第12話 ~悪巧み~
翌日の朝、俺はいつもよりかなり早めに起きた。
理由は、放送部……もといあの生徒会長さんの呼び出しのおかげだ。
まったく少しは他の人のことを考えろっての。
「あ、兄さん。今日は早いですね。
どうしたんですか?」
いつもより早く起きる俺に驚く優奈。
悪かったな、普段から起きる時間が遅くて。
「ほら、昨日 先生に言われただろ?『水無月兄は明日7時にくるように』って」
「……そういえば言ってましたね」
おいおいたった1日で忘れたのかよ。
まあ、仕方ないっちゃあ仕方ないかな。
俺もさっきまで忘れてたし。
「でも、どうしましょう?まだ朝食の用意が出来てないんですが」
「ああ、別に気にするな。途中でなんか買っていくから」
コン○ニに寄って、おにぎりとうま~いお茶でも買うか。
そういえば期間限定で牛カルビっていうおにぎりが出てたような。
ならそれにしてみるのも良いかも。
「そうですか……、ならお金を」
(また、こいつは……)
続きを言おうとした優奈の口に人差し指を当てる。
「だーかーら、前にも言っただろ。
それはお前のお小遣いなんだから、俺に渡すのはおかしいって」
「ですけど……////」
なぜか顔を赤らめて、俺を見てくる優奈。
「良いから。俺もお小遣いをもらってるからそれを使うっての。いいな?」
「はい、わかりました//」
ついさっきまで顔を赤に染めていたためか、まだ優奈の頬は赤かった。
……てか、リアルに聞きたいんだけど、なんで優奈は顔を赤くしたんだよ。
「んじゃ、行ってくるわ」
「はい、行ってらっしゃい。
放送部、理恵さんと見に行きますね」
「来んな」
笑いながら言ってくる優奈に軽口を叩きながら家をでる。
☆
「で、なんでこうなるんですか?美琴さん///」
家を出てから20分後、学校一階に存在してる放送部部室に俺はいた。
のだが、状況がかなりおかしなことになっている。
「うん、可愛いよ。蓮ちゃん」
(……ホント、なんでこんなことに)
なぜなら俺が現在着ている服が、女物だからだ。
~10分前~
「確か部室って、ここだよな」
俺の記憶を辿ってついた場所は、南館一階のとある部屋だった。
「……でも、こんな感じだったっけ?」
ふとそう思ってしまうのも仕方ない。
そう思えるほどおかしくなっていた。……こう、空気的に。
「なんか急に帰りたくなってきた」
会長の呼び出しだからな。帰ったら悪化するような気がするんだよね。
「まっ、帰らなくても悪化はするけどね」
ガシッ、という効果音がついたかと思うくらい力強く腕を掴まれる。
「……会長?な、なにを」
「良くも去年は、私に仕事を放り投げてくれたわね」
仕事……?なんのことだ?
意味がわからないんですけど。
そう思っていた時間は束の間に消える。
(あれっ、ちょっと待てよ。なんか当てはまる件があるんだけどなんだったかな)
部活?ーーいや、違う。
クラス委員?いや、違うな。
クラス委員は、会長が……
「あっ!?クラス委員補佐」
「正解♪」
「ちょっ、待て!!アレには事情が……」
具体的には親の超危険な仕事をしていて、
学校にくる事自体、超無理だったんですけど。
「問答無用!!」
そう宣言し俺を部室に引きずって行く会長。
「り、理不尽だーーっ!!」
はい、加那 翔です。
さて、いかがでしたでしょうか?
最近、羨ましいことばかりあったので、
蓮さんには酷い目にあってもらいましたwww