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京都夢現〜儚い無限の命〜  作者: ありあ
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雨降る朝に妖しい瞳 六

 天早はワゴン車が止まると同時に扉を開け、目の前に映る鵺を見据える。そしてその鵺と先程まで戦闘していたと思われる少年、涼介を見つけた。

 「涼介君!大丈夫ですか!?」

 涼介は天早の方を向かずに妖気を練り始めた。鵺の方をふと見ると、先程とは少し姿かたちが変わり、狐の様な顔へと変化している。

 「大丈夫っすけど......突然変異種なんて二人の手に負えないですよ」

 そう言いながら練っていた妖気を風の弾へと変化させ打ち出す。鵺はその巨体からは想像もつかない速度でその攻撃をよけた。

 天早は剣を抜き放ち、鵺が移動した方向へ走り出す。鵺は天早の存在にやっと気付き、大きく口を開けた。口の中に渦巻く妖気が、光線となって発射される。天早はそれに反応しきれず、かわそうとしたものの左手に光線を受けてしまった。

 しかし鵺が天早に気を取られている隙に涼介が鵺の頭上へ飛び込み、風を纏った拳を叩きつける。鵺は呻き声を上げながら尻尾を振り回した。

 「天早さん、大丈夫ですか!?」

 天早の左手はどす黒い鵺の妖気をまともに受け、皮膚が腫れ上がっていた。所々は血すら出ている。

 「大丈夫です、涼介君は攻撃に集中して!私は術式で鵺の動きを止めます!」

 天早は左手から滴り落ちる血を右手で拭い、その右手の血を媒介に術式を作り上げる。鵺は涼介にターゲットを定めたのか、涼介の方を向いて妖気を噴出させ始めた。

 鵺が一気に涼介に向かって飛び出す。涼介は後ろに飛び退き、飛び掛った鵺の爪をかわした。鵺は更に追わんとしてもう一度飛びかかろうとしたその時だった。

 「今です!」

 鵺の後脚が、赤い妖気の鎖で縛られていた。天早の術式、「血鎖」だ。鵺は一瞬動きを止め、後脚の方を振り返る。その隙を涼介は見逃さず、拳を連続で叩き込んだ。

 天早が鎖を解き、術式をそのまま作り変える。鵺は表情を歪め、どす黒い妖気を噴出させた。涼介は家屋の屋根へと飛び移り、次の攻撃へと妖気を練り始めた。

 天早の術式変換が終わり、二本の矢へと変化させ、もう一度後脚へと打ち出した。しかし鵺は矢が当たる寸前で空へと飛び上がり、矢は懐石料理店の看板を突き刺した。

 その時、鵺がおぞましい妖気を孕んだ叫び声を発した。ひょー、ひょー、と、耳障りで、身の毛もよだつような叫び声。それは空気中の妖気を爆発的に活発にさせ、妖気の渦が涼介を襲う。突然のことに涼介はよけきれず、屋根の上を転がり落ちた。天早も剣を地面に突き立てて踏ん張るも、吹き飛ばされてしまった。

 「無茶苦茶な妖気だな、クソが」

 涼介は体の痛みに耐えつつ、悪態をついた。鵺は涼介に狙いを定めたらしく、既に空中へ飛び、妖気の光線を打つ準備をしている。

 「涼介君!」

 天早が術式を作り、血の枷を鵺に打ち出した。しかし鵺はそれをいとも簡単にかわし、光線を吐き出した。涼介は咄嗟にかわそうとしたが、体が痛み、動かない。

 「やばい......」

 どおおおん!という音と共に、コンクリートにヒビが入った。異常なまでの土煙。天早の目線からでは、涼介がどうなったのかは解らない。

 「涼介君!!」

 「なに、大丈夫さ。私が見込んだ妖術師だから」

 こには、こ光線を完全に受け止め、涼介を守り切った、出雲神奈と、ヤマトがいた。

 「さて、涼介、ヤマト、天早。反撃しようか」

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