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あの星空の下で  作者: 神城 奏翔
改正前
23/38

第20話 球技大会、終了!!





準決勝第1試合


1年A組と1年D組の試合。



現在、その試合をしている最中……だが、前半が終わった段階での結果は悪かった。


「……10対15か」

ウチが10点、相手が15点だ。

こっちが普通に2点とっても、相手が3点とるという。

なのでこんなにも差が開いてしまった。




「まぁ、5点差ならすぐに取り返せるよ」

「はぁはぁ……、そうだね」

「ええ、そうですね」

「蓮さん、そろそろ使っちゃいませんか?」

奈緒の励ましにみんなして答えていく。

だが、言葉に疲れが混ざっており、本当に辛そうだった。



その様子を見て、恭平が提案してきた。

いざというとき用に残していた作戦。

出来るだけ使いたくなかった作戦。



「……そうだな。そろそろ使うか」

「で、でもそれはキツイんじゃ」

理恵が心配して言ってくれる。

その心配はありがたいね。

いや、ありがたいというかなんというか嬉しいかな。


「大丈夫、大丈夫。俺は楽しめるから」

「……そうだったら私達が楽だけど、本当にいいの?」

「任せろ」






ピーーッ


試合再開のサイン

再開はこっちのボールからだった。

ーーさっそく行くぜ。



「優奈っ!」

近くまで走ってきた優奈にパスする。

それをうまくキャッチし、ドリブルしながら敵ゴールへ走る。



そして優奈は、左方向を一度も見ることなくパスをだす。

「残念だったな。もう少しだったのに」

『『ああーっ!』』

それを見て敵チームはよしっと思い、クラスメイトはガッカリする。



「優奈、ナイスパスだ!」だが俺は既にボールを受け取っていた。

「なっ!」

「甘かったな。ボールを投げ終えたからって油断してるんじゃねぇよ!」

ネット下まで一気にダッシュし、下から走り抜けるかのようにシュートする。



放たれたボールはネットの端を回りながらも中に入っていく。


「しゃぁ……あと3点。いや、あと4点だ!逆転すんぞ」

「「「「はい(ええ)!」」」」

2点返したからか、チームの気合いも変わったし俺達の応援をしてくれてるクラスメイト(全員)のテンションも上がった。



『水無月君、全然疲れてそうにないんだけど』

『そりゃ、川村先生の無茶ぶりに応えられるぐらいだからいけるんじゃない』

『あいつ、スタミナだけじゃなくてスピードもあんのかよ』

クラスメイトのこんな言葉が聞こえてくる。

(まあ、運動神経には自信がありますから)

と心の中でだが、返事をしてみる。




「……やるな」

「まぁね。こちとら親の理不尽な要求に応えてますから」

ホント、あの人達に鍛えられたからな。

自分からあんな仕事をしようとは思わないよ。



「そうか。だが、負けねぇぞ」

「ああ、勝負はこれからなんだからな」

試合時間残り10分。



それから試合は、点の取り合いになった。


こっちが2点をとると、向こうも2点取り返してくる。

理恵が3点シュートを決めても、相手も決めてくる。

このように両者一歩も引かない戦いになった。




「はぁはぁ……、あと2点か……」

いくらスタミナに自信があっても、ずっと走り続けては疲れてくる。

残すところあと1分弱。

そして点差は2点で、こっちボールから始まる。



(この状況なら、もうあの作戦しかないよな)

優奈と目を合わせる。

こいつの俺専用読心術があれば、作戦内容が伝わってくれる……はず。


「…………」

優奈は無言で首を縦に振る。

「……よし、あと2点だ。気合い入れていこうぜ」

別に大会とかではないので、気合いをいれる必要がないかもしれないけども。

一応、掛け声をだしておく。

「「はいっ」」

奈緒と恭平の二人が返事する。

理恵と優奈の二人はもう既に集中しているのか、返事はしなかった。

まあ、それに怒るつもりはない。

というか、集中してくれているなら逆にいい。



後は俺が……作戦が優奈に伝わっている。

そう信じてボールをドリブルしながらゴール近くまで走るだけだ。


「……じゃあ、行くぜ!」

地面にボールを一回つき試合再開の合図をだし、一気に走り出す。

「なっ!? まだスピードがあがるんかよ」

全力で走ったところ、速度にビビったのか全員が俺をマークしだす。



「……(にやっ)」

「しまった!? 水無月は囮だ!」

俺のしてやったり顔を見て、敵チームの何人かは気づくが遅い。

「優奈っ!!」

真後ろにいるはずの優奈にパスをする。




「はいっ!……理恵ちゃん」

ボールは作戦通り、3ポイントシュートエリアにいる理恵に回った。

あとは……理恵次第。

「恭平!」

一応、念のため恭平に前に出ろ。

というサインを出しておく。

理恵のシュートが入らなかったときようだ。




「理恵、決めろ!!」

「ああ、もう!

言われなくてもわかってるわよ!!」

文句を言いながらゴール目指してボールを放り投げる。


理恵の手から放たれたボールは綺麗な放物線を描いて相手のネットに入った。




「……入った」

「入ったよ!!

やったやった!!」

「理恵ちゃん、すごいよ」

シュートが決まったことにより、女子のテンションがあがる。


そして…………


ピーーッ

と、試合終了を告げるサインが鳴る。



「試合終了?」

「ってことは……」

『勝者 1年A組』

「やったーー!」

勝ったことがかなり嬉しいのか、子供のようにはしゃぐ女子逹。

そこにあまりはしゃいだりしたことのない優奈の姿を見て、新鮮な気分になった。




「やりましたね。蓮さん」

「ああ、そうだな」

「だけどまだ決勝戦が残ってるんですよね……」

目の前で決勝戦に勝ったときみたいにはしゃいでる女子を見ながら言ってくる。

「まぁ、良いんじゃないか」

喜ぶのは良いことだし、それに………

「男としても、あんな嬉しそうな顔を見てるとやる気になるだろ?」

「そうですね……、気合いが入りますね」

ならやってやろうじゃん。テンション上げてな。




次に行われた決勝戦だけど、語るも無駄な結果になった。


勝ったには勝ったのだが、俺と恭平の二人で大半の点数をとったというね。

圧倒的な試合だったので、省略する。


……うん。あれはいろんな意味で黒歴史だ。




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