掛けさせてくれた。
「嘘………」
彼女は意外な光景に呆けている。
だが、こうなったのは必然であり偶然ではない。
こうなった理由は簡単だ。
ワイバーンは頭がいいため、こんなロープで引っ張られたところでどうにもならないと理解していた。
そして、逆にワイバーンが思いっきり引けば俺なんか簡単に飛ばせる事も知っていた。
ならば避ける必要は無い。
それがワイバーンの思考だった。
だが、その甘さこそが狙いだった。
「アリシアとどめは任す。切断系の魔法の準備をしてくれ」
俺の突然の事に頭が追いついてないようだったが、彼女は準備をしてくれた。
その間にもワイバーンは俺を空へと引き飛ばそうとするための、溜めに入った。
待ってました。
そのタイミングで弱体化のエンチャント『ウィークネス』をありったけの魔力で発動させる。
発動した魔法は、ロープを伝い、ワイバーンの右羽だけを狙って弱体化させた。
するとどうなるか。答えは簡単だ。
急上昇しようと羽ばたいた瞬間に奴はバランスを大きく崩しす。
そこで、ロープを下に引っ張ると意図も容易く奴は地面に叩きつけられ地響きを盛大に鳴らす。
「今だ、首を落とせ」
アリシアは風魔法を発動させ、ワイバーンの首を落とした。
これで、ワイバーン狩りは終わった。
やはり、あっけないものだった。
「凄い。凄い凄い。」
アリシアは大興奮している。
「まぁ。昔、結構な数を狩った事があってなその時に身に着けた技だ」
照れくさくなり、聞かれても居ない経緯を話してしまった。
「お兄ちゃんって、こんな事も出来るんだね」
「興奮してるとこ悪いがワイバーンを回収してくれ。やらないといけないことが山積みだ」
ほめ殺しはやめてほしい、慣れてないから。
「うん。回収するね」
彼女は次元空間収納魔法を発動し、ワイバーンを仕舞う。
「さて、帰るか。帰ってワイバーンを解体して。夜に二匹目を狩らないといけない」
「二匹目………」
さすがにワイバーンが二匹居る事は彼女にとっては想定外だったのだろう。
彼女の顔が引きつる。
「どういうこと」
「ワイバーンは恐らく二匹居る。町に帰ったらそれを説明するよ」
お読みいただき有難う御座いました。
メインとなるワイバーンとの先頭ですがあっさりしすぎでしたかね。