ハゲとグラサンハゲと質問と回答
連行された彼に起こった衝撃とは……。
「で、いったいどういうことなんでしょうか?」
と、身動き取れないように連行されて不機嫌な俺はその張本人のハゲを睨みそう訊ねた。
先ほどまで拘束されていたので痛む腕を自分でマッサージしながら、その意見も含めて睨む。
なんで説明する人物がおっさn……ハゲなのか。
ついてない、ほんとついてない。
「どうもこうも、ここは地球じゃないってことが答えだが?」
なぜか今まで付けていなかったサングラスをかけながらそう答える、ハゲ。
ハゲはハゲらしくしておけばいいのにサングラスハゲにトランスフォームしようとするのは謎ではあるが、とりあえず彼の情報は有益なので聞いておこう。
まぁ、ほとんどの会話はハゲネタで塗りつぶされるだろうから半分は聞き流すかもしれないが……。
「まぁ、いわゆる異世界ってことだよ少年」
でしょうね、うすうす感じてたけどやはりそうなのか。
何にも捻って無いことに関してはいいが、それから追加で情報を言おうとしないのはマイナス点だ。
やはりハゲはだめだな、その雰囲気は堅物の中の堅物といった感じだし。
「……」
「……」
証拠にハゲと目を合わせて無言の2秒が経過してしまった。
もったいない、いかんせん時間がもったいない。
仕方ない、俺から質問をすることにしよう。
では、まず聞きたかった一つをば……。
「では次に、あの鳩人間モドキはいったい?」
これを聞いてみた、まぁたぶん原住民とか想定できる答えが返ってくるのだろうが。
「あの鳩人間? あぁ彼らは、ゴールピというらしい」
「は? ゴールピ?」
と、想定外の答えに俺は驚いた。
「あぁそうだ。 ちなみに、私たちの世界で言うところの人とか犬とかのカテゴリー単位での区切りらしい」
「あぁ、なるほど」
俺は手のひらに拳を叩き付けた。
初めからそう言って欲しい、いきなり種族の名前言われても分かるわけないだろうがっ‼
さすがハゲ、その要領の悪さで髪がなくなったのだろう。
「まぁ名付けたの俺なんだがなっ‼」
「はぁ~ッ!?」
名付けただと!?
その頭トチ狂ってるのかこのハg……あっ、もう狂ってたわ。
「HAHAHA、ちなみに北国の言葉で鳩っていう意味だ」
なぜか、自慢げにハゲは高笑いしてそんなことを言う。
お前どう考えても日本人だろうが、というツッコミはやめておこう。
せっかく内面の発言を抑えてるんだから。
「会話できないから仕方ない、しょうがない」
うんうん、とハゲとといつの間にか空気と化していた取り巻きが頷く。
ハゲもアレだけど、取り巻きも取り巻きだな。
と俺は、つくつくづくそう思った。
「それはそうと、先ほどから君は私のことをハゲハゲ言ってるが一つ言っておく」
「…!?」
ハゲにハゲハゲ言っていたことがばれている、だと……。
言わなくても伝わるくらい顔に出てしまっていたのか!?
そうだったら、なんてこった。
「これは剃っているんだ!と」
「自前かよ!?」
「それともう一つ、今の発言は君の考えている方法で察したということではないとだけは、言っておこうか」
「は!?」
いったい、ドユコトなのだろうか?
ども、お久しぶりです。
ユンと申します。
今作は社会人になっての初文章となります。
よしなに。