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ワンダーi  作者: ルク穴禁
4/10

俺は何で……?


 俺と平川と高間は4階を目指す。高間はかなり痛そうだ、もう手で漫画を描くことは無理だろう。手のひらにドリルが刺さってるんだ。骨も砕けているだろうな。

 4階に着くと、そこにはまた人が倒れてた。太った男だ。うつむせで『うう〜! うう〜!』と唸り声を上げながら。

 すると、いきなり平川が腰から砕け立ち膝を着く。

『どうした? 平川、貧血か?』

『違う……胸が痛い…………ゲホッ!』平川は血ヘドを吐き、床の一部が赤く染まる。

『おい、大丈夫か!?』

『ゲホッ! ゲホッ!』さらに血が流れる。

『どうしよう……』高間は困惑している。

『高間って奴、平川を看てやってくれ。俺は倒れている男を看る』

 俺は唸り声を上げている男に駆け寄り、仰向けにする。男は両目から血を流していた。『うう〜! うう〜! 痛いよう! 真っ暗だよう!』

『すぐに病院へ連れて行ってやるからな』この傷じゃ回復は無理だろうな。

 平川はか細い声で『かっ、金田?』と口から流れる血を拭きながら言った。

『また知り合いか?』

 盲目の金田という男は『誰だよ〜!? 目が見えないよ〜!』と暴れる。

『私だ、平川だ。すぐに病院へ連れていってやる』

『平川!? 平川って中学の同級生で政治家になった奴? ううっ……目が痛いよ〜! もう株価を観れないよ〜!』

『金田って奴、お前もアイスピックで刺されたのか?』

『誰!?』

『俺はキョウジだ。左目をアイスピックで刺された』

『判らないよ〜!』

 平川の知り合いが3人。ターゲットは平川? 強い憎しみを感じる。…………俺は何で?

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