2-33 侍女と船遊び
神暦720年 大人の月27日 地曜日
夏の暑さが峠を超え、夜の風が随分と涼しくなってきた頃の休日、コムナ川の上にユーリアの姿があった。
ヴァレリー水軍が有するガレー船斧犀号。
2本のマストに三角帆を備えた最新鋭の110人漕ぎ3段櫂船であり、ヴァレリー水軍の旗艦を務める船だ。
その船の櫂手頭であるイングリットから、警戒任務でブリーヴまで往復する時にでも乗ってみないかと誘われていたのだが、ついにその機会が訪れた。
それに1も2も無く跳びついてユーリアは船上の人となっていた。
「風が気持ち良いわねー。」
舷側にもたれかかってゆっくりと流れて行く川岸の風景を眺めながら、私は呟く。
視界の端では、『科戸風の命』が勝手気ままに空を舞っていた。
1キュビット(0.44m)程度の半透明の体を持ち、蜻蛉…というか蜉蝣に似た翼を持つ妖精のような姿。
だがその下半身は、大気に溶けて見えない。
「このあたりだといつも南風が吹いているからね。おかげで川を遡るのに帆が使えて、楽ができるわ。」
私の呟きを聞きとめたイングリットが答える。
船は最初に櫂走で川港を離れ、川の半ばまで差し掛かったあたりで帆を展開し、南風を受けて帆走に移っていた。
櫂手頭であるイングリットは櫂走の時は忙しいが、櫂を引っ込めて帆走になってからは戦闘時を除いて基本暇なのだそうで、今は本日の客である私の面倒を見ていた。
「けど、思ったよりも揺れないのね。以前に川舟に乗った時はもっと揺れたように思っていたけど…こっちに来る時に馬車ごと渡し舟に乗ったときも揺れなかったけど、その時は馬車のばねの所為だと思っていたわ。」
そう言いつつ、振り返って甲板を眺める。
甲板上では、手の空いた櫂手が集まり、風にあたりながら四方山話で盛り上がっていた。
そんな中でてきぱきと先任水夫に指示を与える赤髪の偉丈夫…彼がイングリットの父親である船長だろうか?
半ズボンに上半身裸、あるいは袖なしのベストという水夫が多い中、彼はシャツを着込み、その上からベストをつけている。
その風貌は知的とも言っていいほど落ち着いたものだが、肌はよく日に焼けており、肉付きも力仕事中心の櫂手たちにも引けを取らない。
「今日は穏やかね。けど、横風と横波を受ける時はもっと揺れるわよ。あと、増水したときもね。」
イングリットも私に合わせ、視線を甲板に向ける。
ちなみに彼女の後ろには、オーガさんが立ち、他の水夫達に睨みを利かせていた。
客人である私に水夫達が余計なちょっかいをかけないための、イングリットの取り計いだろう。
そんな中、指示を終えて私たちの視線に気付いた偉丈夫が、こちらに近づいてきた。
「やぁお嬢さん、斧犀号へようこそ。私が船長のバルボロです。今日は快適な船旅を保障しますよ。何事も無ければ。」
彼はにこやかに笑みを浮かべながら自己紹介をするが、最後に笑みを皮肉気に変える。
つまり、何かあったらそっちが優先という事か。
まぁ軍船だし当たり前か。
「ユーリア・ヴィエルニです。執政館で侍女をしております。本日はよろしくお願いします。」
そう言って腰を曲げて軽く礼をする。
今日の私の格好は、シャツにズボンに革のブーツと、普段の休日の格好と大差が無い。
違いを上げれば、髪を結い上げて『凍える大河』とマリオンとお揃いのミスリルの腕輪を身につけていることだろうか。
ブリーヴで彼女に会うんなら、身につけておかないとね。
「ふーむ、娘の友人と聞いていたんで活発な方かと思っていたのだが…あんがいお淑やかなお嬢さんだね。うちの娘も、少しは君を見習ってくれれば嬉しいのだがね。」
そう言った船長の足をイングリットが蹴ろうとするが、彼はひょいと避ける。
「これだよ。何処で育て方を間違えたのだか、まったく困ったものだね。うちの娘も成人を期にどこぞの貴族の下に行儀見習いに出そうと考えていたんだが、水夫になると言って聞かなくてね。家を飛び出されるよりはと、伝で王都の水軍に水夫見習いとして修行に出して、去年1人前になって帰ってきたところさ。」
そう苦笑しながらも、彼女の蹴りを実に楽しそうに避け続ける。
「尊敬する親の背中は、子供にとって一番の道標とも言われます。実際、船長も喜ばれているのでは?」
私の一言で、船長は動きを止め、イングリットは顔を赤くして俯く。
だが蹴るのはやめないので、その蹴りが船長の足に当たるようになったが、明らかにその威力は弱い。
なんて事は無い、父親にじゃれているだけなのだろう。
「ああ、その通りだな。だが、おしとやかになっていい伴侶を見つけて欲しいと言うのも本心だよ。」
そう寂しげに笑う。
うん、人の上に立つだけあって、それなりの人格者で、よき父親のようだった。
船長が用事で離れていった後、私達は無言で外の景色を眺めていた。
やがて私は口を開く。
「いいお父さんじゃない?」
「まぁね。自慢の親父よ。でもちっとも乙女心をわかってはくれないけど。」
顔を背けて、イングリットが答える。
照れてるのかしら?
まぁ、私も含めて小っ恥ずかしい話よね。
「だったら、偶には素直にぶつかってみなさいな。少なくとも、自分の気持ちを知ってもらえるとは思うわよ?納得はしてもらえなくても。」
父親と息子であれば、酒でも酌み交わして酔いに任せて腹を割って話すのであろうが、父親と娘であれば、親はあまりいい顔をしないかな?
「そうね。無駄かもしれないけど今度やってみようかしらね…。けど、3つも年下の娘に諭されるなんて、イングリットさんも焼きが回ったわね。ひょっとしてあなた、サバ読んで実は年上だったりしない?」
うるさいわね。
色々と悩み事が多いだけよ。
しばらくすると暇を飽かした水夫達が集まり、輪を作り出した。
そしてその輪の中では、二人の水夫が向き合い、手に持った棒状のもので打ち合いだす。
あれは…木刀のようなものだろうか?
カトラスのように湾曲した刀身に、鍔から二股に分かれ柄の部分を柄頭まで護拳のように覆っている。
だがその作りは簡素で、打ち合う音はカンカンと木のそれだ。
「あれは…カトラス?」
「ああ、デュサックね。練習用のカトラスみたいなものよ。」
私の質問にイングリットが答える。
水夫達の勝負を見て気付いたのは…ロングソードと違い片手で扱って、振りは早く、フェイントや手首の返しを多用している事だ。
あの剣の扱い方は…習得すれば『凍える大河』を扱う時に、選択肢が増えそうだ。
私が勝負をじっと見ていると、イングリットが声をかけてくる。
「興味があるなら、やってみる?」
オーガさん…正しくはアントンさんだが、彼に『凍える大河』と腕輪をまとめて預けてから、彼が用意してくれたデュサックを振ってみる。
樫の木を削って作られたものだろうか?
アントンさんの体格に合わせた物なのか、普通のカトラスよりも少し長めのものだが…丁度『凍える大河』と同じサイズだ。
上段から振り下ろし、正眼で止めた後に、肘を返してまた振るう。
甲板の端でそれを繰り返していると、いつの間にか水夫達の視線が集まっているのに気付いた。
「それじゃぁ、ちょっと立ち会ってみましょうか。」
「ええ、よろしくお願いするわ。」
イングリットと向かい合って、剣を中段に構える。
対する彼女は上段。
視線を合わせて頷くと、彼女は踏み込んで間合いを詰め、剣を振り下ろしてきた。
私はその一撃を下から剣で受ける…と、受ける瞬間に、彼女は手首をひねって刃を返す。
そして下を向いた切っ先を、さらに踏み込んだ勢いに乗せてそのまま突き出してきた。
おお、両手剣では無理な動きだ。
だが、騎士団の訓練で同じような技を使ってきた相手はいた。
私は切先を体からそらそうと横から剣を振る。
しかし、その瞬間彼女は肘を返して私の剣を躱すと、伸びた私の腕を打ち据えた。
「それまで!」
審判を買って出ていたアントンさんが手を上げる。
…思っていた以上に動くわね。
「どう?ロングソードとは勝手が違うでしょう?」
「そうね。どちらかと言うと、間合的に短剣での戦いのほうが近いのかしら?」
私が感じた事をつぶやくと彼女はその顔に微笑を浮かべる。
「さぁ、まだまだ行くわよ?」
私は頷くと、剣を構えた。
その後も私は負け続けた。
慣れぬ曲刀…という事もあったが、水夫頭だけあってイングリットの腕も大した物だ。
そして5本目…いつの間にか私たちの回りを囲み、勝敗について賭けを始めた水夫達のためにも、1回位は勝っておきたいが…。
向かい合った私達は、彼女の頷きを合図に間合いを詰める。
そして私は上段から剣を振り下ろし、彼女は下からそれを受ける。
そして剣が触れ合った瞬間、手首を返して下がった切先を彼女に突き出す…ここまでは彼女の1本目の動きそのものだ。
彼女もそれに気付いたのか、薄く笑みを浮かべて切先を下から跳ね上げようとする。
ふむ、そう返すのが常套か…だがその瞬間、私は剣を巻いて刀身を彼女の剣の下にくぐらせ、無防備な彼女の腕に切りつけた。
「そこまで!」
アントンさんの声に、大きく息をつく。
その途端、周囲からは、私に掛けた水夫の喚声と、彼女に掛けた水夫の悲鳴が聞こえてきた。
「おお、お嬢から1本取ったぞ!?」
「がーっ!今夜の飲み代が!」
「はっはっは、最後に来たぜ!今夜は美味い酒が飲めそうだ!!」
何とか一矢報いたか。
どうやら、周囲の雑音が聞こえない程に集中していたようだ。
「どう?少しはコツが掴めたかしら?」
歩み寄ってくる彼女に、私は大きく頷く。
「あの剣でも応用は利きそうね。為になったわ。」
私の感想に、イングリットが頷いた。
「まずは今回の事を幾度も思い出して、動き方に幅を持たせる事が重要ね。とりあえずは…他の勝負を見物しながら、色々と考えてみるといいわ。まぁ百も承知だと思うけど。」
彼女の忠告にもっともだと頷いて舷側にもたれかかる。
こうして、ブリーヴに到着するまでイングリットの解説と共に、水夫達の試合を眺めて過ごした。
上陸前に一仕事があるイングリットを船に残し、お昼前に私はブリーヴの街に入った。
尚、イングリットもマリオンの知り合いであるので、後ほどお屋敷で合流することにしてある。
リース家の屋敷に到着し、使用人に案内された部屋で椅子に座って待つ事しばし…給仕されたお茶を飲み干した頃、ジョゼを伴ってマリオンが現れた。
「お姉様!」
彼女は椅子から立ち上がった私を目にするや、私の首に飛びついてきた。
いつものように上等なドレス…だが夏だけあって薄い生地を使い、涼しげに仕立て上げられたその生地越しに、彼女のふくらみが伝わってくる。
…大きくなっている?
「ようこそおいで下さいました。私、この日を一日千秋の思いで待ち焦がれていましたのよ!?」
彼女の喜び様に、思わず苦笑が漏れる。
「もう、大げさね。」
「そんなことはありませんわ。それだけ待ち望んでいた事ですもの。さぁ、座ってくださいませ。」
彼女に手を引かれるまま、同じ長椅子に並んで座る。
そして私の手を撫で回し…手首の腕輪に気付いた彼女は、幸せそうに微笑んだ。
「まぁ、腕輪をして下さっているのですね。嬉しい…。」
そう言って彼女は自分の腕輪を見せる。
私達は視線を合わせ、そして微笑みあう。
出会ってからまだ数ヶ月しか経っていないが、私達はとてもよい関係を築けたと思う。
だからこそ、その関係を注意して維持しなくてはいけない。
「ええ、私もとても気に入ってはいるのよ。でもこの前も言ったけど、この様な事はこれっきりにして頂戴ね。確かに貴女の家はお金持ちだけど、私達はお金で結びついた関係じゃないんだから。」
私の言葉に、マリオンが表情を曇らす。
説教した事で、一応は納得してもらえたかと思っていたが、やっぱり完全には納得していなかったか。
「でも…お姉様は、私の命という、お金では計り知れないものを救ってくださいましたわ。だから、せめてものお礼として、贈り物をしたいのです。」
まるで懇願するように、彼女はこちらを見上げてくる。
…駄目よユーリア、ここで折れちゃ。
「だけどね、マリオン。私は沢山の高価な贈り物をもらったとしても、あまり素直に喜べないのよ。奥様にだって、十分過ぎるくらいよくしてもらったし…アンジェルの事も含めてね。それにね、私にとってもあなたを救えた事は、神々に感謝を捧げる位、嬉しい事なのよ?もしあの時貴女を救えなかったら…そう考えるだけで、怖くてたまらなくなるわ。」
私の思いの吐露に、彼女は目を見開く。
「だけど、貴女はここにいる。ここにいて、私に笑ってくれる。あなたの元気な姿を見る度に、私は私達が成し遂げた事を思い出し、それを誇りに思うわ。そう、貴女こそが、私の勲章。」
「私…がですか?」
マリオンは上気した頬でこちらを見つめてくる。
よし、あと一押し。
「ええ、そう。だから、それでもう十分なのよ。」
「ですが…。」
むぅ、意外と粘る。
だけど、何とかこちらの意見を納得させようと着地点を探る。
多少の譲歩はやむ負えないか?
「そうね。だったら、形に残らないもの…お菓子とか、お花とかはどうかしら?それもできれば、手作りのお菓子や野に咲く花…が相応しいけど、お屋敷の料理人に作らせたものや、庭に咲いている花ならまぁ許容範囲かしらね。それだったら、一緒に味わったり、眺めたりして記憶を共有する事はできるし、押し花や乾き華にすれば、形は残せるから。」
私の提案に、マリオンはゆっくりと頷いた。
よかった。どうやら納得してもらえたようだ
「そうですか…そうですわね。わかりましたわ、お姉様。では今度からはそうさせて頂きます。でも、偶にはまたお買い物をご一緒してくださいますか?」
「もちろんよ、マリオン。」
マリオンの頼みに、私は笑顔で頷く。
「でも、贈り物はあまり高価な物は駄目よ?王都の高級菓子店のお菓子とか、氷血華の花束とか。あと、いつも持ってこられるのも困るわね。甘いものを食べた分は体を動かさないと…。」
そう言って、私は忘れずに釘を刺しておくのであった。
その後、準備が整ったとの事で、私は昼食にお呼ばれする。
イングリット遅いなーと思いながら、普段どおりにお美しい奥様と、普段以上に機嫌のよい伯爵と共に談笑を交えた食事を終え、全員で部屋を移って食後のお茶となる。
「そういえば、ユーリア嬢はジョゼとフェリクス君の事は聞いておるのかね?」
伯爵の言葉に、カップを傾けていた私はとりあえず無言で頷き、カップを置いてから改めて口を開く。
「ええ、ジョゼから求婚されたとだけ聞いてはいます。」
そう答えながら、部屋の壁際に控えているジョセに視線を送る。
一見平静をつくろっている…様に見えるが、その顔は真っ赤だ。
まったく、可愛いったらありゃしない。
「私としては中々に見所のある青年だと思っていてね。彼と一緒になれば、贅を尽くした暮らしはできなくても、幸せな家庭を築けるのではないかと思っているのだよ。ジョゼにとっても、堅苦しい上級貴族に嫁ぐよりは性に合っているのではないかと思っている…のだが、ジョゼも頑固でな。マリオンが成人するまでは傍を離れないと言っている。」
そう言って大きくため息をつく。
ふむ、ジョゼの意見が無ければ、すぐにでも嫁がせたいと言わんばかりだ。
まぁ、庶子とはいえ貴族の結婚であるからには、政略結婚の色を帯びるのは仕方が無い事か。
「私としても、遠縁とはいえユーリア嬢と縁続きになれるのが楽しみでな。何かあれば相談に乗ってやってくれんか?」
ふむ、そうなればますますヴィエルニ家は穂首派に近づく事になるか…。
今まで一定の距離を保っていた父上が、これをどう考えるかが今一予測できないのだが…。
「ええ、もちろんです。私も応援いたしましょう。」
私は二つ返事で頷いた。
ジョゼが満更ではないのなら、応援するしかないわよね。
「うむ、そうか。よろしく頼む、ユーリア嬢。」
「そういえば、近頃はうちの既婚の使用人達が暇を見つけてはジョゼに花嫁修業を施しているのよ?「リース家の名に恥じない、立派な花嫁にしてみせる。」って、みんな張り切っちゃって。」
奥様が楽しげに笑う。
それを聞いて、マリオンが何かを思いついたのか手を打ち合わせる。
「そういえばジョゼ、アレがあったわよね。丁度いいから、お姉様の意見も聞いてみてはどうかしら?」
「ですがお嬢様、アレはまだ…。」
「だからですわ。ジョゼ、覚悟を決めなさい。」
そうマリオンに命じられたジョゼがこちらを見たので、私は無銀で頷く。
それで諦めたのか、彼女は一礼の後、静々と部屋を出て行った。
そして戻ってきた彼女の手には、一枚の盆が…そしてその上には焼き菓子が並べられていた。
「まだ修行中の身ですが、焼き菓子などを作ってみました。もしよろしければ、ご意見を伺いたく…。」
そう言って捧げ持った盆から、私はそのうちの一枚を摘み取り口に含む。
ふむ、甘さは控えめで歯ごたえはサクサク。
素人が作ったのならば、まぁ上出来では無いだろうか。
「悪くないわ、ジョゼ。でも相手はフェルだから、もう少し堅めに焼いて歯ごたえを楽しめるようにしてみるのも面白いんじゃないかしら。あるいは木の実を砕いて混ぜてみるとか…。」
私の評価に、彼女は口元を綻ばせる。
ああ、かわいいなぁ。
フェルにはもったいない位、よくできた女性だ。
「まぁ、あいつの事だから、貴女が作った焼き菓子なら、貪るように食い尽くすわよ。それは私が保証するわ。」
「ありがとうございます、ユーリア様。」
彼女は淡々と静々と礼を述べるが、その口調からは隠し切れない喜びが漏れ聞こえるようだ。
ああ、本当にフェルには勿体ない。
そうしてお茶を楽しんでいると、ノックの後に、ジャックさんが部屋に入ってきた。
彼は扉の前で一礼し、用向きを告げる。
「失礼いたします。ユーリア様、屋敷の前にイングリットと名乗る女性が参られ、言伝を承りました。」
ジャックさんが「この場で伝えてよいか?」といった感じでこちらの反応を待つので、私は頷く。
彼は再び一礼すると口を開いた。
「『緊急事態、大至急船に戻れ。間もなく出港。』との事です。」
読んでいただき、ありがとうございました。
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