小説家になろうの作品を読んで気付いた、綺麗な文章を書くコツ
感覚的な内容ですが、これを書くことでのめり込める小説が増えると良いな、と思って書かせていただきました。
なろうには面白い内容の小説がたくさんあります。けど、読みづらい文章のものが大半です。それがちょっとでも読みやすくなれば、より多くの人が読んでくれるようになる、と思うのです。
※これは『面白い内容』を書くためのコツではなく、『綺麗な文』を書くためのコツです。
私が小説家になろうの小説を読み始めてから早10年。
ワナビだったり趣味で投稿している人がほとんどなので当たり前ですが、綺麗な文章に比べて拙い文章の方が圧倒的に多くありました。私の興味が引かれる狭い分野でさえそうなんですから、全体の事なんて言うまでもないですよね。
さて、どれだけ良い設定だろうと、ある程度は綺麗な文章で書かれていないと、細かいところが気になって物語に入れ込めないと言う事があると思います。私の場合、(作者様には失礼ですが)途中で読むのをやめてしまったりもします。けれども10年も読んでいれば、綺麗な文章の特徴というか共通点も多少は感覚で分かるようになるものです。
という訳で、私の気付いた綺麗な文章の共通点と、それが無い場合との比較を含めて書いていきたいと思います。
① 同じ語尾は出来る限り連続させない。
物語というのは様々な場面の連続で出来ています。しかし、場面を詰め込み過ぎると読み手の中で同じ場面が連続してしまい、飽きがきます。アニメで言うなら場面転換せず、ずっと同じ枠の中で物語が進んでいる状態です。小難しく説明してもおそらく伝わらないので、適当に考えた例文を下に3つ入れます。
a1
囲まれている。俺はそう気付くと鞘から剣を抜く。正面から向かってくる男にこちらからも走り寄ると、袈裟掛けに切りつける。さらに振り向くと同時、後ろに迫っていた男の胴を薙ぐ。
a2
囲まれていた。俺はそう気付くと鞘から剣を抜いた。正面から向かってくる男にこちらからも走り寄ると、袈裟掛けに切りつけた。さらに振り向くと同時、後ろに迫っていた男の胴を薙いだ。
a3
囲まれている。俺はそう気付くと鞘から剣を抜いた。正面から向かってくる男にこちらからも走り寄ると、袈裟掛けに切りつける。さらに振り向くと同時、後ろに迫っていた男の胴を薙いだ。
a1の例文は文末を全て終止形にしました。極端な例ですが、なろうに投稿されている小説ではよくみるパターンです。感覚的な話になってしまいますが、各行動に余韻が無く忙しない印象を受けます。
a2の例文は全て完了の「た」をつけたものになっています。こちらはなろうではまったくと言っていい程見ませんが、a1と対照的でわかりやすくなるのではないとか考えて入れました。このパターンの場合、話がブツ切りになっているように感じます。各行動が完了してしまっているため連続性が無くなっているのです。
a3です。a1の文章に新たな文を入れないで変形させる場合、これが最も綺麗じゃないかと思っています。もちろん新たな文を入れた方がよりよくなるとは思いますが。これは、終止形と完了形を交互に使いました。こうすることで物語の繋がり過ぎ、切れ過ぎの感覚を調和できると考えています。
ちなみに、ですます調の場合は、「です」「ます」とその完了形「でした」「ました」、否定系の「ません」とその他少ししか語尾に使えなくなるので、語尾の表現が難しくなります。一方、だ、である調は動詞をそのまま使えるので同じ語尾が連続すると言う事はあまりないでしょう。
② 代名詞が使える場面では代名詞を使う。
人の名前が何度も連続で出る、物や場所の名前が何度も出る、というのは読む側としても案外めんどくさいものです。彼、彼女、あれ、これ、それ、などなど代名詞をきちんと使うと雰囲気が出ます。
③ キャラに合った言葉遣いをさせる
①と同様、これも出来ていない人が多いと感じています。個人的には、(偏見かもしれませんが)ガサツな言葉遣いをするキャラの「なので」が特に目につきますね。もちろんそれ以外もありますが、自分は「なので」に対して過敏になっている自覚があります。
さて、例文を用意しました。以下の例文をどんなキャラが口にしているか考えてみてください。
b1
○○なので、××するんでしょう。
b2
○○なので、××するんだろ。
b3
○○だから、××するんでしょう。
b4
○○だから、××するんだろ。
如何でしょう。b2だけ、しっくりこない感じがありませんか?
一人称だろうと三人称だろうと、言葉遣いが大事になるのは変わりません。丁寧な言葉で書かれてた三人称が一瞬ガサツな言葉になったりすると、そこにギャップを感じます。それがギャップ萌えなんかにつながるいいギャップなら問題ないですが、読み手に違和感を与えるようなのは気をつける必要があるでしょう。
とりあえずはここまでです。読んでくださり、ありがとうございました。
※「なので」はいろいろ議論されている言葉ですので、本来はこんなところで例として出すのはよくないかもしれませんが、どうしても書いておきたかったので書かせていただきました。