ラスト
俺はワンダーiを飲む。記憶を取り戻すと強く念じる。周りがザワザワしてて集中出来ない。
すると、フワッと体が軽くなる。薬が効いてきたか。
『頭が痛い! …………平川あああぁ!! 俺は……キョウジじゃない! 近藤武蔵だ! ……よくも、散々精神汚染をしてくれたな!? のうのうと政治家になんて成りやがって!』
俺は全てを思い出した。中学生の頃に俺は名前をバカにされ、酷い精神汚染された。死んでも“いじめ”られたとは言いたくなかった。俺のプライドが許さない。
『復讐は終わった。もういいだろう、近藤君。対象は十分苦しんだ』
『ガキの目を抉ってやる!』
『やめてくれ、近藤! 本当にすまなかった』平川は懇願する。
『性善説でも信じてるのか!? 世の中、性悪説だ!』俺は平川のガキの目が破裂するように強く念じる。
ダメだ、効かない。
『肉弾子博士! もう1錠くれ!』
『ふむ、好きなだけ飲むといい』
俺は1度に3錠飲み、更に強く念じる。
『頭が痛い! ……何でだ!? なぜ効かない!?』
『実験は成功だ』肉弾子博士が言った。
『実験が成功!? ワンダーiが効かないぞ?』
『ククク、効かなくて当然だろう。ここは私のテーブルなのだから。薬が効く効かないは私がコントロール出来るのだよ、コンドーム・サシ』
『何!? 初めから平川の手のひらの上だった!?』
『実験内容はな、復讐するのが問題ではない。先にテーブルを作る事で乱用者から身を守る為のものだよ』
『じゃあ、平川は最初からワンダーiを飲んでる? ワンダーi反対派じゃないのか?』
『演技するのは楽しいね。政治家をやりながら俳優にも挑戦してみようか、ハハハ』
『ふざけやがって!』
『お前みたいな鉄砲玉に人生をメチャクチャにされたら堪ったもんじゃないからな。先にテーブルを作ってしまえば、どうということはない。陽子役、虎太郎役、お疲れ様。……さて、全てを知ってしまった、近藤武蔵にはここで死んでもらおう。肉弾子博士、ワンダーiをくれ』
『はいよ』肉弾子博士は平川にワンダーiを渡す。
『俺の味方じゃなかったのか!? 肉弾子博士!』
平川はワンダーiを飲んだ。『さて、死因は何がいい? 飛び降り、首吊り……証拠を残さず、焼死もいいな、ハハハ』
平川が念じ始めた。俺は腰から砕ける。脚に力が入らない…………、殺される!?
しかし、何も起きない。
『やはりクズだな、平川君』
『肉弾子博士! ダミーを飲ませたな!? 本物を寄越せ!』
平川が肉弾子博士に近付いた時、平川の足から体が炎に包まれる。『ギャーーー!! なぜだ!? なぜ私がー!?』
『平川君、ここはワシのテーブルなのだよ』
『何だと!? 熱い熱い! 熱いよー!』平川はのたうち回る。
『真の実験は知能犯にワンダーiが渡った時にどうするべきかだよ』
『ギャーーー!! ギャーーー!!』平川は火だるまになる。
『ありがとう、肉弾子博士』
『高間君と金田はいいのかい?』
『復讐したからって、前に進める訳じゃない』
『実験ご苦労様。それでこそ、ワシの助手だ』




