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第三話 真実はいつもひとつ?

『な・・・なにこれーーー!!』


玄関中に響き渡る少女の声、その少女を怪訝な表情で見つめるワンピースを着た栗色の髪の少女。

そして声の主はというと、玄関に備え付けられてる姿見を凝視して硬直していた。


『ど...どうしたの?背でものびた?』

『幻覚・・・いや・・・夢・・・うん、きっとそうだ・・・』

『もしも~し!!何をブツブツ言ってるの~!!』

『ひゃうっ!』


耳元で大声を出され、びっくりした俺は正気に戻った、


『ウゥ......』


非科学的なことが起こって嬉しい反面、今までの自分を否定するかの様な光景に複雑な気持ちを抱え、泣きたくないのに自然と涙が溢れて自分の意思では止められなかった。


『わわっ!なっ...泣かないで!!ね!ね!!』


涙で視界が歪できた。

鏡に映っている少女も目に涙をためている、目頭が熱い、鼻の奥がツンとする、あぁ、これは夢でも幻覚でもない現実なんだ......


『ぐすっ......すまない、泣くっ...つもりじゃっ...なかったんだけど......』

『何かあったの?私でよかったら話を聞くよ?』

『実は......』






俺は村で何が起こったのか、包み隠さず全部話した。


『謎はすべて解けたわ!』

『本当か!』

『つまり!貴女は紅くんなのだ!』


なのだ!なのだ!......

的外れな答えを大声で叫びセルフエコーをしている彼女は。

水蓮寺葵(すいれんじあおい)

彼女も筋金入りの心霊オタクで、中学の時に出会い意気投合した。

よく一人で心霊スポットに行っているらしい。

心霊研究部に何度も誘っているのだが、一行に入ろうとしない、理由を聞くと、『怖さが半減する』だ、そうだ。

ちなみに、素人目でも胸は俺の方が大きいと分かる、勝った!


『どうしたの?頭抱えて?』

『違うんだ・・・俺が求めた答えは・・・それじゃ、無いんだっ・・・!』

『紅くん......』

『ん?』

『真実はいつもひとつ!だよ!』


こっちを指している手を俺はそっと、下ろさせた。






『単純に呪いとか、かしらね......』

『呪い?』


あの後、まじめに考え始めた俺たちは、「呪い」という答えを導きだした。


『ほら、簪』

『簪?』


村で拾ったボロボロの簪、何故俺はこれを持って帰ったのか、気が動転していたとはいえ、こんな汚い物を持ち帰るほど混乱はしていなかったはず......


『恐らくだけど、紅くんが見たっていう女の霊の遺品なんじゃないかな?』


遺品......はっ!なるほど、そうか!


『つまり、この簪は彼氏からもらったか何かで、死んだ後も彼氏の事が忘れられず、この簪に思いを込めて待っていたが、彼氏は一向に自分を迎えにこない、そして気づいてしまった。自分はそんなに愛されていなかったと......段々と彼女の気持ちは愛から憎しみへと変わりこの簪を拾った奴を女にして自分の苦しみを味あわせる、そしてこの簪をひろったのが......』

『そう!説明口調でしゃべった紅くんなのだよ!』

『『『『な、なんだってーー!!!!』』』』


俺の部屋のドアに部員全員が驚いた顔をして立っていた。みんなに説明する手間が省けた......っていうか。人ん家に無断で入るってどうよ......


『なぁ!なぁ!本当に紅なのか!?』


みんなが俺に擦り寄ってくる。まずは無断で家に入ったことを謝るべきなのでは......あっなんかムカついてきた。


『そうだよ!』


自分とは思えないほど、可愛い声が出てしまった。


『キャーー!!なにその声!かわいー!』

『せ、先輩!触ってもいいですか!』

『くっ!この私が一瞬ドキッとするなんて!不覚っ......!』


これでも精一杯に怖い声だしたつもりなのに......ふて腐れていると純が抱きついてくる、

助けてとアイコンタクトを送るが、

多々良は手をサワサワしてそれどころではなさそうだ、っていうかやめてください。

八雲は頬を染めて目を逸らす、あっ、なんか得した気分。

残りの二人は、鼻を隠してうなずいていた。赤い液体が垂れてますよ......


『とりあえず、みんなおちけつ......』


噛んだ、女性に抱きつかれているからなのか、自分が思っている以上に緊張しているのか。


『お前が落ち着け、ほれ、しんこきゅー』

『むぅ...』


純から離れ、みんな落ち着いたところで、空が紅く染まる頃まで、もっと他の原因があるんじゃないか話し合った。結局たどり着くのは呪いだったけど......


そしてこの日の夜、紅は彼女と出会うこととなる。

元ネタ

真実はいつもひとつ、とは

「名探偵コナン」で主人公の少年探偵・江戸川コナンが使う決めぜりふ。

な、なんだってー!とは、

漫画MMR中の台詞である。

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