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あの星空の下で  作者: 神城 奏翔
改正前
17/38

第15話  ~腐れ縁その2~



会長から新入部員二人を紹介された後、

俺たちは学校内をブラブラしていた。

勿論、普通の男物の服でだ。

「お前ら、あの部活に本当に入る気なのか?」

「ええ、入りますよ。

だって、面白そうじゃないですか」

いや、全然面白くないんだが。

「まっ、私は他に気になった部活もないしね」

「そっか……。でも、後悔するなよ」

「「後悔はしません」」

と、言い張る優奈と理恵。ま、忠告はしたからいいや。




「そうか、なら頑張ってくれよ」

「おぉ、蓮じゃん。久しぶり」

優奈達と話し込んでいたら、ふと後ろから俺を呼ぶ声が聞こえる。

その声が聞こえたほうを向くと、学校指定の体操服を着て、

黒髪短髪でパーマを当てている男が目に入った。







確か……こいつはーーー







「……和弥か?」

「おう、そうだぜ。

去年、一緒にバカやってた和弥だぜ」

野崎和弥(のざきかずや)

俺の腐れ縁その2兼元クラスメイトだ。

そういや、こいつとはかなりバカやってたんだよな。

色んなことをしでかしたな。……そのたびに先生に怒られて。



「まさか忘れていたわけじゃねぇよな?」

「んなわけねぇよ。バーーカ」

若干、忘れかけていたことを隠し軽口を言う。

「で、バスケはまだやってんのか?」

「おう、今から実践練習だぜ。良かったらするか?」

実践練習か……。

バスケ初心者の理恵に見せるには良いかもな。






「良いのか?」

「ああ、いいぜ。今日は新入生達に見せるためだしな」

ああ、そっか。

文化系は体育館で自己PR的な発表だけど、

運動系は各自の練習風景を見せるんだよな。

ホント、こういう時だけ運動部が羨ましくなるぜ。

練習するだけでいいんだから。さっきみたいに女装する必要も……。

……やべぇ、思い出したくないもの思い出しちまったぜ。





「そんじゃ行こうぜ。

理恵にバスケのコツとか教えられるかも知れないしな」

「……そうですね。行きましょうか」

俺のテンションが若干、上がっちゃってるからか知らないが、

優奈と理恵はビックリしていた。

ま、優奈は少ししてから冷静になったのか、すぐに返事をしてくれた。

……なんか呆れながらだったけどな。俺の行動、なんか変だったか?






「ええ、わかったわ」

「よっしゃーーっ!!

二人の許可もとれたし行こうぜ、和弥」

妙にノリノリの俺を先頭に、俺達は体育館を目指す。

ちなみに俺がノリノリな理由は単に運動が出来るからだ。

つまりバスケじゃなくてもサッカーや野球でも良いってわけ。

そんな性格なのに運動部に入らなかったのは、練習がめんどくさいって言うのが本音だ。


頑張って練習してる人には申し訳ないけど、

練習なんてめんどくさくてしたくないんだよな。俺は。

だから部活に入ることなく試合形式の練習が出来るという話だから乗ったというわけです。





   



    ◇





「おーーい、みんな。

かなり急だが、珍しい観客が来たぜ」

体育館に入ってすぐ、和弥が大声で言い放った言葉はコレだった。

珍しい観客って……。そんなに珍しいかよ俺。

「おう、了解。新入生達はここで見ておいてね。

俺達は今から二つのチームに別れて試合形式で練習するから」

部長らしき人は、見学をしにきた新入生達にそれだけ言ってからこちらに向かってくる。

やっぱ試合形式の練習か。ま、かなり面白そうだから良いよな。




「そうだな……。和弥、お前のチームにそいつを入れろ。

こっちはもう、定員一杯だからな」

「了解です」

おっ、和弥と一緒のチームか。

やっぱり見知ったやつと一緒のチームだとやりやすいかな。

「蓮、それじゃあコレを着ろ」

和弥に手渡された物、それは和弥達も着ている赤色のユニフォームだった。



「はいはい。わかりました」

別の場所まで行くのがめんどくさかったので、その場で着替えることにする。

「……出来れば違う場所で着替えて欲しかったんだけどな」

そんな俺を見て、和弥は何かを呟いた。

「ん?何か言ったか?」

「いや、別に……。それよりも今からチームになるやつの名前を覚えてくれ」

「ああ、了解。

番号と名前を言ってくれ。それだけで覚えられる」

一応、バカやってたけど、頭的な意味ではバカではないしな。

「……1番、稲村。2番、お前。3番、松下。4番、高橋。5番、俺だ」

「了解」

ま、俺は番号だけで判断し、ボールをパスするから関係ないけどね。









結果、俺達が5ポイント差で勝った。

その結果には、俺と和弥以外全員が驚いていた。





「……やった」

誰かが呟いた言葉。

それをキッカケに皆がはしゃぎ出す。

「やったーーっ!!やっと先輩達に勝った!」

「よっしゃーーっ!!これで未来の部長は俺に……」

「ないない。それは絶対にねぇよ。

あるとしたら未来の部長は和弥だし、それに無茶苦茶、先の話をするな」

そんな感じにはしゃいでいるのを見守っている俺と和弥ーーーそして対戦相手の先輩方。




「ま、これはこれで自信はついたかな」

そう呟く俺を驚愕の表情で見てくる和弥。

「……いつ、気づいたんだ?」

「ん? ほんのついさっきだが。もしかして俺を誘ったのは、

先輩に勝つ喜びや自信をつけさせるためなのかな、ってな。

だって俺、運動関係だと強いしね」

【水無月蓮、運動神経抜群説】は和弥達、

元クラスメイト達全員、知っていることなので自慢気に言ってみる。




「自分で言うのはどうかと思うぞ。

ま、お前が運動神経が凄いのは納得だけどな」

「だろ。まぁ、お前の作戦はうまく言ったから良いんじゃないか?」

汗を垂らしながら和弥と話す。

つーーか、和弥のやつ。なんでそんなに汗をかかないんだよ。

「……ああ、そういやお前は今回、

パス出すか、シュートするにしても3ポイントシュートだけだったな」

「最近、ロングシュートに憧れてるんだよ。

だからやってみたんだが、意外と出来そうだな」

おいおい、お前の仲間が憧れ、

そして勝ちたかった先輩方に対してお前は本当に練習してたんですか?



ーーもう少しは本気でやろうぜ。

そう思った俺は悪くないだろう。







「あ、あの……」

「ん、どうかした?」

声がした方向を見ると、黒髪のショートボブカットで、

バスケ部と同じユニフォームっぽいものを着ている女の子がきた。

……っぽいものと言った理由は、一つ。見た目が少し違ったからだ。

なので、本当に一緒なのかわからなかったというわけなのです。



「コレ、どうぞ。使ってください」

女の子の手には洗ったばかりらしいタオルと、

プラスチックで出来ている入れ物があった。

……確か、このプラスチックの飲み物を入れる

入れ物の名称って、スクイズボトルだったっけ?

まぁ、どうでも良い話だけどね。





「サンキュー、助かるよ」

「あっ……///」

それを躊躇なく受け取る。というのも、

かなり疲れているから色々と考えてらんないし。

なんか女の子の頬が赤く染まったような気がするけどどうしたのかな?

「はーー、生き返るーーーー」

スポーツドリンクをゴクゴクと遠慮なく飲んでから言う。

「……蓮。少しは色々と考えて行動しろ」

「和弥、何の話してるんだ。あ、コレ、ありがとね」

微笑みながら女の子にお礼を言う。

そしてそれと同時に女の子にスポーツドリンクを渡す。







すると女の子はーーーー



「あ、いえ。

これが私の仕事ですので……///」

俺が渡したスポーツドリンクが入っている

スクイズボトルを受け取り、そういってくる女の子。

私の仕事というってことは、

この女の子はバスケ部のマネージャーなのかな?



「それにしてもだよ。

バスケ部じゃない俺に、そこまでしてくれるなんてさ。

気が利いてるというかなんというか。

なっ? そこは自信を持って言い張って良いと思うぜ。

超個人的な意見だけど、気が利く女の子って、俺、かなり好みだし」

「っ……///し、失礼します///」

急に顔を赤くして近くから立ち去るマネージャーの女の子。

あれ、なんか変な事言っちゃったか?





「……蓮、お前は本当に女誑しだな」

「はっ?ちょ、何の話だよ?

つーーか、俺が女誑しなわけないだろ」

俺みたいなやつが女誑しだったら、

世の中の男のうち、ほとんどが女誑しだろ。

「……しかも、自覚なしかよ。

ホント、知佳も大変だな。ーー色々な意味で」

「おい、ちょ……和弥!?」

それだけ言い残して、和弥はどこかへ向かった。



自覚がない、ってどういうことさ!!

そして知佳って誰だよ!?



それから家に何事もなく帰ったのだが、

ずっと和弥の言ってきた言葉によって悩まされ、

今晩は眠れなかった。というのは余談である。




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