俺は何で……?
俺と平川と高間は4階を目指す。高間はかなり痛そうだ、もう手で漫画を描くことは無理だろう。手のひらにドリルが刺さってるんだ。骨も砕けているだろうな。
4階に着くと、そこにはまた人が倒れてた。太った男だ。うつむせで『うう〜! うう〜!』と唸り声を上げながら。
すると、いきなり平川が腰から砕け立ち膝を着く。
『どうした? 平川、貧血か?』
『違う……胸が痛い…………ゲホッ!』平川は血ヘドを吐き、床の一部が赤く染まる。
『おい、大丈夫か!?』
『ゲホッ! ゲホッ!』さらに血が流れる。
『どうしよう……』高間は困惑している。
『高間って奴、平川を看てやってくれ。俺は倒れている男を看る』
俺は唸り声を上げている男に駆け寄り、仰向けにする。男は両目から血を流していた。『うう〜! うう〜! 痛いよう! 真っ暗だよう!』
『すぐに病院へ連れて行ってやるからな』この傷じゃ回復は無理だろうな。
平川はか細い声で『かっ、金田?』と口から流れる血を拭きながら言った。
『また知り合いか?』
盲目の金田という男は『誰だよ〜!? 目が見えないよ〜!』と暴れる。
『私だ、平川だ。すぐに病院へ連れていってやる』
『平川!? 平川って中学の同級生で政治家になった奴? ううっ……目が痛いよ〜! もう株価を観れないよ〜!』
『金田って奴、お前もアイスピックで刺されたのか?』
『誰!?』
『俺はキョウジだ。左目をアイスピックで刺された』
『判らないよ〜!』
平川の知り合いが3人。ターゲットは平川? 強い憎しみを感じる。…………俺は何で?