5-2
生徒会室にやってきた男子生徒の話を聞いたときから薄々感じていたが、現場である普段なら誰も近寄らないような、校舎と浄化槽に挟まれた狭く薄暗い袋小路に到着すると、思わず「やはりな……」と声を漏らしていた。
大きな紙袋を抱えた蒼馬が、同じクラスのイケメン野郎の須賀とその取り巻きの三人組に囲まれていた。
相変わらず暇な連中だな、と思うと同時に、そんな連中にまたしても絡まれる蒼馬は、不幸な星のもとに生まれてしまったのか、それとも、これも一種の才能だろうか?
周囲に野次馬もいないので、彼らに介入したところで俺の周囲の評価ポイントが上がるとは思えないが、揉め事は揉め事だ、さっさと解決して、今度こそ天野に俺が指導者としていかに優れているか教えてやろう。
……それに、蒼馬と須賀の姿を見ていると、前にも感じた苛立たしい気持ちが蘇ってくる。
前回のように、俺の力を見せつけ脅かしてやれば、須賀たちもまた肝を潰して逃げて行くに違いない。
俺は須賀たちの背後から声をかけた。
「おい貴様ら、何している?」
須賀たちはこちらに振り返ると一瞬表情を引きつらせたが、すぐに俺から顔を背けた。
「あれぇー、どこから声がしたか?」
須賀が言うと、両脇にいた二人の男子生徒は、
「さあ、知らねえ」「空耳だろ」
と言ってゲラゲラ笑い出した。
「おい、今さっき俺の顔をしっかり見ていただろ」
「「「……」」」
三人から返事はない。
あくまで俺を無視する態度をとるつもりらしい。いい度胸だ。こうなったら、寝ても覚めても俺の事しか考えられないような体にしてやる……、表現が変な気もするがまあいいか。
俺は拳を握りしめ、須賀たちの背後へ向かって踏み出した。彼らはまだ俺を見ようとしない。手が届く距離まで近づくと、俺は拳を振り上げ、
「成敗!」
と、この前清治と一緒に見ていた、時代劇なるテレビ番組で主人公が悪者を斬りつける前に叫んでいた台詞を真似した。
俺の鉄拳が須賀の脳天を砕く瞬間、須賀の声がした。
「この前、水澤の注意を受けたばっかだってのに、また暴力振るったら今度はどうなるんだろうな? たとえ留学生でも……。ああ、今のは俺の独り言だ」
「うっ……」
俺は腕に急ブレーキをかけた。須賀の後頭部まであと髪の毛一本分のところで拳が止まる。
水澤の小言などどうでもいいが、教師どもの心象を悪くすれば、次期生徒会長となって高校を支配する計画にも支障をきたしかねない。それに、聡美からはまたなんと言われるか……。聡美が髪を逆立てて、おばあさまにも匹敵するような怒り狂う顔を想像し、思わず身が震えた。
俺は拳を降ろした。
今ここで、須賀を力でねじ伏せることは(多分)簡単だ、しかしそれでは局地的な勝利は得られても戦略的には敗北だ。
下等な人間のしかもよりにもよって須賀なんかに、言葉一つでいいようにあしらわれるとは、何たる屈辱!
俺は顔を上げると、腹を抱えて笑っている須賀たちの奥で、涙を浮かべ助けを求めるような蒼馬の表情が見えた。
どうすれば、蒼馬を助け、かつ指導者としての勝利条件を満たせるのだ? 力に訴えるのは駄目、かといってこの状況を放っておくのは論外……。
安易な選択肢として、上位の指導者である教師を担ぎ出すことを思いついたが、すぐに却下した。将来の帝王が別の権力を認めるなど言語道断、それに前回のように水澤は須賀をひいきするだろう。手段はよく分からないが須賀は教師たちにうまく取り入っているらしい。
他に手段はないか……、必死に思考を巡らせる。
きっとおばあさまならこんな状況でも、厳格な表情で『ファテルベルク家の真の力を示す!』と言って、問答無用で三人を叩き潰すだろう。
おばあさまのように全世界を敵に回しても己の信じた道を貫くことができれば格好良いし、憧れる。この世界に来た直後なら、おばあさまの言葉どおり行動しただろう。一週間前に須賀と対峙したときのように。でもどうしてだろう、今は聡美や清治の顔、それに天野の言葉が脳裏に浮かんでしまい、二の足を踏んでしまう。
じゃあ天野だったらどうする? と考える。きっと天野なら、したり顔で『郷に入れば郷に従え、こっちの世界のルールに則って事を進めるべきだよ』などと言いながら、なんだかよく分からない屁理屈を振り回して強引にでもその場を収めるだろう。
でもそんな都合のいい理屈が俺に考えつくのか?
——知るか! こうなったら出たとこ勝負だ。
俺は腹に力を込めると、小走りで須賀たちの脇を通り抜け、蒼馬を背にして、三人と向かい合った。
「レ、レノンくん……」
蒼馬の弱々しい声が背後から聞こえる。
須賀はわざとらしく大きな舌打ちをすると、ようやく俺の顔を見て話しかけてきた。
「いい加減にしろよ、留学生。邪魔だ。どけ」
「そ……、そういうわけにはいかないな」
俺は胸を張り両手を腰に当て、須賀を睨み返した。
「最近、生徒会を手伝ってるからって、強気になりやがって。これは俺たちと浜谷の問題だ。首突っ込んで来るな」
「だからこそ、首を突っ込まないわけにはいかない」
「なんでだよ」
須賀たちは不審な目で俺を見た。
「何故ならコイツは」俺は後ろにいる蒼馬に向かって指差した。「俺の下僕だからな!」
「はっ、……はあ?」
「そうコイツは、時に俺の盾として命を捧げ、時に俺の下僕として鞄持ちから下の世話まで何でもやっているのだ」
「いや……レノンくん。さすがにそこまでは……」と蒼馬。
一方、須賀の取り巻きたちは「おい、俺たちより扱いが酷くないか……」とささやき合っていた。
「まあそういうわけだ。だから、コイツの問題は、主人である俺の問題だ」
須賀は怯んだように、俺たちから一歩後退した。「……な、何だよ、こいつ」
「じゃあ聞かせてもらおうか、貴様と『俺たち』の問題とやらを!」
須賀はしばらく、呆気にとられていた様子だったが、やがて気合いを入れ直すかのように、鼻息を荒くした。
「浜谷が持っていたベニア板が、俺の腕に当たったんだ」
蒼馬の持っていた紙袋を見ると、ベニア板の端が袋から飛び出ていた。
「はっ、はあ?」今度は俺の方が唖然とする番だった。「たったそれだけのことで、因縁をつけているのか、貴様は……」
魔人族とは比ぶべくもないが、それにしてもなんと器の小さい人間だ。
「いっいや、だ、大問題だぞ、俺からすれば」
須賀の言葉に合わせて、取り巻きが無言で頷いた。
「なんだ? 怪我をしたのか? だったら保健室に連れて行ってやるぞ」
「ちげえよ。……これを見ろ」須賀はカッターシャツの袖をめくり上げ、腕時計を見せてきた。「そのベニア板のせいで、時計に傷が入ったぞ。兄貴からの貰い物だけど、高いんだからな。……ざっと四十万円くらいだ」
「ヨ、ヨンジュウマンエン!」
一週間も生活していれば、この世界の貨幣価値を大体理解できる。須賀の言った額が一般高校生レベルではとても手が出ないような金額ということも、すぐに分かった。
「……そうだ、お前が浜谷の主人だっていうのなら、お前が代わりに弁償してくれ」
「そ、それはちょっと……」
さすがに返す言葉がすぐに浮かばなかった。
ほ、本当にそんなに価値があるのか、あの腕時計には?
距離があるため、どういう時計だとか、どれくらい傷があるのかは判然としないし、例え判ったとしても、ご先祖様譲りの鑑定眼の無さではその価値を測るのは難しい。
「レノンくん……」
蒼馬がぎゅっと俺の腕を掴んできた。
状況を理解すれば打開策が浮かぶかと思ったが、そんな都合良くはいかなかった。しかも俺が最も苦手な金の話になるとは……。それに須賀の話を信じるならば、不注意でぶつかってきた蒼馬に一方的な非があることになってしまう。
——どうする? やっぱり須賀の記憶が消し飛ぶまでぶちのめすか?
おばあさまの言うことが一番正しい……、そう思いかけたとき、不意に親父のくたびれた顔が浮かんだ。
どうして突然、家の面汚しで臆病者、最低の親父のことを今思い出すんだ?
そかしそれと同時に、この場を収められるかもしれない一つの方法が閃いた。
はっきり言って、あまりに屈辱的で、もしこの場におばあさまがいたら、半殺しにされそうな手段だが、今はこれしか思い浮かばない。
俺は意を決して、須賀に向かって一歩前へ進み出た。
そして腰を曲げ、深々と頭を下げた。
「な、何だよ。急に」「レ、レノンくん!」
須賀と蒼馬が同時に驚愕したような声で言った。
俺は頭を下げたまま続ける。
「俺の下僕の不注意は、主人である俺の責任だ。だから謝る。……悪かった」
——うわぁ、今すぐ壁に頭を打ち付けて死んでしまいたい!
「あ、頭を下げたくらいで、俺が許すとでも……」
須賀の声からは、明らかに困惑している様子が感じられた。
「どうか、この通り。時計のことも悪かった」
——おばあさま、申し訳ございません。よりにもよって、人間なんかに頭を下げるなんて。でもでも、複雑な勝利条件を満たすには、今はこれしかないのです。
しばらく沈黙があった。その間ずっと俺は頭を下げ続けた。まだおばあさまの折檻を受けていた方が、時間が短く感じられただろう。
やがて、「ちっ」と須賀の舌打ち音が聞こえた。
「……じょ、冗談だよ。別にお前らに請求する気はねえ。……そ、それ以外の傷もいっぱい付いているし……、か、からかっただけだ。そんな本気で受け取るな、調子が狂う、興ざめだ」
須賀の途中の言葉は声が小さくてよく聞き取れなかったが、どうやら謝罪を受け入れてくれたらしい。
俺は頭を上げて改めて「すまない」と言ったら、須賀は目を丸くした。
「き、気持ち悪いな。い、行こうぜ」
須賀は踵を返すと、取り巻きを連れて行ってしまった。
俺はほっと息を吐いた。……なんとか乗り切れた。
「レノンくん、ありがとう。ぼくのために頭を……」
蒼馬が声をかけてきた。今にも泣き出さんばかりの表情で俺を見上げている。
「まったく、お前のせいで散々だ。……気を付けて歩けよ。どうせまたよそ見しながらアイスクリーム食べていたんだろ」
「ぎくっ、どうしてそれを!」
「唇の端にチョコレートが付いている」
俺の指摘に、蒼馬がとっさに袖で唇を拭いた。
「俺の下僕として、もっと品性と節度ある態度を取ってほしいものだな」
「ご、ごめん……」
蒼馬が頭を垂れた。
「お前もさっさと行け。文化祭の準備をしているんだろ」
「うん。……ありがとう、レノンくん。このお礼は必ずするから」
蒼馬はもう一度頭を下げると、早足で歩き去って行った。
「おい、何度も言うが、俺のことは、ご主人様と呼べ!」
と、遠ざかって行く蒼馬の背中に呼びかけた。
やれやれと俺は大きく深呼吸した。まったく、屈辱とストレスで胃に穴が空きそうだ。
これならまた水澤に呼び出されることはないと思うが、こんな恥ずかしい真似、二度とやるものか。ファテルベルク家の沽券に関わる。
……でもなんで突然親父の顔が浮かんだんだろうな?
「やあ、お見事だったねえ」
唐突に、背後からすっかり聞き慣れた声がして、浄化槽の陰から天野のにやけ顔が現れた。
「柔道部と剣道部の件が片付いて、生徒会室に戻ってみたら、ファテルベルクくんが別の揉め事を収めに飛び出して行ったと聞いて。……なるほどなるほど、そうしたら君が須賀くんに向かって頭を下げているじゃないか。さすがの僕も驚きだ」
「……み、見たのか?」
俺は腹の底から声を絞り出すように言った。
「一部始終。ちょっと強引な話の持って行き方だったけど、結果として丸く収まったのだから良かったと思うよ」
天野の口元が微笑んでいた。
「……そうか、見たのか」
俺は一歩一歩踏みしめながら、天野へ近づいて行った。
「ど、どうしたんだい、ファテルベルクくん?」
俺の内より発せられる怒りのオーラに気圧されたように、天野が一歩下がった。
俺は力強く握りしめた拳を振り上げた。
まさかあの屈辱的な光景を、よりにもよってこの男に見られたとは! 天野の記憶を完膚なきまでに抹消しなければならない。
「だから、暴力は駄目だって。折角少しは理解してくれたと思ったのだけど」
「黙れ! 貴様だけには見られるわけにはいかない。忘れろ、忘れろ、忘れろー!」
天野に向かって殴りかかろうとした次の瞬間、俺は地面に大の字で倒れていた。
「だから、君は僕に勝てないって、前も言ったじゃないか」
天野は微笑んだまま、倒れた俺を見下ろしていた。
——何故だ、この見るからに弱そうな男に俺は指一本触れられないんだ?
体を起こそうとしたら、天野が手を差し出してきた。俺はそれを無視して自分で立ち上がった。
「僕はこの世界や、きっと君の世界よりもずっと凄惨な世界からやってきたから、鍛え方が違うんだ。……本当に酷い世界だった。暴力が新たな暴力を生み、戦争がより大きな戦争を引き起こす。生き残るために培った力が新たな争いの道具として使われる。ほんの少しでも相手のことを想って、頭を下げる勇気があれば、多少はマシな世界になったと思うのに……」
天野の表情から苔のようにこびりついていた笑みが消え、どこか遠くを見るような目をしていた。
「何が言いたい、俺に説教でもしたいのか? 赤眼鏡の小言なんて聞きたくもない」
「そんなんじゃない、ただの思い出話だ。僕はアルターウォー世界群の一つから来たって、前言っただろ。……七十年以上前、この世界と分岐するきっかけになった大きな戦争があってね、この世界では負けた国々が、僕の世界では勝ったことになっている。そしてこの世界にはそこそこの平和が訪れ、僕の世界では独裁者による殺伐で終わりのない闘争が続いたってわけ」
天野の過去に正直興味はなかったが、本人が喋りたがっていそうだったので、しかたなく付き合ってやることにした。
「で、赤眼鏡はそこから逃げてきたのか?」
「そんなところかな……。だから僕は元の世界を反面教師として、生徒会長である僕自身は決して独裁者にならないよう何も決めず、客寄せパンダとして周りの御機嫌取りと人気取りだけに終始して、重要なことは仲間によしなにやってもらうと決めているんだ」
「それは変だ。指導者は下々を先頭に立って引っ張っていくべきだろ。客寄せパンダなんてやっていてもしようがない」
「そこが僕とファテルベルクくんの認識の違いだと思う。強権的で独善的な指導者なんてろくなことにはならないでしょ」
天野の言っていることは同意も納得も理解もできない。やっぱり俺と天野は根本的に異質で、彼の行動原理には元いた世界の情勢が少なからず影響しているのだろう、ということくらいしか分からなかった。
「赤眼鏡の世界がどういう風だったか俺には想像できないが……、コピー機すらまともに触れない言い訳に聞こえなくもないぞ?」
「そ、そんなこと無いさ……」
天野は動揺したように眼鏡のフレームをしきりに触っていた。
……えっ、図星?
俺は腹の底から沸き上がってくる笑いを堪えきれなかった。遂に天野に一矢報いてやったぞ!
一方、少し顔が赤くなっていた天野はわざとらしく咳払いした。
「そ、そんなことより、さっきのことだけど……大丈夫。僕は誰にも言わないから」
一瞬何のことか分からなかったが、俺が須賀たちに頭を下げたことだ。天野の昔話ではぐらかされかけていた。
「……でも、須賀くんたちは言いふらすかもしれないけど」
意趣返しだと言わんばかりの天野のいつも以上に明るい声に、脳天に手刀を食らったような衝撃を受けた。
「しまった!」
その発想はなかった。やはり今すぐ、須賀と……それに蒼馬のところへも行って記憶が無くなるほどに叩きのめさねば!
しかし、走り出そう俺の腕を天野が掴んだ。
「待って待って、そんなことよりも君には別の話があったんだ」
「何だ、まだあるのか? 言いたいことがあれば早くしろ。俺にはどうしてもやらなければならないことがある」
天野の手を引きはがそうとしながら俺は言った。
「さっき僕の携帯電話に、清治さん……由良くんのお父さんから電話がかかってきた。君に用事があるそうだ」
「俺に用事? 何でお前の所に連絡が行くんだ」
腕の力が抜けて、天野は俺から手を離した。
「ファテルベルクくんはまだ携帯電話を持っていないだろ。だから僕のところに電話があった。前も言った通り、僕も昔、清治さんにお世話になっていたから連絡先も知っている」
電話……? ああ、聡美も持っている『携帯型魔法の鏡』のことか。
「で、筆頭従者は俺に何の用だって?」
「うんそれが」天野は一瞬言葉を詰まらせた。「……由良くんの体調が想像以上に思わしくないらしい」
「妾が……」
朝、俺が出かける時に既に相当辛そうな様子だったが、俺に連絡しないといけないほど容態が悪い、ということなのか?
「清治さんの口調から、ただ風邪をこじらせたってわけじゃなさそうだ。……どういうことだろう? 兎に角、出来るだけ早く病院に来てくれって」
「従者のくせに俺に命令するとは生意気な。主人に来てほしかったら迎えでも寄越すべきだ」
どいつもこいつも、最近俺との身分差を忘れているんじゃないか? 困ったものだ。
「……まあ、しかたあるまい、従者の願いを無下にするわけにはいかないし。しかし一つ問題が……」
俺が抱いている懸念点を察したかのように、天野が先に口を開いた。
「君は言葉とは裏腹に本当に真面目な奴だなあ。生徒会室に残してきた仕事は他の人に任せればいい。そんなことより、由良くんのところへ行ってあげたまえ」
「いや、それはどうでもいい」そんなもの適当に誰かが代わりをやるだろう、まったく気にしていなかった。「それよりも、病院というものはどこにある?」
「……君ねえ」
体中から力が抜けたかのように、天野は肩を落とした。
「しかたないだろう、地理はこの高校周辺ぐらいしか知らん!」
「自慢げに言うことかい……っん?」
天野が突然、周囲に向けてしきりに視線を動かし始めた。弛緩していた体を一瞬にして緊張させ、赤眼鏡の奥から鋭い眼光が発せられていた。俺と決闘したときとは比べ物にならないほどの真剣さが感じられた。
「ど、どうした? 急に」
「ファテルベルクくん。どうやら君のお望み通り、お迎えが来たみたいだ」
そう天野が言うや否や、彼の背後から、全身真っ白な服に身を包んだ一団が一斉に、俺に向かって押し寄せて来た。




